吉備路文学館

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吉備路ゆかりの多彩な文学者を紹介

吉備路(岡山県全域と広島県東部の地域)ゆかりの多彩な作家たちを紹介する吉備路文学館(きびじぶんがくかん)は、博物館と収蔵図書観覧、2つの機能を備えた全国でも珍しい施設。建物の周囲にある美しい庭園もゆっくり散策したい。

1階の展示室では、吉備路ゆかりの文学者に関する展覧会が開催される} 1階の展示室では、吉備路ゆかりの文学者に関する展覧会が開催される

図書観覧とミュージアムを兼ねる施設

近くに農業用の水路西川が流れる閑静な住宅街に、瓦葺き切妻屋根の和風建物「吉備路文学館」が落ち着いた風情でたたずむ。鉄筋コンクリート造り2階建て(一部3階)で、延べ床面積1384平方メートル。1986年(昭和61)、中国銀行創立50周年の記念事業の一環として、当時の守分勉(もりわけつとむ)頭取が理事長を務め、吉備路文学館が開館した。1階は展示室とロビー、ガラス越しに庭園を望める閲覧スペース、2階は企画展示室兼講堂、北泉(ほくせん)ホールなどがある。博物館と収蔵図書閲覧の機能を備えた全国でもユニークな博物館だ。1階では、ビデオ『文学碑をたずねて』のシリーズ3部(各15~17分)が流されているので、ぜひ観てみよう。

閑静な住宅地のなかにある吉備路文学館} 閑静な住宅地のなかにある吉備路文学館

2階へ上がる階段の壁は、鶴を描いた備前焼の陶壁ですばらしい空間となっている} 2階へ上がる階段の壁は、鶴を描いた備前焼の陶壁ですばらしい空間となっている

多彩にそろうゆかりの作家たち

岡山県と、尾道市、福山市など広島県東部を含むエリアは、ゆかりの文学者を数多く輩出している。小説では、正宗白鳥(まさむねはくちょう)、内田百閒(うちだひゃっけん)、坪田譲治(つぼたじょうじ)、井伏鱒二(いぶせますじ)、木山捷平(きやましょうへい)、石川達三(いしかわたつぞう)、横溝正史(よこみぞせいし)、柴田錬三郎(しばたれんざぶろう)、藤原審爾(ふじわらしんじ)。現存作家では小川洋子(おがわようこ)、重松清(しげまつきよし)、小手鞠るい(こでまりるい)、原田宗典(はらだむねのり)、原田マハ兄妹、岩井志麻子(いわいしまこ)、高嶋哲夫(たかしまてつお)など、実に多彩。詩人の薄田泣菫(すすきだきゅうきん)、短歌の木下利玄(きのしたりげん)も忘れてはいけない。吉備路文学館は、小川洋子の芥川賞の正賞の懐中時計、柴田錬三郎の『眠狂四郎虚無日誌』の約2100枚の直筆原稿など、作家らの著書や直筆原稿、愛用の品々など約4万7000点を収蔵している。企画展・特別展は1階、2階の展示場を使って、年間各4回開催している。

建物の周囲をめぐる庭も見どころだ} 建物の周囲をめぐる庭も見どころだ

周囲をめぐる庭園も見学したい

吉備路文学館は、以前この地にあった中国銀行の「北泉寮」の跡に建てられた。建物の周囲をめぐる庭園は廻遊式で、開館時間内なら自由に見てまわれる。庭園内の池には西川から引かれた水が滝を通して注がれる。滝の石組は、岡山後楽園の作庭者・津田永忠設計の「田原井堰」から移されたもの。館内の2階へ上がる階段の壁面には、備前焼の岡山県重要無形文化財保持者だった浦上善次による『鶴来招福図』と題された陶板が設置されていて、大きなガラス窓を通して見える滝石組、池のある庭の光景と響きあっている。4月上旬から中旬頃、花の咲き始めは薄い黄緑色で次第にピンク色に変わる鬱金桜(うこんざくら)は文学館のシンボルツリー。春を彩る山野草とともに、文学を愛する人々の心を和ませてくれる。

ゆかりの現代作家のサイン本などが並ぶミュージアムショップ} ゆかりの現代作家のサイン本などが並ぶミュージアムショップ

薄い黄緑色からピンク色に花の色が変わる鬱金桜(うこんざくら)も館のシンボルツリー} 薄い黄緑色からピンク色に花の色が変わる鬱金桜(うこんざくら)も館のシンボルツリー

スポット詳細

住所
岡山県岡山市北区南方3-5-35 map map 地図
電話番号
0862237411
時間
9:30-17:00(最終入館16:30)
休業日
月(祝の場合は開館)、祝日の翌日、年末年始、その他展示替など特別休館日
料金
[入館料]一般400円、大学・高校生300円、中学・小学生200円
駐車場
あり(8台)
クレジットカード
可(VISA、JCB)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay)
Wi-Fi
なし
コンセント口
あり
喫煙
不可(館外に喫煙コーナーあり)
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 岡山市散策にて
    3.0 投稿日 : 2019.12.13
    岡山駅から少し歩いた場所にあります。一階、二階に展示フロアがあります。企画展『あやかし、まぼろし文学展』、『吉備路ゆかりの文学者 生誕記念展』がかいさいされていて色紙、図書などが展示、解説していて文学に関してしることができました○
  • 悔しさ倍加
    2.0 投稿日 : 2019.09.05
    駅前の大通りを進み西川綠造公園筋の左手を辿っていくと文学館の傍らにいたる。目的はここの出身内田百閒だったが訪れたとき同じくここの出身「時実新子」の特別展だった。川柳作家だったということで興味は無かったが吉備路出身の他の作家の展示でもと思い入館した。しかし館内は時実に関する展示ばかりで見られたのはほんの僅かの展示で、肝心の内田百閒は6月2日まで特別展が開催されていたという。泣き面に蜂、案内所での事前...
  • 文学館と文化館
    4.0 投稿日 : 2019.06.10
    吉備路には、岡山市の吉備路文学館と、総社市の吉備路文化館とがあります。以前、総社の吉備路文化館が、ゆったり鑑賞できてよかったので、岡山に行った際こちらにも寄ってみました。その地域の著者や文学に触れられるよい機会だと思いました。

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アクセス

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最寄り

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