中頓別鍾乳洞
地層マニア垂涎。貴重な地形を間近に見ながらの探検
北海道で最初に発見された鍾乳洞
道北の内陸部にある中頓別町は、日本最北のカルスト地形(雨水や地下水など浸食で生まれる地形)のなかにある。中央に標高703mの敏音知岳(ぴんねしりだけ)、南西に北見山脈、東には標高841mのポロヌプリ山という山々に囲まれた山岳地の町。この町で洞窟が発見されたのは1917年(大正6)のこと。1933年(昭和8)には、地元の青年7人がこの洞窟を探検し、鍾乳洞であることが判明した。1938年(昭和13)に国の天然記念物に指定されたあと、改正により1957年(昭和32)から北海道の天然記念物に指定され今にいたる。平成に入ってからも新鍾乳洞が発見されるなど、まだ全容が解明されたとはいい難い秘境のような場所。ナカトンベツホラトゲトビムシというここにしか生息しない固有種の虫も発見されている。
新しい時代にできた学術的に貴重なエリア
鍾乳洞は、地殻変動により石灰岩が隆起し、そこに流れ込んだ雨水などで石灰岩が溶かされることでできる。日本各地にある鍾乳洞は、ほとんどが1-2億年以上前に形成された石灰岩層に存在しているが、中頓別鍾乳洞は約1000万年前という新しい地質年代に存在している。ホタテやホッキ、フジツボといった貝類片が多く含まれた貝殻石灰岩層にできた鍾乳洞は国内でも珍しく、学術的に極めて貴重な場所だ。今は山深い場所にあるが、この地層はもともと海の底にあったのだ。
探検グッズを手に、いざ鍾乳洞へ!
現在公開されているのは第1洞のみ。この鍾乳洞には鍾乳石はないが、探検気分を楽しめる。管理棟「ぬくもり館」の裏手にある階段を下りて、鍾乳洞へ向かおう。ゆるやかではあるものの山道なのでスニーカーやトレッキングシューズでの散策がオススメだ。特に雨が降ったあとの数日間に訪れる場合は、ぬかるみに注意して進むこと。10分ほどで第1洞に到着だ。入り口には「探検グッズ」のヘルメットと懐中電灯が用意されている。真夏でも18℃前後と洞内はひんやり。滑りやすい足元に加え、湿り気を帯びた岩が頭上に大きく張り出す箇所もあり、安全のためにヘルメットを被っておいて損はない。照明完備なので懐中電灯は必須ではないが、あれば探検気分が盛り上がるだろう。
鍾乳洞を見学後、砂金堀り体験はいかが?
鍾乳洞周辺は「中頓別鍾乳洞自然ふれあい公園」として整備されている。遊歩道沿いを歩けば石灰岩の奇岩・軍艦岩や、すり鉢状のくぼみの「ドリーネ」など、カルスト地形特有の地形を見てまわれる。道がわかりにくいので、案内看板をスマホなどで撮影しておくと安心だ。6月上旬には「鍾乳洞まつり」が開催される。この時期に見学すれば、軍艦岩の周りに咲く見事なシバザクラが楽しめる。中頓別町は明治時代、町の東を流れるペーチャン川で砂金が発見され、ゴールドラッシュに沸いた歴史がある。車で15分ほどの距離にある郷土資料館で詳しく紹介されており、今もペーチャン川では砂金堀り体験を楽しめる。鍾乳洞探検と合わせて訪れてみては?
スポット詳細
- 住所
- 北海道枝幸郡中頓別町字旭台24-1 地図
- エリア
- 稚内エリア
- 電話番号
- 0163461299
- 時間
- 9:00-16:30
- 休業日
- 11/1-4/30
- 料金
- [見学料]無料
- 駐車場
- あり(約50台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- 滞在目安時間
- 60-120分
情報提供: ナビタイムジャパン