正寿院
ハートの窓に誘われて、遠くてもわざわざ訪ねたい山寺
地域を見守ってきた2体の仏像
宇治からは車で約30分。山肌を茶畑が覆う里山に、地域のお寺といった面持ちで現れるのが正壽院だ。創建は約800年前という。本尊の十一面観音は、50年に一度だけその厨子が開く秘仏。次の御開帳は2040年になる。
そして、忘れてはならないのが、怒りの表情をあらわにする「木造不動明王坐像」。今は奈良国立博物館に寄託されているが、その経緯がおもしろい。十一面観音像の文化財調査の際、かたわらに安置されていた不動明王像が「快慶」作だと判明し国の重要文化財に。ところが、真言宗では大きな炎で供物を焚き上げる護摩焚きを行う。焼失の恐れがあるため、文化財保護の観点から仏像を預けることにしたそうだ。
カラフルな花天井の原点を本堂で発見
本堂で注目したいのが、約300年前の江戸時代に描かれた内陣の天井画。格天井には、蓮の花と仏を表す梵字が見受けられる。この絵は全部で88枚あり、曼荼羅を構成している。しかしながら、300年もの間、参拝者からしたためられた願い事が成就できるようにと護摩焚きを続けていると、絵に煤(すす)が付き黒くなってくる。これを現代風によみがえらせたのが、客殿の天井画なのだ。
客殿は建築・絵画・庭のコラボ空間
本堂をあとにし、道路を挟んだ客殿へ足を踏み入れると、正面に見えるのは猪目窓。約1400年前から、ハート形は寺院や神社で建築装飾として、「猪目」という名で使用されてきた。これには災いを除き、福を招く意味が込められている。また、8月20日~9月20日の晴れた日の夕方16時頃には、窓から差し込む陽光がきれいなハート形の影を映す。
視線を上に移すと、花をメインに日本の風物の描かれた天井画が広がる。これが、本堂の天井画を現代に復興した作品だ。日本を代表する書家をはじめ、90名の絵師の協力で描かれた。四隅には、京都の東西南北を護る聖獣を配置。そのそばには、舞妓さんの姿も見える。
季節を感じる「風鈴まつり」と御朱印
正壽院は「京都の風鈴寺」と呼ばれることも。例年7月から9月にかけて、境内を飾る約2000個の風鈴が、風に揺られて涼やかな音を響かせる。職人手作りの江戸風鈴が使われており、縁をわざとギザギザにカットすることで、この深みのある響きが生み出される。また、この音の聞こえる範囲は、災いが起こらない聖域と考えられており、境内だけでなく空や山、このコミュニティー全体を護っているようだ。
そして、イマドキの社寺巡りの楽しみのひとつは、やはり御朱印。季節の花や風物が描かれたものをはじめ、最近ではちぎり絵のものも登場。イラストのあるものは書置きが増えてきた今、朱印帖に直書きをしてもらえるという意味でも貴重な存在になる。2021年(令和3)秋には襖絵も新調され、見どころがさらに増える正壽院。小鳥のさえずりだけが聞こえる静かな非日常の空間で、写経や写仏などの修行体験をしながら、ゆったりと時を過ごしたい。
スポット詳細
- 住所
- 京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149 地図
- エリア
- 城陽・八幡エリア
- 電話番号
- 0774883601
- 時間
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【拝観時間】
9:00-16:30
[12-3月]10:00-16:00
※最終受付は閉門15分前まで
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 明日9月18日日が最終日であるが、拝観される方々はご注意を。
- 吊り下げられている風車の数々は祭り開催後日にちが経過しているにもかかわらず綺麗なままであった。手入れが行き届いていることはよくわかり、インスタ映えするような〝風鈴〟であることが良くわかる。正寿院からのご案内《追記》明日9月18日は風鈴まつり最終日。当初撤去作業は16:00を予定していましたが、台風の接近に伴い時間の繰り上げをする可能性があります。9月19日は安全確保のため終日拝観停止。9...
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- 京都の風鈴寺と呼ばれる正寿院初夏の6月から残暑の9月上旬まで楽しめる風鈴境内に2000を超える風鈴が飾られていて、目と耳に涼を感じさせてくれる風鈴の種類もたくさんあり、風鈴を見上げながら参道を通ると、風や頭が風鈴が触れると揺れ、涼しい音が、自分の周りだけに優しく聞こえるまた、こちらの客殿は別のお目当てでとても有名猪目窓と呼ばれるハート形の窓から外の景色を望み、見上げると天井画...
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- 高野山真言宗 慈眼山「正寿院」は、717年に建立された医王教寺の塔頭寺院として建立されたと言われ、創建年は約800年ほど前と伝わっています。慶長年間に祐胤大徳が再興された記録が残っており、「不動明王坐像」は鎌倉時代初期 快慶の作で、国の重要文化財に指定されています。夏には、千を超える風鈴が境内を埋めつくす「風鈴まつり」が行われ風鈴寺としても著名なお寺です。u2028また、別棟の客殿にしつらえたハート型の...
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