阪堺電気軌道株式会社 阪堺線・上町線(チンチン電車)
ちん電で大阪の下町をのんびり電車旅
大阪唯一の路面電車で出発!
約110年間にわたり、大阪〜堺市の街を走る阪堺電車。大阪では唯一の路面電車になり、その愛称は「ちん電」。「路面電車」でもなく「ちんちん電車」でもない、この親しみを込めた呼び名がいかにも大阪らしい。ちん電は大阪市南部エリアと堺市とを結ぶ2路線を運行し、大阪市内の起点は恵美須町と天王寺駅前の2つの停留場になる。恵美須町~堺市の浜寺駅前を結ぶ「阪堺線」と、天王寺駅前~住吉を結ぶ「上町線」があり、阪堺線の前身は旧阪堺電気軌道株式会社で1911年(明治44)に開業。一方の上町線の前身は1900年(明治33)開業の大阪馬車鉄道株式会社。その名のとおり、当初は馬車がレールの上を走っていたそうだ。そんな歴史ある路面電車は走る車両にも一見の価値があり、通常運行する国内最古の電車「モ161形」が今も現役。タイミング良く乗れたならラッキーだ。
名所旧跡が点在する沿線を巡る
大阪の街を横断する阪堺電車は、通勤・通学の足はもちろん、街を巡る観光電車としての利用も多い。沿線には数多くの名所や自社仏閣が点在し、効率良くまわれるのも魅力だ。たとえば上町線は、日本一の高層ビルとして知られる「あべのハルカス」のある天王寺駅前が出発地に。東天下茶屋(ひがしてんがちゃや)駅には平安時代の陰陽師・安倍晴明を祀る「安倍晴明神社」、住吉鳥居前駅では全国約2300社ある住吉神社の総本社「住吉大社」など、大阪を訪れたなら訪ねたいスポットが満載だ。また、阪堺線の出発は通天閣のある恵美須町駅から。妙国寺前駅はソテツの枯山水庭園が見事な「妙國寺」、御陵前駅には三好長慶(みよしながよし)が建立し、その後沢庵和尚(たくあんおしょう)によって再建された名刹「南宗寺」もある。そして、沿線の堺市といえば、かつて「東洋のベニス」と呼ばれた一大貿易都市。そのため今も茶の湯や打刃物、線香などの伝統工芸が息づく物作りの街としても有名だ。堺が誇る千利休ゆかりの場所や堺打刃物の職人さんが和包丁作りをレクチャーしてくれるところもあるなど、歴史と文化が息づいた街を散策するのが楽しい。
路面電車ならではの楽しみ方も!
ちん電の電車旅は有名な神社仏閣を巡るだけでなく、道中の景観を楽しむのも醍醐味だ。そのひとつが住吉大社への最寄り駅でもある住吉鳥居前のロケーション。駅に降り立つと、すぐ目の前には住吉大社の鳥居という、まさに駅名そのままの場所にある。歴史ある鳥居の前をカラフルにラッピングされた電車が行き交う様子もなんともいえずおおらかで、大阪らしい光景だ。住吉大社からさらに南へ走行すると、大和川が見えてくる。この大和川に架かる鉄橋は大阪に現存する鉄道用鉄橋としては最古クラス。そんな歴史を踏まえて眺めるのも一興だ。ふと車窓を見ると、下町風情の残る景色が広がり、ゴトゴトとのんびり走る電車とともにゆったり流れる時間が心地いい。終着駅の浜寺駅前に広がるのは、1873年(明治6)に誕生した大阪府下最古の公園のひとつ「浜寺公園」。そして、その近くには、東京駅を手がけた建築家・辰野金吾設計の南海電鉄浜寺公園駅旧駅舎も。電車そのものに乗る楽しみも存分に味わいたい。
一日乗車するならフリー乗車券がおすすめ!
阪堺電車は全線均一運賃になり、どこまで乗っても大人230円、小児120円。また一日かけて沿線を巡るなら、「全線一日フリー乗車券てくてくきっぷ」がおすすめだ。大人700円、小児350円で、終日乗り放題で使用できる。歴史ある寺院や情緒あふれる下町をぜひ「ちん電」でゆっくり観光しよう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
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