渋沢栄一記念館
新一万円札の顔、渋沢栄一の生涯を写真や文物でたどる
渋沢栄一の生誕地・深谷に建つ記念館
渋沢栄一記念館の開館は1995年(平成7)、栄一の祥月命日である11月11日。外観は、明治の西洋建築に多いギリシア・ローマ風古典様式を基本としながら、深谷市を象徴とする赤レンガ(実際にはレンガを模したタイル)をアクセントカラーとして壁面に採用している。周囲を力強い円柱に囲まれているのが印象的だ。建物は八基(やつもと)公民館と共有されていて、エントランスホールは吹き抜けになっている。ホールを抜けると広々とした多目的室。布製ドーム型の屋根をもち、現在はDVDの上映をしている。
深谷市の北部に建つ記念館の外観。ここから「旧渋沢邸」へは徒歩10分ほど
青淵公園を望んで立つ巨大な銅像
多目的室を通り抜けて記念館の北側に出ると、青淵(せいえん)公園が広がり、赤城をはじめとする山々などふるさとの風景を一望するように栄一の銅像が立っている。「青淵」とは、学問の師でいとこの尾高惇忠(おだかじゅんちゅう)につけてもらった栄一の雅号。栄一は、故郷の当地では「青淵翁」や「栄一翁」と呼ばれることが多いそうだ。銅像の原型は1913年(大正2)に「男爵渋沢青淵先生寿像」として生前に製作され、本人を忠実に再現している。現在の銅像は1988年(昭和63)に製作されたもので、かつては深谷駅前に置かれていたが、記念館開館に合わせてここに移された。栄一は服装には頓着しない性格で、若き日にパリから帰国して以来、仕事には黒のフロックコートを着て出かけていたという。
高さ約5mの巨大な銅像。栄一自身は身長152cmくらいだったという
愛用の品や写真、遺墨を展示する資料室
資料室はエントランスホールに入って左側にある。まず目をひくのが、年代物の3つの獅子頭。栄一の出生地である血洗島(ちあらいじま)の諏訪神社で、少年時代の栄一がみずから踊り、また晩年に見て楽しんだ獅子舞の頭(かしら)だ。また「神託」は倒幕を狙って、横浜外国人居留地を焼き払い異人を斬殺するために尾高惇忠が書いた檄文(げきぶん)で、貴重なオリジナル品。この襲撃計画の翌年に栄一は一橋家に仕官し、その3年後には幕臣となる。資料室の中央に置かれている深谷市のジオラマを見ると、栄一の生地、渋沢栄一記念館、尾高惇忠生家が一列に並んでいて、この地域がよくわかる。
栄一本人が立っていると錯覚する、等身大のアンドロイド
記念館の2階にある談話室では、栄一のアンドロイドによる講義を聞くことができる。アンドロイドは2020年(令和2)に製作された等身大のもので、現役時代の栄一の風貌と声をリアルに再現している。講義の内容は「道徳と経済を両立させることが重要」という、渋沢流経営学の要。栄一は商売をするうえで「人として正しい道」を常に心がけていた。
記念館の住所は下手計(しもてばか)という変わった地名だが、その由来には興味深い説がある。まず栄一の生地、血洗島は「赤城山の鬼が片腕を切り落とされ、この地でその血を洗った」ことに由来するともいわれるが、こちらの下手計は「その腕を葬った地で、古くは手墓と呼ばれていた」という伝説がある。八基とは、明治中期に血洗島・下手計をはじめ周辺八村が合併した際に栄一が名づけた村名で、現在は公民館や小学校にその名を残している。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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- 「近代日本資本主義の父」渋沢栄一さんの「渋沢栄一記念館」です。入場料は無料です。この「渋沢栄一記念館」は、渋沢栄一さんの生まれた故郷の「公民館」の一部を「渋沢栄一記念館」にしているためか、とても手作り感のある雰囲気の記念館です。「公民館」の体育館もそのまま残っています。そのような雰囲気の「渋沢栄一記念館」の展示は、、王道的な渋沢栄一さんの遺品、資料、年表などを紹介をしてあります。その中で印象深...
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- 「日本資本主義の父」の記念館です。
- 駅前から、車で15分ほど深谷の郊外に向かって走ります。そこにはこんな立派な建物がありました。 地方の箱物はすごいですね。ここは、平成7年(1995年)11月11日の渋沢栄一の命日に開館したそうです。 館内の資料室には、たくさんの写真は手紙や遺墨が展示されていました。 彼は、第一国立銀行(現・みずほ銀行)や東京商法会議所(現・東京商工会議所)、東京証券取引所といった多種多様な会社や経済団...
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- 渋沢栄一と戦争反対と
- 以前来た時は渋沢栄一のアンドロイドを見ることができなかったので挨拶だけなのですが見られたのは良かったです。桜吹雪の中渋沢栄一の銅像と写真も撮りました。動画の説明がわかりやすくてとても参考になりました。ウクライナの旗が上がっていました。戦争反対です。
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