風の松原
能代(のしろ)のまちを守り続ける、日本最大規模の防砂林
能代のまちを守ってきた、歴史ある松林
「日本五大松原」のなかでも圧倒的な広さをもち、北は八峰町(はっぽうちょう)との境から、南は三種町(みたねちょう)に至るまで、南北総延長14km、東西幅平均1kmにわたって能代の海岸沿いに広がる広大な松林。植栽の歴史は、江戸時代の中頃までさかのぼる。当時、海岸からの飛砂被害にひどく悩まされていた能代のまちを守るため、町医者であった長尾祐達(ながおゆうたつ)が海岸砂防策を提唱、実施。その意思を引き継ぐ形で、能代の回船問屋らが自費でクロマツを植えた。以降、大火や伐採によって何度も失われながら、300年以上にわたって植林と整備を繰り返し、現在のような姿になった。飛砂の抑止だけでなく、1983年(昭和58)の日本海中部地震では、津波の威力を減衰させる効果も発揮。現在は市民のレクリエーションの場としても愛されており、能代の人びとの生活に欠かすことのできない場所となっている。
森林のエネルギーを五感で感じるハイキング
散策路として整備された「健康づくりのみち」には、ウッドチップが敷き詰められていて足にやさしく、長時間歩いても疲れにくい。きれいな空気を吸い込んで、虫の声や鳥のさえずりに耳を澄ませつつ森林のなかを歩くと、生命力を惜しみなく分け与えられているような気持ちになる。道はいくつか枝分かれしており、40分程度でまわれるものから、数時間かけてゆっくりと自然を堪能できるものまでさまざまだ。もともと海岸の砂が風で飛ばされて砂丘となった土地のため、ゆるやかな起伏があり、適度な運動にちょうどいい。観測されている植物は371種類、鳥類は92種類。リスやノウサギなどの野生動物も数多く棲み着いているので、歩いているうちに出合えるかも。冬になると、雪の上にかわいらしい動物の足跡も見られる。「いこいの広場」と散策路の中間位置には水場があり、秋には紅葉が美しい。
ピクニックも、歴史探訪も。楽しみ方はそれぞれ
入り口から徒歩2分ほどの「いこいの広場」には、遊具やフィールドアスレチックが設置されている。別のエリアにはマレットゴルフのコースもあり、大人も子どももめいっぱい体を動かして遊ぶことができる。6kmのサイクリングコースもあるので「風の松原案内所サン・ウッド能代」でレンタサイクルを利用するのもオススメだ。また、北東に位置する「能代公園」周辺のエリアには、日本で2番目に古い方角石として日本遺産に認定されている「日和山方角石(ひよりやまほうがくいし)」や、1777年(安永6)に魚類供養と大漁満作のために建立された「日和山五輪塔(ひよりやまごりんとう)」など、歴史好きにはたまらないスポットも点在している。能代観光協会を通して「風の松原ガイドの会」の有料ガイドを申し込んで、好みにあわせたルートを案内してもらったり、草木について解説を受けながら散策したり、風の松原を思いきり堪能しよう。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県能代市後谷地・大森山・砂留山他 地図
- エリア
- 十和田八幡平・白神エリア
- 電話番号
- 0185888802
- 駐車場
- なし
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 備考
-
※ガイドは事前予約が必要なため、お早めにお申込みください。
※電話番号はNPO法人能代観光協会へ繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン