松ヶ岡開墾場-MATSUGAOKA CRAFT PARK-
日本遺産認定の「サムライゆかりのシルク」始まりの場所
150年の歴史を今に伝える大蚕室群
JR鶴岡駅から車で20分ほど。柿畑に囲まれた羽黒町松ヶ岡は、明治維新後に旧庄内藩士たちが開墾した場所だ。その地にある「松ヶ岡開墾場(まつがおかかいこんじょう)」は、開墾の本部となった本陣をはじめ、当時10棟造られた大蚕室のうち、5棟等が現存する国指定史跡。その地に立ち、国内最大級ともいわれる圧巻の蚕室群を眺めていると、開墾に携わった旧藩士たちの気高い志が伝わる気がして背筋が伸びる。春には樹齢100年の桜並木が蚕室群に彩りを添え、蚕室と桜の幻想的な景色を愛でに、多くの人が訪れている。
一番蚕室は、松ヶ岡開墾記念館として松ヶ岡開墾場の歴史を展示している
サムライの面影が残る人々が開墾に勤しむ様子など、当時の貴重な写真も展示されている
松ヶ岡開墾場から始まった産業クラスター
1872年(明治5)、戊辰戦争で賊軍となった旧庄内藩は、産業を興して国に尽くすことでみずからの汚名をそそごうと、当時、外貨獲得の要となっていた絹織物産業にゼロから取り掛かった。まず始めたのは、刀を鍬に持ち替えた約3000人の旧庄内藩士による松ヶ岡の開墾事業。3.11㎢に及ぶ過酷な開墾作業をわずか2年で終わらせると、桑園をつくり、国内最大規模の大蚕室を10棟建て、養蚕業と蚕種製造業を開始した。この動きは庄内一円に広がり、製糸工場や絹織物工場が鶴岡に次々と誕生。職人を育てるための学校や力織機を作る鉄工所なども生まれ、鶴岡は大正時代になると日本でも指折りの絹生産地となった。この歴史は現在の鶴岡の絹織物産業に引き継がれ、2017年(平成29)には今なお養蚕から織物製品化までの一貫工程が残る国内唯一の地として「サムライゆかりのシルク」として日本遺産に認定された。
鶴岡のシルクの魅力を伝えるため、さまざまなプロジェクトが進行中
開墾場で歴史と文化を楽しむ
5棟の蚕室は現在さまざまに活用されている。まず一番蚕室は開墾の歴史を伝える「松ヶ岡開墾記念館」として一般公開され、二番蚕室は1階に休憩処「一翠苑」と鶴岡シルクのショップ「kibiso・侍絹・shop」が、2階にはギャラリーが設置されている。三番蚕室の中には6月と9月に蚕飼育展示を行う「おカイコさまの蔵」が。四番と五番蚕室は2022年(令和4)春公開に向けてリニューアル工事が進んでいる。そのほか、旧酒井家蚕室であった寄宿舎を活用した「くらふと松ヶ岡 こうでらいね」や、貯桑土蔵を活用した「松岡窯陶芸教室」など、開墾場は鶴岡の歴史を知るとともに鶴岡シルクの買い物や飲食を楽しめる観光スポットとなっている。
全国からの問い合わせが相次ぐ、鶴岡シルクのブランド「kibiso」。その展示と販売を行っているショップも入っている
開墾場隣にオープンしたワイナリー
かつて桑畑、そして柿栽培で知られる松ヶ岡に新たにブドウ畑の景色が加わった。エルサンワイナリー松ヶ岡株式会社ではワイン用のブドウ栽培と醸造を2017年(平成29)からスタートし、2020年(令和2)には「ワイナリー松ヶ岡」とレストラン「ピノ・コッリーナ」をオープン。自家栽培ブドウを100%使用した「フルフル/白2020」と同じ鶴岡市内の250年以上の歴史をもつ西荒屋の甲州ブドウを使用した「鶴岡甲州2020」を販売している。レストランでは庄内の旬の食材を使ったコース料理が楽しめるほか、ショップにはノンアルコールワインや旬の地元農産品、オリジナルワインプリンなどが並ぶ。また「ぶどうの苗木誰でもオーナー制度」は、年会費を払って苗木のオーナーになると、ビンテージワインのプレゼントやワイン試飲などの特典を得られるというもの。松ヶ岡に来たらぜひ立ち寄ってほしいスポットだ。
スポット詳細
- 住所
- 山形県県鶴岡市羽黒町松ヶ岡字松ヶ岡25,28,29
- エリア
- 庄内エリア(南)
- 電話番号
- 0235641331
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
最寄り
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