狭山丘陵(トトロの森)
市民によって守られる自然豊かな里山を歩く
里山の風景と豊かな自然を守る「トトロの森」
『となりのトトロ』は昭和30年代を舞台に、サツキとメイの姉妹と子どもにしか見えない不思議な生き物トトロとの交流を描いた作品。「人が忘れていたもの、なくしてしまったと思い込んでいたものは、今もある」という宮崎駿監督からのメッセージと、作中に描かれる農村風景が、世代と国を超えて人気を呼んだ。その一方で、映画が公開された1988年(昭和63)には、武蔵野の自然は開発によって失われつつあった。狭山丘陵に残された里山の自然を守るために「トトロのふるさと基金」が設立され、市民や企業からの寄付をもとに1991年(平成3)に初めて土地を購入。「トトロの森1号地」と愛称が名づけられた。
郷愁を誘う里山の風景が広がる狭山丘陵へ
記念すべき「トトロの森1号地」は、所沢市にある狭山湖の東側に位置する。歩いて行く場合は西武狭山線の終点、西武球場前駅がスタート地点。「トトロのふるさと基金」の公式サイトから「トトロの森お散歩マップ」をダウンロードして、参考にするとよいだろう。所どころに畑が広がる里山らしい風景を見ながら歩くこと約20分、住宅街を抜けて柳瀬川を渡ると前方に森が見える。ここからはなだらかな上り道へ。右側には「トトロの森」48・15・3号地があり、その少し先を左に曲がったところが1号地だ。傾斜地の下に「トトロの森1号地」と書かれた看板が立ち、その手前には小さなあずまやもある。
森の散策路を歩いて、四季折々の自然に触れる
1号地はコナラやスギ、クヌギを主体とした雑木林で、面積は1183平方メートル(テニスコート約5面分)。小さな森だが、隣接する「虫たちの森」や「さいたま緑のトラスト保全地」とともに、さまざまな植物や昆虫、野鳥などが生息する自然の宝庫となっている。春は新緑がまぶしく、夏はうっそうと茂る緑が涼しい木陰を作り、秋は紅葉と、四季折々の景色の美しさも格別だ。ただし夏は蚊が多いので、できるだけ肌の露出を避け、虫よけスプレーを用意しておこう。
トトロのふるさと基金は、市民から募った寄付金で土地を買い取り保全するナショナルトラスト活動を行っており、2023年(令和5年)10月現在、62か所の森を所有している。今では狭山丘陵全体が「トトロの森」と呼ばれることもあるほどだ。また、トトロの森での自然体験イベントや散策会など、自然を守る大切さを次世代に伝える活動も行う。「トトロの森」は観光地ではないので、動植物を傷つけたり取ったりしない、ゴミは持ち帰るなど、マナーとルールを守って散策を楽しみたい。
1号地から茶畑を抜け、狭山湖で眺望を楽しむ
「トトロの森1号地」と書かれた看板から階段を上り、尾根道を右へと歩いて行くと、茶畑の先に「堀口天満天神社」が見える。安土桃山時代より堀口村の鎮守とされ、村のほぼ中央に位置していたそうだが、狭山湖の完成によって村は沈んでしまい、村人とともにこの土地に移転してきた。神社を参拝したあとは、茶畑を見ながら坂道を下り、狭山湖の眺望を楽しんでから西武球場前駅へ戻ると良い。途中の民家の庭に「トトロの木」があり、人気の撮影スポットになっている。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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