宮交ボタニックガーデン青島

150種8000本の植物がある外苑

アコウ並木を抜けるとまるで常夏の国

JR日南線青島駅から歩いて10分ほど。青島へと向かう参道商店街の途中に宮交ボタニックガーデン青島の正門がある。専用の駐車場はないため、車で訪れる場合は周辺の駐車場を利用しよう。正門には鬼の洗濯板から着想した白い花壇と、開園当初からの歴史を引き継ぐ門扉があり、くぐるとアコウの並木が迎えてくれる。そのまま進むと見えてくるのがロータリー花壇だ。季節ごとに開催されるフラワーショーに応じた花々が植栽され、華やかな雰囲気を醸し出している。広々とした芝生広場では3～10月まで「ナチュラル・オーガニック」をテーマとしたサンデーマーケットを月一回開催している。周囲にはヤシの木々やビロウの群落があり、まるで常夏の国のようだ。

青島参道に面した正門は、青島名物「鬼の洗濯板」に着想を得た白い花壇と南国植物がお出迎え

映える写真が撮影できるフォトブースも

屋内のみならず、屋外でも亜熱帯植物が見られる植物園

青島は亜熱帯植物が数多く生育し、1952年(昭和27)には「青島亜熱帯性植物群落」として国の特別天然記念物に指定されている。これらの植物の保護対策として、また学術研究の場として1965年(昭和40)に亜熱帯植物園が設置された。その後、国内で初めてシンガポール植物園と姉妹園の提携を結び、現在も交流は続いている。2016年(平成28)にリニューアルオープンし、現在の宮交ボタニックガーデン青島という愛称が付けられた。南国宮崎のイメージづくりにもひと役買っている。

姉妹園50周年記念のマーライオン像

トロピカルな植物を観賞できる温室

見どころは約1600本の植物が植えられている大温室。国内最大級のマンゴーのほかに、ブーゲンビリアやプルメリアなどエキゾチックで美しい亜熱帯花木も多く植栽されている。花木が十分育つことができるように天井高は14mあり、回廊を上がれば2階から植物を間近に観察することもできる。また、熱帯果樹温室ではマンゴーやパパイア、グアバなどの果樹を中心に26種類53品種が集められ、年間を通じて果実のなる様子が楽しめる。おなじみのバナナやパイナップルがいつもと違った姿で見られるのも興味深い。

大温室は床面積610平方メートル、高さ約14mの空間に南洋植物が植えられ、2階の回廊から見下ろして楽しむこともできる

ガラスに囲まれた大温室は、南国の宮崎では季節によっては1階が開け放されていることも

周辺には宮崎の代表的な観光スポットが多い

正門からまっすぐ行った先には管理棟がある。レンタサイクルの貸し出し申し込みも可能。普通自転車なら1日あたり500円でレンタルできる。青島パークゴルフ場(休園日を除く)や、ひなた宮崎県総合運動公園でも返却できるため、青島周辺を散策したい人におすすめだ。棟内には「パラボラチョカフェ」があり、県産完熟マンゴースムージーやマンゴーパフェなどを味わえる。また、周辺は青島神社や鬼の洗濯板、車を15分ほど走らせれば堀切峠や道の駅フェニックスなど有名な観光スポットも多い。いずれも宮崎らしい南国の風景を楽しめるので、ぜひ足を延ばしてみたい。

ロータリー花壇に向かって街路樹のようになっているパパイヤ

外苑ではブーゲンビリアやハイビスカスなどの色鮮やかな南国の花々が咲いている