たらい舟体験
風光明媚な景色を楽しめるたらい舟体験
佐渡の海での漁に適したたらい舟
たらい舟は、佐渡のなかでも南部の小木半島一帯で江戸時代から明治期にかけて広まったといわれている。小型の舟の上から、木箱の底面がガラスになっており水中がはっきり見えるようになる箱メガネと呼ばれる道具で水中をのぞきながら、ヤスなどの道具で突いたり刺したりしてアワビやサザエ、タコなどの魚介や海藻類を採取する漁法、磯ねぎ漁で使用されていた。一本の櫂を八の字に動かし操縦するたらい舟は、小回りが利くため岩礁や狭い入江の多い佐渡で重宝されていたという。桶を半分に切ったような形から、佐渡では「ハンギリ」とも呼ばれていた。矢島体験交流館のたらい舟は、たらいの中央に箱メガネが埋め込まれたような形状をしており、箱の枠部分に腰掛けてガラス越しに海中を見たり、周囲の景色を楽しんだりしながらたらい舟体験ができる。
伝説の残る矢島・経島(きょうじま)
矢島体験交流館が位置するのは、矢島・経島の目の前。矢島は矢の素材となる良質な竹が採れたことから矢島と呼ばれており、源頼政がヌエを退治するのに使った矢もここのものだといわれている。経島には、日蓮の赦免状(刑罰を免除する旨が書かれた書状)を持った日蓮の直弟子の日朗が漂着し、読経して一夜を明かしたという言い伝えが残っている。矢島・経島・陸地が岩礁でゆるやかにつながっており、幅が狭く奥に深い入江がつくられている。海に面しているが入江の中は波もとても穏やか。船では入り込めない場所だが、小回りの利くたらい舟なら漁を行うことができ、たらい舟体験をするのにぴったりの環境となっている。2つの島には赤い太鼓橋が架かっており、穏やかな海と入江が作り出す景色、澄んだ海に暮らす魚の姿や奥に広がる大海原と美しい景色を堪能できるのは矢島体験交流館のたらい舟体験ならではだ。
自然が生み出した美しい景観を満喫
佐渡島は、2013年(平成25)に「日本ジオパーク」に認定されている。ジオパークとは、地球や大地を意味するGeoと、公園を意味するParkを組み合わせた造語。そのエリアの自然現象、大陸・海洋・火山活動、鉱物などから生まれた豊かな自然環境を、総合的な考え方によって管理されたエリアを指す。日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」と世界ジオパークネットワークが認定した「世界ジオパーク」があり、島全体が日本ジオパークに認定された佐渡は多様な取り組みを続けている。矢島・経島を繋いでいるのは、海底火山の噴火で噴き出された岩石や溶岩が急激に冷やされた水中火砕岩という岩石。矢島体験交流館では、こうした豊かで歴史を感じる環境のなか、たらい舟体験ができる。
穏やかな入り江を進むたらい舟体験
たらい舟体験は、おけさ笠と絣の着物に身を包んだスタッフと一緒に乗り込む。一本の櫂を八の字に動かし、乗り場からゆっくりと入り江の奥へと漕ぎ出していくと、空と海の青さに挟まれた島の緑と岩礁の黒、そこに映える太鼓橋の赤い色は、日本的な美しさを感じさせる。入江の海は波が立たず穏やかで、たらいの中央の箱メガネのようにガラス張りの箱が埋め込まれている部分からは、海中を泳ぐ魚の姿が見える。海が澄んでいるときは、遠くに泳ぐ魚群の影も確認できる。スタッフの解説と景色を楽しみながら、入江の中を一周して体験は終わる。気候や乗っている人数など条件があえば、たらい舟を漕ぐ体験もできる。平たく長い櫂を教えられたように動かしてもなかなか舟を思うように動かせず、スタッフの熟練の技術が体感できる。
スポット詳細
- 住所
- 新潟県佐渡市小木365-1 地図
- エリア
- 佐渡エリア
- 電話番号
- 0259862992
- 時間
- 8:00-17:00(受付16:30まで)
- 休業日
- 11月-3月(荒天時臨時休業あり)
- 料金
- [体験料金]大人600円、小人400円
- 駐車場
- あり(20台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- コンセント口
- あり
- 喫煙
- 可(屋外)
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン