川崎大師仲見世通会
大師名物を扱う店で賑やかな、川崎大師前の老舗参道
川崎大師参拝は京急川崎大師駅から
お大師さまへは川崎駅から京浜急行の大師線か路線バスでのアクセスとなるが、どちらも下車する場所は川崎大師駅だ。駅前から続く表参道、次に仲見世通りを歩いて、川崎大師まで行くのが参拝の基本。表参道は大師土産を扱う店以外にも、地元の商店街も兼ねていて道幅も広い。表参道の端に見える「川崎大師入口」と表示された門を右折し、10mほど歩くと右側に「大師仲見世」の門が見えてくる。仲見世通りは歩行者専用道で幅も狭くなり、「トントコ、トントコ」と飴を切る音で一気に賑やかになる。
江戸時代後期から繁栄していた仲見世通り
天保(1831-1845年、11代家斉、12代家慶の時代)に発行された江戸の地誌『江戸名所図会』にはすでに仲見世通りが登場しており、そのなかに「かるやき、千代の飴、翁飴、くず餅、かりんとう、はまぐり、貝類、焼きハゼ、大森細工、白酒、ふぐちょうちん」の店が描かれていた。当時から今も販売されているのが、飴、くず餅、白酒など。仲見世通りに並ぶ約30軒のうち、くず餅、せき止め飴、だるま、だるませんべいの店はそれぞれ複数あるため、どの店で買おうかきっと悩んでしまうはず。そんなときは自分の直感を信じるのがいい。ほかにも、ちりめんを使った和装雑貨や箸、奈良漬などの店、そば屋も並ぶ。
せき止め飴とだるまもお大師さまの名物
"「トントコ、トントコ」のリズミカルな音は、仲見世入り口の両側に並ぶ飴屋から発せられるもの。飴屋は右側が「松屋総本店」、左側が「評判堂」で、名物のせき止め飴・さらし飴を販売している。飴切りの実演はおもに週末やお大師さまの縁日、正月などに行われる。仲見世を歩いて目に飛び込んでくるのが、縁起物のだるまの赤い色。赤は疱瘡神が嫌う色で、だるま大師の起き上がり小法師は江戸期、子どもの病除けの玩具としてお見舞いに最適の品だったという。大師では""食べる""だるまも人気だ。だるませんべいは大きなものからあられのように小さなものまでサイズも豊富で、醤油、ごま、海苔、ザラメなど味のバラエティも楽しめる。"
川崎大師のくず餅は「葛餅」ではなく「久寿餅」
くず餅も忘れてはならない川崎の味だ。実は、川崎は古くからの麦の産地。天保時代、大師河原村の久兵衛が収穫した小麦を大雨で濡らせてしまい、水に溶いて樽に保管した。翌年の飢饉の際、樽の底に溜まったデンプンを餅として蒸し上げ、川崎大師の隆盛上人に献上。上人は淡白な味を絶賛し、久兵衛の名を取って「久寿餅」と命名した。弾力のある食感ときなこの香ばしさ、黒蜜の味わいが奏でる久寿餅は、参拝帰りにいただきたい。大山門前にある「住吉」は大正6年の創業で、正月は土産に久寿餅を買い求める人で長蛇の列ができる。向かいの「蕎麦膳はやま」ではそばを食べたあとにちょうどいいサイズの久寿餅もある。
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情報提供: ナビタイムジャパン