小田原文化財団 江之浦測候所

美術館

日本文化を再確認するアート施設

現代美術作家・杉本博司氏が設立し、「公益財団法人小田原文化財団」が運営する、2017年(平成29)10月に一般公開をスタートした芸術文化施設。ミカン畑の斜面を生かした展示施設は複数の要素で構成されており、庭園や建築、美術作品を楽しむことができる。

この美術館を特徴づける「光学硝子舞台と古代円形ローマ劇場写し観客席」と「冬至光遥拝隧道(とうじこうようはいすいどう)」 この美術館を特徴づける「光学硝子舞台と古代円形ローマ劇場写し観客席」と「冬至光遥拝隧道(とうじこうようはいすいどう)」

古代人が意識したアートの起源を現代、そして未来につなげる場所

1年の終点であり起点ともなる冬至は、世界各地の古代文明で祀られてきた。杉本氏は日が昇り季節が巡り来ることを意識化し得たことで、人類は意識をもつことができたと語る。この「人類の最も古い記憶」を現在の人々の脳裏によみがえらせるために、江之浦測候所が構想されたという。冬至の朝に相模湾から昇る陽光は70mの「冬至光遥拝隧道」を貫き、「円形石舞台」に置かれた巨石を照らす。「夏至光遥拝100メートルギャラリー」は夏至の朝の光を、「石舞台」と「茶室 雨聴天(うちょうてん)」は、春分、秋分の日の陽光を導くように設計されている。敷地内の施設は「ギャラリー棟」「石舞台」「光学硝子舞台」「茶室」「庭園」「門」「待合棟」などから構成されており、近隣で得られる素材を中心に使用し、石材は根府川石や小松石などを使用している。さらに随所に古代から近代にいたる建築遺構から収集された考古遺産を配置している。

冬至光遥拝隧道の中に設置された井戸。内部には光学硝子破片が敷き詰められ、天井部分は空いている。雨天時は雨粒が井戸に降り注ぐ 冬至光遥拝隧道の中に設置された井戸。内部には光学硝子破片が敷き詰められ、天井部分は空いている。雨天時は雨粒が井戸に降り注ぐ

海抜100mにあり長さが100mの「夏至光遥拝100メートルギャラリー」は、夏至の日にギャラリー内が朝日で輝く 海抜100mにあり長さが100mの「夏至光遥拝100メートルギャラリー」は、夏至の日にギャラリー内が朝日で輝く

春分、秋分の日の朝日を受ける「石舞台」(左)と、京都の渡月橋補強工事の際に河床から発見された「渡月橋礎石」(右) 春分、秋分の日の朝日を受ける「石舞台」(左)と、京都の渡月橋補強工事の際に河床から発見された「渡月橋礎石」(右)

各時代の建築様式や工法を取り入れて再現した高低差の大きな庭園

敷地内にはガラス張りのモダンな建物があれば、鎌倉時代に建てられた明月院の正門だった「明月門」のように解体修理を経て再現された建築物もある。庭造りに重要な景石には、早川石丁場群跡から出土した江戸城の石垣用に準備されていた原石などを使用している。みかん畑を使った敷地は高低差があり、かなり下ることになるので、竹林のエリアは閉館時刻の30分前までに入場する必要がある。雨上がりのあとなどは道が悪いことがあるので、歩きやすい靴で訪れるといい。展示物は入場時に渡されるパンフレットの地図上に通し番号をふって詳しく説明されている。順番に見て行ってもいいが、説明文と展示物そのものに気を取られ、せっかくの景色を見逃してしまうかもしれない。まずは訪問時の注意点と歩くことが可能なエリアを確認したら、思いのままに歩いて自分にとって響くアングルや石の表情を見つけてみることをおすすめする。

ここに移築される以前は根津美術館の正門として使われていた明月門。門を入ってすぐの石組みもすばらしい ここに移築される以前は根津美術館の正門として使われていた明月門。門を入ってすぐの石組みもすばらしい

「数理模型0010」は数学の双極関数を目で見えるようにデザインした作品。 「数理模型0010」は数学の双極関数を目で見えるようにデザインした作品。

訪問のタイミングと現地へのアクセス方法

見学は午前と午後の部に分かれた予約制となっている。そのため、人混みで落ち着いて見ていられないということはなく、思いおもいに散策を楽しむことが可能だ。中学生未満の来館は不可。美術館までは根府川駅間を往復するバスが運行されており、こちらも予約必須。駐車場もあるが、台数に限りがあるので、入館予約時に駐車場利用を選択すること。年間を通して開館しているが、ミカンの実る秋から冬の風景はやはりおすすめだ。緑色の木々にミカンのオレンジ色が差し色となり、風景に華を添えてくれる。また設計に重要な影響を与えた、冬至と夏至、春分の日と秋分の日は日の出が見られるよう早朝の見学時間が設定される。完全予約抽選制でウェブサイトでの申し込みが必要だ。満月を鑑賞する見学日やレクチャーが行われる日もあるので、訪問予定が見えてきたらサイトのお知らせ情報を確認するといい。

敷地の中腹にミカン畑が広がっている 敷地の中腹にミカン畑が広がっている

スポット詳細

住所
神奈川県小田原市江之浦362-1
電話番号
0465429170

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 晴れていたのですばらしい景色
    5.0 投稿日:2020.04.23
    斬新な建物や日本の懐かしい造形と海の景色や散歩道が飽きさせず、何時間でもいられるような空間でした。やはりお天気もポイント滝と思います。
  • 感激!!
    5.0 投稿日:2020.01.03
    お天気が良く、最高の一日となりました。偶然に、杉本先生とお会いでき感激でした。施設はとても広く海を見ながらあるくのは、とても気持ちが問です。
  • 石だけでなく「秀吉軍の立て札」「ワイオミング州産の化石」まである幅広さ
    5.0 投稿日:2020.01.01
    事前予約で事前のチケット購入など、本当に来たい人を迎えてくれる美術館である。プレス関係の方々にシャッターを押してもらったりして、楽しくすごした。あの時空を超えた感覚はなかなかない場所だと思う。そこかしこが悠久の歴史を持ち、それに手を触れていい場所。3時間はあっという間に過ぎた。あの広さの中に50人程度しか人がいなかったので、自分ちの竹やぶやミカン畑を行き来しているような感覚にもなる。そして行き着い...

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