岡山禁酒会館
大切に使用されている大正時代の3階建ての洋館
大正時代の洋館が残る
JR岡山駅から路面電車の東山行きに乗り、城下交差点を南に曲がると左手に木造3階建ての洋館が目に入る。これが「岡山禁酒会館」だ。岡山市内で初めての登録有形文化財になったことでも知られる。凹凸があるドイツ壁と白タイルが組み合わされた正面外観には、黄色の古風な書体で「禁酒會館」と掲げてある。屋根は傾斜が2段階になっている「マンサード屋根」。どこを見ても、大正時代の面影を感じる。1階は現在、「珈琲屋ラヴィアンカフェ」と、書店「ル・リーブル街の灯」が入っている。2階はアトリエ、集会場と、一角には建物の歴史のわかる展示室があり、3階は事務所として使われている。書店「ル・リーブル街の灯」は、2020年(令和2)12月まで約65年間、親しまれてきたキリスト教専門書店「CLC岡山店」が生まれ変わったもので、キリスト教関連書籍以外の絵本や児童書もそろう。「珈琲屋ラヴィアンカフェ」は自家焙煎のコーヒーが人気だ。
1階の「珈琲屋ラヴィアンカフェ」。香り高いコーヒーを楽しめる
1階の書店「ル・リーブル街の灯」。絵本などもあるので気軽に立ち寄ってみよう
禁酒啓蒙運動の拠点として誕生
開館したのは1923年(大正12)。キリスト教伝導との関連が大きかったそうだが、それだけではなく、景気の悪化や社会不安から飲酒に走る人が多かったため、禁酒運動家らが禁酒啓蒙運動の拠点として建てたものだという。当時、1階は洋食メニューをそろえた大衆食堂と中庭、2階は集会場、3階は宿泊室が設けられ、禁酒を訴える講演会や展覧会場として使われた。岡山市出身の児童文学作家・坪田譲治(つぼたじょうじ)がここに滞在して執筆したこともあるそうだ。1945年(昭和20)6月29日の大空襲からも奇跡的に難を逃れたが、1970年(昭和45)頃には、客足が遠のき食堂を閉鎖、老朽化で取り壊しの声も出ていたが、熱心な市民たちの保存運動が実り、2002年(平成14)に登録有形文化財となった。
2階のホール。現在も講演会や展覧会場として使われている。約40人収容
中庭ではライブや野外劇などが開かれることも。広さは約60平方メートル。奥に見えるのは国指定重要文化財の岡山城西手櫓
2つの伝統建築を写真に収めよう
建物の横の駐車場奥の高さ7mほどの見事な石垣の上には、国指定重要文化財の岡山城西手櫓がそびえる。空襲による焼失を免れた2つの櫓の1つで、岡山藩初代藩主池田忠継(いけだただつぐ)の兄・利隆(としたか)が建てたとされ、西面は敵を撃退する石落とし、格子付きの出窓などが設けられている。県道を隔てた岡山市シンフォニービル側から見ると、岡山禁酒会館と岡山城西手櫓が同時に視界に入り、ツーショットを写真に収めることができると注目されている。
スポット詳細
- 住所
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岡山県岡山市北区丸の内1-1-15
地図
- エリア
- 岡山市・後楽園周辺エリア
- 電話番号
- 0862226297
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 岡山市民観光にて
- 岡山駅から後楽園に行く途中で発見しました。大正時代に禁酒運動の拠点として建てられた物だそうです。現在は一階がカフェになっていました○
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- 西の丸 西手櫓(国重要文化財)と一緒に並んだ 景観を楽しむことが出来ます
- こちらが(国登録有形文化財)であることから訪問しましたが、すぐ側に[月見櫓(国重要文化財)]とともに 空襲による焼失を免れた[西の丸 西手櫓(国重要文化財)]がありました[[岡山城]関連で(国重要文化財)指定となっているのは[月見櫓]と[西の丸 西手櫓]]のみ]。 建築物鑑賞ファンの方、城郭鑑賞ファンの方 [禁酒会館]と[西の丸...
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- 岡山城観光と一緒に周るのが良いです。
- 路面電車で行きましたので降車場は岡山城と同じ「城下」、城に行く道を少し(1-2分程度)それますが、この歴史的な建物を見ることが出来ます。大正12年に建てられ戦災の被害も逃れたドイツ風の建物です。飲酒運転で交通事故が多い現代でなんとなく分かりそうな気がしますが、といって全面的に禁止も困ります。難しいものですね。
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