象潟九十九島
鳥海山麓の田園風景に点在する天然記念物の103の島々
水田に水が入る初夏には、まるで海に島々が浮かぶような光景が広がる
「東の松島、西の象潟」と称された景勝地
象潟九十九島とは、日本海東北道金浦(このうら)ICを降りて10分ほど、鳥海山から30kmほど北部に位置する海岸沿い広がる景勝地のこと。鳥海山麓から海岸沿いに広がる田園風景のなかに、ぽつんぽつんと浮かんで見える、大小合わせて103もの島々。かつては日本三景松島と同じように、湾のなかに緑の島々が点在する風光明媚な景勝地として、数多くの文人や俳人を魅了していた。なかでも俳聖・松尾芭蕉は奥の細道最北の地として象潟を訪れており、その美しさを古代中国史の美女に重ね「象潟や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」と詠んだ。芭蕉は松島との違いを「松島は笑うがごとく、象潟はうらむがごとし」と表現しており、松島は陽の美しさ、象潟は陰の美しさがあると讃えた。のちに与謝蕪村や小林一茶もこの地を訪れ、俳人にとっての巡礼地のひとつになっていった。
現在田んぼが広がっている平野部は、江戸中期の象潟大地震まで海が広がっていた
古代の山体崩壊と大地震がつくった奇景
世界的にも貴重な景観の始まりは、今から約2500万年前に発生した鳥海山の大噴火にある。噴火の際に山頂付近から約60億tもの土砂が、一気に象潟平野に流れ込み日本海にまで達したという。山頂から流れ落ちた巨大な岩の塊が沿岸に集積して、東西1km・南北2kmにわたる入江を形成。海水面に顔を出した岩の塊や堆積物は、多くの島々となって象潟九十九島の原型となった。松尾芭蕉が訪れた江戸中期までは、海に数多くの島々が浮かぶ現在の松島のような景観だったが、1804年(文化元)にマグニチュード7の象潟大地震が発生。象潟平野は一夜にして2m以上も隆起して陸地になり、景観を一気に変えてしまった。その後平野部には徐々に田園風景が広がっていき、現在のような不思議な景観ができあがったという。
大噴火や大地震が織りなす景観美と、人の手による田園風景のコントラストが美しい
象潟九十九島のおすすめ観賞スポット
103の島々は1934年(昭和9)に天然記念物に指定されており、すべての島に名前がついている。おすすめ観賞スポットは、境内に芭蕉句碑が立つ古刹「蚶満寺(かんまんじ)」だ。大地震前の江戸中期までは、寺院の周辺まで海岸線だったという場所。鳥海山と象潟の島々を眺められる、象潟屈指のビュースポットにもなっている。もうひとつの絶景スポットが、道の駅象潟「ねむの丘」だ。地上6階部分に360度ガラス張りの展望塔があり、東側には鳥海山と九十九島、西側には日本海を一望できる無料の立ち寄りスポットになっている。館内には日本海のオーシャンビューを楽しめる日帰り温泉施設や、地元の海鮮グルメを堪能できる飲食店が入っており、ドライブの休憩スポットとしてもおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県にかほ市象潟町
- エリア
- 由利本荘・鳥海エリア
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
最寄り
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