高田世界館
フィルムを回し続けて1世紀の映画館
日本最古級の貴重な映画館
「高田世界館」の外観の特徴は、目をひく白壁とアーチ型の窓。洋館に思えるが、屋上には屋根の破風のような造りも見える。これは「疑洋風建築」という、従来の木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠を加えた建築で、今ではたいへん貴重だそう。「高田世界館」は1911年(明治44)に芝居小屋「高田座」として開業、現在も当時のままの姿を残している。1916年(大正5)には「世界館」と改称、常設映画館となる。その後「高田東宝映画劇場」「高田セントラルシネマ」「松竹館」など名称は変わったものの、高田になくてはならない映画館として今にいたっている。建物は老朽化問題などさまざまな困難に直面したが、現在はNPO法人「街なか映画館再生委員会」によって運営されており、毎日のように映画が上映されている。現役で営業中の映画館としては日本最古級といわれる。
全180席のレトロな空間に感動
館内に一歩踏み込むと、ノスタルジックな雰囲気に圧倒される。入り口はスイング式のガラス戸で、それを開けるとなんともレトロなチケット売り場が待っている。ロビーは時代を感じる床、色のはげた壁、低い天井。しかし、それらはただ古いだけでなく、どこか懐かしさや郷愁を覚える。100年以上変わらずにこの地に存在してきた、確かな歴史の重みを感じられる。中央のあずき色のドアを開けると、いよいよ映画館のホールである。1階140席、2階41席のホールは明治、大正モダンの大空間。映画を観ずとも思わず感動の声を上げたくなるレトロな異空間だ。見学するだけでも価値がある。ちなみに、通常の映画鑑賞のほかに、見学のみも可能(有料)。上映の合間の時間限定だが、2階席や映写室を含め10分ほどで館内を巡れるので、旅の途中に旅の途中に見学したい人はこちらがよいかも。
精密で頑丈な現役の映写機
有料見学では、映写室の中に入ることもできるが、映写室の中央に構える2台の映写機は50年以上使用されている現役だ。フジセントラルF7・F6型映写機といい、業界では名機と呼ばれたすぐれもの。フジセントラルは、第二次世界大戦時に零戦を製造していた中島航空機が敗戦後に解体され、富士精密機械と富士重工業と2つの会社に分かれて再出発した、その富士精密機会が作っていたもの。「映写機のロールスロイス」ともいわれたそうで、高い技術力に裏打ちされた名機は今もフィルムを回し続ける。現在、35mm映写機が全国の映画館から姿を消していくなかで、高田世界館では「100年続いたフィルム上映の技術を残す」という考えで、機会あるごとにフィルム上映を行っている。
映画やメディアにもしばしば登場
2012年(平成24)には『シグナル~月曜日のルカ~』の映画に高田世界館が登場したほか、20代の常駐の支配人が映画を通して街の賑わいを目指す姿が注目を浴び、多くの著名人が来館してテレビ、ラジオで紹介されるなど、ここ10年で高田世界館はかなり注目される場所となった。国の登録有形文化財や近代化産業遺産にも指定され、付近のレトロな町並み風景とあわせて高田の人気エリアとなっている。高田世界館から高田小町、旧今井染物屋、瞽女ミュージアム高田、高野醤油味噌醸造店などを巡る「オススメ雁木の高田散策コース」を街歩きガイドと一緒に散策するのもおすすめだ(有料)。約50分のコース。高田世界館で紹介してくれる。2014年(平成26)に開府400年を迎えた高田の街には文化遺産がいっぱいだ。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 明治44年に芝居小屋としてうまれた映画館です!!
- 明治44年に芝居小屋としてうまれた映画館です。日本最古であるかもしれない映画館で、天井装飾のあるホールは見る価値のあるものでしたよ!!
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- 今日は映画やってませんでした
- ふらっと新潟に来てみました。美味しいラーメンを食べた後に近くで見かけて立ち寄り。日本最古の映画館とのことです。この日はライブがあるらしく映画は上映されてませんでした。タイミングが合えば見てみたかったので残念。
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- どこか懐かしい
- 日本最古の映画館と言われる高田世界館。まだ、映画館が町中にあった頃の雰囲気そのままに現在も映画を上映しています。映画を上映していない時間は見学もできるようです(有料)。映画「この世界の片隅で」の上映では有名になりましたね。
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