天神山文化プラザ
文化・芸術活動の場は建物も一見の価値あり
岡山県民の文化拠点のひとつ
「岡山県天神山文化プラザ」は、岡山の市街地を走る路面電車の電停「城下(しろした)」から歩いて約5分の小高い山の上にある。少しずつ高くなる石垣に沿って北へ進むと右手に入り口が見えてくる。1962年(昭和37)に誕生した「岡山県総合文化センター」が前身で、地域の美術家や書家らが作品を発表、演劇や音楽の公演、映画上映も行われるなど、岡山県民の身近な文化拠点として親しまれてきた。2005年(平成17)にリニューアルし、「岡山県天神山文化プラザ」の名称に変更された。江戸時代には岡山藩の支藩、鴨方池田家の屋敷があり、戦後は岡山県庁があった場所だ。現在は、「天プラ」の愛称で親しまれ、県民の文化・芸術活動の発表の場となっている。
前川國男氏が設計した建物
鉄筋コンクリート地下1階地上3階建て、大小5つの展示室、270人収容のホールを備えている。建物の設計は、ル・コルビジュエに師事したモダニズム建築の巨匠・前川國男氏。外階段の踊り場のリズミカルな切れ込み、1階に広がる黄色の天井のピロティ、その奥の屋上まで突き抜けるレリーフ、差し込む光を調節する外壁のルーバー、星空のように照明が散りばめられた天井など、多彩な試みが目をひく。内壁の切れ込みのデザインはイタリアの画家ルチオ・フォンタナの作品から着想を得たといわれる。建物そのものにも見どころが多く、最近は、前川設計による1957年(昭和32)竣工の「岡山県庁」と1964年(昭和39)開館の「林原美術館」も含めて見学に訪れる建築ファンが増えているそうだ。2階の「文化情報センター」では、前川氏の業績を紹介する関連の書籍が並んでいる。
巨岩を中心にした中庭散策も楽しい
ピロティの北側に面する中庭にも注目したい。名称にある「天神山」はこの施設がある山の名前で、古くから神聖な場所とされており、巨岩とともに「天満天神」が祀られていた。現在も「天神岩」と呼ばれるその巨岩が残っていて、それを中心にして中庭が広がっている。一角に設置されている金谷哲郎(かなたにてつろう)氏の金属彫刻がアクセントとなって、岩と木々が気持ちのいい空間を造っているので、ぜひ散歩しよう。
スポット詳細
- 住所
- 岡山県岡山市北区天神町8-54 地図
- エリア
- 岡山市・後楽園周辺エリア
- 電話番号
- 0862265005
- 時間
-
[ホール]9:00-22:00
[展示室]9:00-18:00
[練習室]9:00-22:00
[会議室]9:00-17:00
[文化情報センター]9:00-18:00 - 休業日
- 月、年末年始
情報提供: ナビタイムジャパン