陶祖 李参平窯ギャラリーショップ

お土産

有田焼を始めた初代李参平の姿を追う十四代

日本の陶磁器を大きく発展させたのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に連れてこられた何百人という朝鮮の陶工たちだった。そのなかで、日本初の磁器を完成させたのが李参平。現在、十四代目がその意志を継いでいる。

「生掛け茶碗」(6600円)。これで、おかゆを食べるのがおすすめだという} 「生掛け茶碗」(6600円)。これで、おかゆを食べるのがおすすめだという

磁石鉱を発見した李参平

鍋島藩藩主によって佐賀の地に連れてこられた陶工の李参平は、白磁に適した土を探して、1616年(元和2)に有田の泉山で良質の磁石鉱を発見した(近年の研究では1610年代初頭との説も)。天狗谷窯を築いた李参平は、現在のシステムに近い作業の分業化を確立し、有田焼の産業の礎を築いたとされる。1616年(元和2)に鍋島藩主に磁器を献上したのが、有田焼の始まりとなった。その功績が讃えられ、李参平の出身地である錦江島の在所から名をとり「金ヶ江三兵衛(かねがえさんべえ)」という日本名を名乗るようになる。1655年(明暦元)8月11日に亡くなると、戒名(月窓浄心居)が授けられ、墓碑も創建された。当時の日本で戒名があり墓碑があるというのは極めてまれなことで、最上級の庇護を受けていたことがうかがえる。

店構えはこぢんまりとして控えめな雰囲気} 店構えはこぢんまりとして控えめな雰囲気

再興された李参平窯

金ヶ江三兵衛家は初代より四代目までは有田焼を作り続けていたが、四代目のときに不窯が続き(窯がうまく焼きあがらず)、窯元としての仕事を辞めてしまったという。以後、窯元としての活動はしておらず、金ヶ江三兵衛の名前と金ヶ江家文書を受け継いできた。現在、「陶祖 李参平窯」のご主人は、十四代李参平さん。陶祖 李参平窯を再興したのは先代の十三代だった。父の姿を見ながら作陶の道を志した十四代は、初代李参平が活躍した時代の初期伊万里を研究し、初期伊万里式の確立を目指してきた。そのために問題となるのは陶石だった。現在、有田焼で使っているのは熊本県天草の陶石。より白い作品を作ることができるため100年ほど前から原材料とされている。だが十四代は、有田焼の原点である泉山の石にこだわる。2014年(平成26)、研究の末、泉山磁石100%の陶土が完成。「参平土(さんぺいど)」と名付けられた。

店内も質素なたたずまいで、作品にも派手な色合いは使われていない} 店内も質素なたたずまいで、作品にも派手な色合いは使われていない

茶碗類は人気が高い。中央は「染付飯茶碗 福寿字」(6600円)} 茶碗類は人気が高い。中央は「染付飯茶碗 福寿字」(6600円)

磁器なのに土の味わいが感じられる器

十四代李参平がこだわる初期伊万里には、現在の有田焼のように華やかではなく、素朴なものも少なくなかったという。「陶祖 李参平窯ギャラリーショップ」の店内を見回しても、きらびやかな作品はほとんどない。「これはおもしろい器です」と十四代が教えてくれたのは「生掛け茶碗」。磁器の茶碗なのだが、どの茶碗も微妙にゆがんでいる。陶器には土の味わいや温もりが感じられ、磁器には軽さや上品さが感じられるというのが、陶器と磁器の一般的な違いだと思い込んでいたが、これほど陶器のように手になじみ、それでいて磁器の薄さや軽さが伝わってくる器を手にしたのは初めて。まさに「おもしろい」作品だ。素材が生のうちに釉薬をかけ、窯で焼くと少しゆがむ。ガス窯では、そのような「味」は出ないという。この味わいを好んでこの店を訪ねる人も少なくない。

難しい辰砂(しんしゃ。赤色)を取り入れた新作の花瓶(5万円代~)} 難しい辰砂(しんしゃ。赤色)を取り入れた新作の花瓶(5万円代~)

「窯から作品を出すときは、いつもわくわくする」と話す十四代李参平} 「窯から作品を出すときは、いつもわくわくする」と話す十四代李参平

スポット詳細

住所
佐賀県西松浦郡有田町幸平2-1-3 map map 地図
電話番号
0955424722
時間
12:00-17:00
休業日
火、年末年始
※作陶時期には休業する場合もございます。
駐車場
あり(1台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club、その他)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay、PayPay、メルPAY、d払い、ALIPAY)
Wi-Fi
あり
コンセント口
あり(2口)
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
乳幼児の入店
ペットの入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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