徐福サイクルロード

絶景！1000本を越える桜のトンネルに感動

旧国鉄佐賀線跡に整備されたサイクルロード。レトロな雰囲気が残る南佐賀駅跡と重要文化財の筑後川昇開橋近くを結び、沿道には自然や歴史スポットなど見どころもたくさん。春になると1000本以上の桜が満開になる人気の花見スポットでもある。

春になると満開の桜がお出迎えするサイクリング道

徐福サイクルロードは1987年(昭和62)に廃止された旧国鉄・佐賀線の跡地に、1991年(平成3)に整備された約5kmの歩行者・自転車専用道路。起伏が少ないことから通学やウォーキングコースとして親しまれており、観光客はもちろん、子どもから大人まで気軽にサイクリングや散歩が楽しめる。サイクリングロードには秦の始皇帝に不老不死の薬を探すよう命じられ、有明海に上陸したと伝えられる徐福の像や、到来の歴史が記された陶板レリーフが掲げられており、約2000年前の歴史のロマンを感じることができる。春になると両脇に植えられた1000本以上の桜が満開になり、どの道もカーブがゆるやかで先のほうまで桜を見通せる。桜が散ったあとのみずみずしい新緑も格別だ。

ほぼ直線の平坦な道が続くので誰もが気軽にサイクリングや散歩を楽しめる

サイクリングは南部バイパス沿いの南佐賀駅跡または筑後川に架かる重要文化財、筑後川昇開橋のどちらからスタートしてもいい。南佐賀駅跡には駅舎やホーム、レール、料金表などが残されたまま、駅舎だけは改築されている。内部にはトイレがあり、そのほかは当時の設備がそのまま残るなどレトロな雰囲気だ。ベンチもあるのでお弁当を食べたりひと休みしたりするのにちょうどいい。一方、筑後川昇開橋は、九州一の大河・筑後川に架かる世界でも有数の昇降式稼働鉄橋。現在は遊歩道として利用されており、観光向けに9時から16時30分までの間、橋の昇降も行われている。橋が動く珍しい光景に目を奪われるはず。夕暮れに浮かぶ姿はもちろん、ライトアップされた夜景も美しい。

駅舎以外の看板やレールは当時のまま残されている

サイクルロードの途中には昔のレールが残っている場所もある

沿道には全国の子どもたちが描いた絵を陶板にした「ふるさとちびっこギャラリー」もある

南佐賀駅からスタートすると、終点の筑後川昇開橋だ。橋の入り口にある佐賀市観光情報発信会館「橋の駅ドロンパ」に立ち寄るのもいい。橋の駅ドロンパは、さまざまな弁当や総菜、地元農産物からクチゾコやタコなど有明海の海の幸、のり製品などを購入できる立ち寄りスポットとして人気だ。佐賀市内を中心とした観光スポットや地域のイベントなどの観光情報も提供しているので、旅のヒントにもなる。また、家具の産地ならではの木のおもちゃや小物なども展示販売されている。

市内にはレンタサイクルを行っている場所も多い。少し足を延ばして付近を探索するのもおすすめ

サイクルロードの近くには歴史的なスポットも多いので、少し道からはずれて立ち寄ってみるのもおすすめ。筑後川昇開橋を出発してすぐ、田んぼの真ん中にぽつんとあるのは石塚古墳だ。6-7世紀のもので、標高3mの低平地に存在する珍しい古墳。発掘調査の結果、挂甲(けいこう)、馬具、金銅製円形板、切子玉、管玉(くだたま)、小玉、須恵器などが発見され、出土遺物は佐賀県の重要文化財に指定されている。さらに足を延ばせば1858年(安政5)に佐賀藩が設立した三重津海軍所跡もある。いろいろなスポットに立ち寄るのに便利な自転車。橋の駅ドロンパ内に「BALLOONERS CYCLE」というシェアサイクルのステーションがあるので、ここで借りるのもいい。専用アプリをインストールすれば予約から決済まで簡単に行うことができる。

道中には田んぼや山々など、のどかな風景が広がる