大谷焼窯元 陶業会館 梅里窯
土と炎と熟練の技が生み出す「大谷焼」の魅力
絵付けや作陶の体験もできる「大谷焼」の窯元
点在するレンコン畑を抜け、しばらく住宅地を車で走っていると、少しずつ「大谷焼(おおたにやき)」窯元の看板が増えてくる。県道12号沿いの大きな建物が大谷焼窯元 陶業会館 梅里窯(うめざとがま)だ。前代表である森悦光(もりえつこう)氏の父、春本三次郎(はるもとさんじろう)氏が1968年(昭和43)に創設。食器や置物、花器といった身近なものを中心に作陶してきた。陶器の製造・販売だけではなく、素焼きの器に絵や文字を入れる絵付け体験をはじめ、手びねりや電動ろくろを使った作陶体験なども実施。陶芸家のていねいな指導と助力により、観光客でも奥深い「大谷焼」の世界の一端を味わうことができる。
5種類の窯を駆使する唯一の窯元
2003年(平成15)に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された「大谷焼」。その誕生は江戸時代後期の1780年(安永9)。豊後(現在の大分県)から訪れた焼き物細工師の文右衛門(ぶんえもん)が技術を伝えたことがきっかけだといわれている。その後、藍染めが盛んに行われていた時代には、巨大な登り窯で阿波藍の発酵に用いる大甕(おおがめ)が数多く作られるようになった。大谷焼窯元 陶業会館 梅里窯には、ガス窯や電気窯、薪窯(まきがま)のほか、炭窯(すみがま)と窖窯(あながま)がある。特に窖窯はほかの窯元では見ることのできない珍しいもの。手前の燃焼室と奥の窯との間に壁がある独特の構造で、美しい「黄金焼(おうごんやき)」や釉薬(ゆうやく)をかけない「灰被り(はいかぶり)」と呼ばれる焼締めの作品ができるという。火を入れるのは年に一度くらいだが、窖窯そのものは、いつでも見学することが可能だ。
毎日の暮らしを豊かにする機能美に優れた器
館内の一角で作陶を行う森裕紀(もりゆうき)氏は、テレビ番組の陶芸王選手権で優勝する技量の持ち主。2017年(平成29)には最年少の大谷焼伝統工芸士に認定された。「安全で、美しく、やさしい」をテーマに作陶を行い、機能美に優れた器を次々と生み出している。自信作のひとつは15年ほどかけて形にした「究極のコーヒーカップ」。軽さ・持ちやすさ・口あたりの良さ・内容量・保温性・収納のしやすさという6つのポイントをとことん追求している。色合いも美しく、すぐに売り切れてしまう人気商品だが、今も少しずつマイナーチェンジを続け、進化しているという。片手で傾けてもお茶のこぼれない急須や液だれしないオイルポットといった実用的な道具も魅力的。館内でゆっくり自分だけの逸品を探してほしい。
スポット詳細
- 住所
- 徳島県鳴門市大麻町大谷字道の上30-1
- エリア
- 鳴門海峡周辺エリア
- 電話番号
- 0886890048
情報提供: ナビタイムジャパン
チケット情報
更新日:2022.07.01