高松盆栽の郷
松盆栽の生産量日本一の高松市で、気軽に盆栽に触れる
高松市は日本一の松盆栽の産地
高松市西部にある鬼無(きなし)・国分寺地区は、全国シェア8割を占める日本一の松盆栽産地。このエリアで、約60軒の生産者が黒松、五葉松、錦松などを育てている。鬼無・国分寺周辺エリアをドライブしていると、ときどき目にするのが盆栽畑。盆栽といえば普通、鉢に植えられたものをイメージする人が多いが、この盆栽畑では地面に直接松盆栽がずらりと植わっており、そんな光景が見られるのも盆栽の産地ならではだろう。そんな盆栽の町に誕生したのが高松盆栽の郷。日本一の松盆栽産地を世界に発信する情報拠点だ。敷地内に設置された棚には、約50軒の生産者が持ち込んださまざまな盆栽が常時約1万鉢も並び、その様子はまさに盆栽専門の産直といったところ。きっとお気に入りの1鉢が見つかるだろう。
初心者から愛好家まで、誰もが楽しめる
ここを訪れたら、まず見てほしいのが盆栽がずらりと並ぶ棚場。盆栽といえば松のイメージが強いが、ここにはモミジや広葉樹、山野草など幅広い種類の盆栽が並んでおり、値段も1000円程度のものから数十万円するものまでさまざまだ。施設には盆栽の生産者でもあるスタッフが常駐しているので、いい盆栽の選び方や観賞方法などを聞いてみるのもいいだろう。スタッフによると、盆栽の鑑賞の基本は、下から上。まず、根の張りはどうか、しっかりと土をつかんでどっしり座っているかを見て、それから幹の表情や枝の付き方を見るそうだ。また、盆栽は幹模様を見せることを大切にしているので、幹がよく見えるほうが手前、葉がよく付いているほうを奥にして置かれている。そんな知識を聞いてから鑑賞すると、初心者でも少しずつ目利きができるような気分になってくるからおもしろい。
江戸時代から続く高松盆栽
高松盆栽の生産の始まりは江戸時代。地元の愛好家が山に自生する松を鉢植えに仕立てたのが最初だといわれている。水はけがよく雨が少ない讃岐の土地柄が松の自生に適していたことから、黒松、五葉松、錦松の生産が盛んに行われるようになった。また、旧高松藩主第11代松平頼聰の八男である松平頼壽が盆栽の愛好家で、1934年(昭和9)に国風盆栽会を設立したことも、高松盆栽の発展に影響を与えたといわれている。そんな長い歴史をもつ盆栽の奥深さに、気軽に触れることができるのがこの施設の魅力。初心者でも体験できる苔玉作り教室や、本格的に盆栽のことを学べる盆栽教室も開催し、愛好家の育成にも力を注いでいる。
体験を通して理解を深める
観光で訪れた際は、棚場で盆栽を見るだけでなくぜひ体験を。初心者でも気軽に体験できるのが、盆景作り体験と苔玉作り体験だ。盆景とは、盆の上に土や石、苔や草木を配置して自然の景色を作るもの。苔玉は、球状にした苔と植物などを組み合わせて造形を楽しむもの。実際に自分で作ってみれば、その奥深さや難しさがわかると同時に、盆栽に対する理解も深まるだろう。施設内では鉢や剪定用のハサミなども販売しているので、「盆栽を始めたい」と思ったら必要な道具をプロのアドバイスのもとそろえることも可能だ。また、盆栽の形をした砂糖菓子「和三盆」や、盆栽型ディフューザーなど、ここならではの雑貨はお土産にもぴったり。さらに、鬼無・国分寺エリアにはほかにも盆栽や園芸に関する店があるので、あわせて巡るのもおすすめだ。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン