旧青木家那須別邸
日本に現存する唯一の建築美に見惚れ往時をしのぶ
異文化が広まった明治期に活躍した青木周蔵
山口県に生まれ若くしてドイツ留学、外務省に入省してから外国公使や外務大臣を務めた青木周蔵。那須野ヶ原と呼ばれているこの地域に「青木農場」という農場を営み、ここに別荘を構えた。農場運営は華族の大土地所有への動きに基づくもので、ここから車で15分ほどの場所にあった「千本松牧場(現:那須千本松牧場)」も、この動向によって開かれた農場だったという。建物は1909年(明治42)に改装され、実際に昭和40年代まで青木家が使っており、地域の人々からも「青木邸」と呼ばれ親しまれてきた。国の重要文化財指定。
松ヶ崎萬長設計で現存する唯一の建築
設計者の松ヶ崎萬長も青木周蔵と同じくドイツに関わっていて、岩倉使節団としてドイツに渡り、そのまま帰国せずドイツ留学したという経歴をもつ。ドイツで学んだ建築学を生かし、七十七銀行本店や台湾鉄道ホテルなどの設計を手がけた。旧青木家那須別邸は、松ヶ崎が設計したものとしては日本に現存する唯一の建物。軸組や小屋組にドイツ様式の構法を採用、外壁に蔦型や鱗型のスレートを施しているのもその特徴だ。貴重な近代建築としても見どころがある。
往時をしのばせる周辺の風景と空間
建物内は、非公開となっている小屋裏部屋以外は大人200円で見学可。建築の解説のほか、青木周蔵とその家族の暮らしの雰囲気を想像させる展示になっている。板室街道から邸宅へまっすぐに延びる並木道は明治の時代、通り抜ける馬車がよく似合ったといわれているそうで、今もその面影がある。青木農場では、所有する山林の木を伐採したり、伐採した木を木材にしたり、焼いて炭を作ったりし、それを販売して収入を得ていた。山林には鹿が放牧されており周蔵は鹿狩りを楽しんだといわれている。西洋式を取り入れた当時の建築によく見られる、せりだした2階バルコニーからは、辺りの景色を一望できる。気持ちよい空気のなか、青木が眺めていた昔の那須の風景に想像がふくらんできそう。
スポット詳細
- 住所
- 栃木県那須塩原市青木27番地 道の駅明治の森・黒磯内 地図
- エリア
- 那須高原エリア
- 電話番号
- 0287630399
- 時間
-
[4-9月]9:00-17:30
[10-3月]9:00-16:30 - 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、12/29-1/3
- 料金
- [入館料]大人200円、小・中学生100円
- 駐車場
- あり
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン