奄美鶏飯と島料理の鳥しん

郷土料理から居酒屋メニューまでバラエティ豊か

宴会からお一人様まで対応

飲食店がひしめく名瀬(なぜ)市街の中心地にある鳥しんは、2022年(令和4)で創業31年を迎える郷土料理店。広い店内には、テーブル席のほか掘りごたつ席やカウンター席があり、団体客から家族連れ、お一人様までゆったりとくつろげる雰囲気だ。店内の棚にはボトルキープされた黒糖焼酎がずらりと並び、常連客の多さがうかがえる。昼から夜遅くまでの通し営業なのがうれしいが、人気の店なので予約をしてから訪れるのがおすすめだ。

店の屋根でお客さんを迎えるニワトリが目印

女性一人でも入りやすい明るい雰囲気

昔ながらの調理法で作る看板料理「鶏飯」

ここに来たなら必ず食べたいのが、奄美大島の郷土料理「鶏飯」だ。「鶏飯」は、元は薩摩藩統治時代に役人たちをもてなすために作られたぜいたくな料理。ごはんの上に、細かく裂いた鶏のササミや錦糸卵、青パパイヤ、椎茸、柑橘類といった色鮮やかな具材を載せ、熱々のスープをかけていただくのが一般的だ。鳥しんの「鶏飯」は、店主の「おふくろの味」をもとに伝統的な調理法で作られる。鶏ガラと奄美の天然塩をマイナスイオン水で10時間ほどじっくり煮込んだ特製スープが自慢で、雑味のないすっきりとした味わいが特徴。ボリューム満点で食べごたえがあるので、ほかの料理もオーダーするなら仲間とシェアしてもいいだろう。

黄金色の澄んだスープが評判の「鶏飯」(1100円)

郷土料理やオリジナルメニューも充実

鶏飯以外にも、丸ごと仕入れる上質な鶏を使った料理がたくさん。朝引きの新鮮な鶏肉を刺身でいただく「鳥造り3点盛り合わせ」や、炭火で直焼きした「もものひらき」、鶏飯のスープを使った「鶏飯ラーメン」など、どれも鶏の濃厚な味が引き立つ逸品ばかりだ。また、ご当地グルメグランプリで受賞した「奄美黒豚パパイヤ丼」は、この店でしか食べられないオリジナルメニュー。奄美産のジューシーな黒豚にパパイヤ炒め、もずくとパパイヤの和え物が載った、栄養満点のパワーご飯には地元のファンも多いのだとか。このほか、「山羊汁」や「油ソーメン」、ハリセンボンの味噌汁「アバス汁」など、奄美の郷土料理がひととおりそろうので、気になるメニューは臆せず注文してみよう。

「奄美黒豚パパイヤ丼」(1000円)と「鳥造り3点盛り合わせ」(1650円)