別所温泉
ローカル線の終着駅・信州の鎌倉は、ゆっくり歩いて楽しい温泉街
信州最古の温泉といわれる別所温泉
鎌倉時代から室町時代にかけて造られた国宝や重要文化財、県宝などが点在する塩田平周辺は、「信州の鎌倉」と呼ばれている。別所温泉は、その西の端に位置し、日本武尊(やまとたけるのみこと)が7か所に温泉を開き「七苦離の温泉」と名づけたという伝説から「七久里の湯」とも呼ばれる。車なら最寄りの上田菅平ICから40分。上田駅を始発とするローカル線上田電鉄別所線でおよそ30分の終着駅にあり、電車内からの景色を楽しめるのも魅力。特に、上田駅を出てすぐ、千曲川に架かる赤い橋は上田市のシンボルとして市民に愛され、いくつかの映画にも登場する人気スポットだ。車の場合もまず駅に立ち寄ると、フリーペーパーやイベント情報など旅のガイドが手に入る。
無形文化財になった雨乞い祭
7月に開催される「岳の幟(たけののぼり)」は500年続く珍しい雨乞いの祭りで、国の重要無形民俗文化財になっている。その昔、日照りに困った村人が村の西にそびえる夫神岳(おがみたけ)の山の神に雨乞いをしたところ恵みの雨が降ったので、各家で織った布を奉納するようになったのが始まり。今も温泉街の4地区、100人以上の住民たちが交替で参加する一大行事だ。数十本の色とりどりの反物と竹竿でできた長さ6mの「幟(のぼり)」をかつぎ、夫神岳山頂から別所神社まで温泉街を練り歩く。笛や太鼓の音に合わせて地元小学生たちが竹を打ち鳴らす「ささら踊り」や、若手の獅子の舞も行われ、たいへん賑やかな2日間となる。
点在する外湯と足湯が魅力
好みのお風呂を選んで入浴することのできる外湯は3種類。大湯には露天風呂があり、飲泉も楽しめる。大師湯はタイル張りの昔ながらの共同浴場の雰囲気で少しぬるめなお湯が人気。石湯は43℃の高温で、洞窟のような雰囲気が魅力的だ。外湯の入浴料はそれぞれ200円。営業時間は6時から22時までと長く、散策途中にふらっと入浴できるのがうれしい。石湯、大師湯は道を挟んで向かい合ってあるので、入り比べもおすすめだ。
大師薬師の湯、足湯ななくりの2か所の足湯は無料である。ななくりの近くには湯かけ地蔵尊があり、お湯を3回かけて願をかけると願いが叶うといわれ、地元の人々にも愛されている。
徒歩圏内に見どころがたくさん
別所温泉駅から北向観音、さらに安楽寺にかけては、ゆるやかな坂道が続く。昔ながらの温泉地の雰囲気はそのままに、新しいカフェや雑貨屋なども点在し、小休憩を交えながらの寺社仏閣巡りが楽しい。周辺には歴史を感じさせる温泉宿が立ち並び、一人旅や素泊まりなど気軽な宿泊から、信州の旬の食材を堪能しぜいたくな時間を過ごせる宿まで、旅のスタイルに合わせて選べるのがうれしい。
塩田平にはほかにも、戦没画学生慰霊美術館「無言館」や花の寺「前山寺」、上田紬の織り体験をできる「藤本塩田店」など、個性あるスポットがある。別所を拠点に電車とバスを組み合わせた移動がおすすめだ。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン