アイ・リンクタウン展望施設

展望施設から見る東京の夜景。夜は東京スカイツリーがひときわ目立つ

無料で楽しめる展望施設

「I-linkタウンいちかわ」という愛称を持つ市川駅南口エリア。市川駅南口を出て東京方面に進んだところに立地する45階建てのビル「ザ タワーズ ウエスト」は、図書館や店舗などが入った複合施設であり、このビルの最上階に無料の展望施設がある。東側(千葉方面)にあるもうひとつの高層ビル「ザ タワーズ ウエスト」(37階建て)を除けば、周囲に高いビルがいっさいないので眺望は抜群。駅直結でアクセスが良く、朝から夜までオープンしているので、日中、夕方、夜と、さまざまな時間帯の景色が眺められるうえに、いつでも無料で利用できるという、お得感満載の展望スポットだ。

このビルの最上階に展望施設がある

エレベーターも見どころのひとつ

入り口はビルの3階。展望施設へは居住者用とは別の45階まで直通のエレベーターを利用する。このエレベーターはガラス張りのシースルーになっていて、エレベーターが上がるにつれて視界がどんどん広がっていく。すぐ目の前にあった総武線の電車が、あっという間に小さくなって鉄道模型のようになっていく様はなかなか楽しい光景だ。45階に着いたら案内に従って展望スペースへ。45階はラウンジやカフェスペースがあり、ゆっくりくつろぐことができる。ここからも眺望を楽しめるが、やはりここはもう1階上の展望デッキに足を運びたい。階段を上って上の階へ行ってみよう。

45階にあるカフェ。ゆっくりお茶を飲みながら景色を楽しめる

150mの高さから見る関東平野

階段を上っていくと、いよいよ360度の眺望を楽しめる展望デッキ。「ザ タワーズ イースト」のある東側と北側の一部を除き、外を眺めながらぐるっと一周できるような回廊になっている。屋外デッキだがガラス柵に囲まれているので、ガラス越しに景色を眺めることになる。風や寒さを避けられるので、落ち着いて景色を楽しめる。見ごたえがあるのはやはり東京方面を見る西側。足元を流れる江戸川周辺にはそれほど高い建物はないが、視線を西に向けるとビル群がどこまでも広がっている。改めて東京のビルの密集度のすごさを実感する。このぐらいの高さになると、東京のビル群の向こうに富士山はもちろんのこと、丹沢や奥多摩、秩父など関東地方を取り巻く山並みがよく見えるようになる。千葉や東京を眺める、というより関東平野を眺めている気分になる。

背の低い子どもでも足元までしっかり見えるようになっている

展望施設から見る江戸川。ふたつの橋は市川橋(国道14号)と京成電鉄の鉄橋

夜のすばらしさも堪能したい

夜景スポットとしても知られるこの展望施設。夜景はもちろん素晴らしいが、ここでは日没のタイミングに訪れることをおすすめしたい。特に「マジックアワー」と呼ばれる日が沈む前後20分ぐらいは、空の色の変化が大きく、町に灯る明かりがだんだん増えていく様子も眺められる。天気のいい日なら夕焼けの赤から濃い青へ変わっていく空のグラデーションが美しい。ここに雲があれば、さらに複雑な色の変化を楽しめる。展望施設から見る夕方の景色の主役は町の明かりではなく空だ。やがて空が暗くなるにつれ、地面の明かりが目立つようになり、空の明るさが消えると、がぜん夜景に存在感が出てくる。日没前から空に明るさがなくなり夜景が主役になるまで1時間くらい眺めている必要があるが、この展望施設には、そんな余裕があるときに訪れてみたい。

どこまでも光に埋め尽くされた東京と千葉の夜景