雄国沼湿原探勝路
ニッコウキスゲの生息密度日本一。国の天然記念物の湿原
ブナの森を歩く「雄国せせらぎ探勝路」
裏磐梯側からのルートが「雄国せせらぎ探勝路」。往復約10km、所要は往復4~5時間。特にきつい登りもないが、クマが多い。音を出して歩こう。登山口は裏磐梯と喜多方駅を結ぶ磐梯東都バス(1~2時間ごと)で「雄国沼登山道入口」下車。ここから雄子沢川(おしざわがわ)のせせらぎを聞きながらブナの森を歩く。途中、ブナ太郎と呼ばれる巨木もある。1時間20分ほど歩いて休憩舎に出たら、雄国沼のほとりを回り込んで約20分で雄国沼湿原に到着だ。標高は1089m。磐梯朝日国立公園内の特別地域に指定されている。湿原の遊歩道は一方通行になっていて一周800ⅿ、所要30分。初夏にはミズバショウ、夏にはニッコウキスゲが見事。
喜多方側からの楽チンアプローチ
車がある人で、長時間歩く自信がない人や1人なのでクマが怖いという人には、西からのアプローチをおすすめ。喜多方の中心部から県道337号を東へ走り、標識にしたがって左折すると約40分で金沢峠に着く。急カーブが続く狭い山道ですれ違いが難しい箇所も多いが、一応舗装されている。ニッコウキスゲの季節には一般車立入禁止になり、ふもとの駐車場から金沢峠までシャトルバスが運行される。金沢峠からは雄国沼全体を見下ろすことができ、同時に、広大な田園と飯豊連峰に囲まれた喜多方も一望できる。天気の良い日の金沢峠は、歩かなくても訪れる価値のあるパノラマ台だ。ここから急な階段を10分ほど下れば雄国沼湿原の遊歩道に出る。
喜多方の稲作を支えた灌漑用ため池
およそ100万年前、火山の山体崩壊によって現在の雄国沼周辺に巨大な爆裂カルデラが生じた。50万年前、カルデラ内に溶岩が噴出して猫魔ヶ岳などが生まれ、窪みにできたのが雄国沼だ。湿原は最も高い所で沼より9mも高いため、雄国沼の岸が湿原化したものではなく、山からの水や湧水が溜まってできたという。辺りの自然は手付かずに見えるが、実は森林伐採が行われており、天然林は猫魔ヶ岳西斜面のブナの森のみ。沼の北側などで見られるミズナラの林はブナ伐採後に生えたものだ。また雄国沼には堤防と水門もある。江戸時代にトンネルが掘られ、喜多方に水を引いて新田を開発。貯水量を増やすために堤防も築かれて沼の面積は3倍になったそうだ。
沼にひそむ(?)巨大なドジョウ
雄国沼にはこんな伝説がある。その昔、この沼にはとんでもなく巨大で恐ろしいドジョウの主が棲むと信じられ、怖がって誰も近寄らなかった。しかしあるとき男が沼を訪れ、網を入れるとドジョウがやまほど獲れた。カゴいっぱいのドジョウを背負って大喜びで帰途に着くと、やがてどこからか「とらんぼう!」と声がする。辺りを見回しても誰もいないので歩き出すと、さらに大きな声で「とらんぼう!」と呼びかけられた。男は沼の主を怒らせてしまったと恐れ、カゴごと川に投げ捨てて逃げ帰ったという。ちなみに1965年(昭和40)、雄子沢川で体長1mを超える魚が捕獲され、沼の主ではと話題になったが、ドジョウではなくウナギだったそうだ。
スポット詳細
- 住所
- 福島県耶麻郡北塩原村桧原他 地図
- エリア
- 磐梯高原・猪苗代エリア
- 電話番号
- 0241322850
情報提供: ナビタイムジャパン