三大神社
優雅なフジの花と鎌倉時代の石燈籠が名高い古社
古代の条理集落の遺構に鎮座
アクセスはJR草津駅西口から烏丸半島行き(湖同経由は除く)近江鉄道バスで9分、北大萱(きたおおがや)で降りて5分ほど。古代日本の土地区画制度「条里制」に基づいて造られた志那町条里集落の遺構地「伊吹の里」に鎮座する。石造りの鳥居をくぐると、参道の右手に広がるフジ棚が目にとまる。フジの開花する毎年4月下旬から5月上旬にかけてが、三大神社の一年で最も華やぐ時期。フジの花といえば『源氏物語』においては光源氏の初恋の相手が「藤壺」、光源氏の正妻が「紫の上」という名であるように、古来フジの花や紫色は高貴なものとされてきた。
高貴なフジの花に思いを馳せる
境内に咲き誇るフジの花は2m近くも花房が垂れるものがあることから「砂ずりの藤」と称される。奈良時代、大化の改新で藤原鎌足が果たした功績を讃え、藤原氏の繁栄を記念して植えられたものと語り継がれている。時を経ていくうちに巨木となったが、安土桃山時代の織田信長による兵火で焼失。その後再生し、今に残るフジは樹齢約400年とされている。滋賀県の指定自然記念物であり、草津市の指定天然記念物でもある。
重要文化財の石燈籠も必見
三大神社の始まりは665年(天智天皇4)と伝わる。祭神は、志那津彦命(しなつひこのみこと)、志那津姫命(しなつひめのみこと)、大宅公主命の三柱。本殿に向かって右手にある総高約2.2mの石燈籠は、鎌倉時代のもの。花崗岩でできており、六角形に作られた笠をはじめとして細部にまでこだわりが見られる珍しい造り。1291年(正応4)の刻印が見られ、鎌倉時代の石造美術を今に見られることから国指定の重要文化財となっている。本殿同様、立ち入れないエリアだが、柵の隙間から眺めることができる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン