倉敷市立美術館

美術館

丹下健三建築の市庁舎が美術館に

倉敷美観地区のすぐ近くという好立地にある倉敷市立美術館は元はモダニズム建築の市庁舎だった建物。池田遙邨(いけだようそん)をはじめとする郷土ゆかりの作家作品を収集・展示するほか年に数回特別展を開催している。

コンクリート打ち放しのモダンな外観の倉敷市立美術館。外壁に渡した梁は、「校倉造り」を意識している コンクリート打ち放しのモダンな外観の倉敷市立美術館。外壁に渡した梁は、「校倉造り」を意識している

丹下健三設計のモダンな市庁舎を利用

倉敷川沿いの「倉敷美観地区」と道を隔てて南側に「倉敷市立美術館」がある。元は、白壁の町並みや大原美術館に次ぐ、倉敷中心部のシンボルとして市が1960年(昭和35)に建てた市庁舎。世界的な建築家の丹下健三(たんげけんぞう)氏の設計だ。鉄筋コンクリート地下1階、地上3階、コンクリート打ち放しの外壁に約20mの梁が横にかけ渡されているのが特徴のひとつ。これは奈良市の国宝・正倉院に代表される木材を組み上げて壁を造る「校倉(あぜくら)造り」を意識したもので、「現代の校倉造り」とも称される。高さ10mを超える吹き抜けの空間がある1階は、エントランスホールと、市民らの作品発表の場となる展示室、喫茶室があり、2階には美術館主催の展覧会が開催される展示室、3階には講演会などに使われる講堂や市民の生涯学習活動に使われる会議室がある。2020年(令和2)にモダニズム建築の好例として登録有形文化財になった。

市庁舎の頃は現在の入り口の反対側に玄関があった。上部の特徴のある庇が目をひく 市庁舎の頃は現在の入り口の反対側に玄関があった。上部の特徴のある庇が目をひく

広い吹き抜け空間が特徴のエントランスホール 広い吹き抜け空間が特徴のエントランスホール

池田遙邨からの寄贈がきっかけ

1967年(昭和42)に倉敷、児島、玉島の3市が合併して手狭になり、1980年(昭和55)には、現在の市庁舎へ機能を移したことや、倉敷市ゆかりの日本画家で文化勲章受章者の池田遙邨から市に約500点の作品が寄贈されたことを機に、美術館へ転用することになった。大原美術館分館や倉敷国際ホテルなどを手がけた倉敷市出身の建築家浦辺鎮太郎(うらべしずたろう)氏が改築の設計を担当。1983年(昭和58)に「倉敷市立美術館」として再スタートした。

3階には池田遙邨作品を展示するコーナーがある 3階には池田遙邨作品を展示するコーナーがある

郷土ゆかりの作家の作品を収蔵

収蔵の中心となるのは、池田遙邨作品。開館後も作家本人や遺族から寄贈を受け、現在では1万点以上の収蔵品のうち、遙邨作品が8000点を超える。1923年(大正12)の関東大震災の惨状を描いた初期の屏風『災禍の跡』、敬愛する浮世絵師・歌川広重に倣って制作した『昭和東海道五十三次』、童画風の人気作『森の唄』、種田山頭火(たねださんとうか)の句境を表現した山頭火シリーズなど。さまざまな作家に影響を受けて作風を次々に変えた初期から中期、晩年の大胆でユーモラス、洒脱な絵画世界までを網羅している。3階のロビーも含めて遙邨作品の展示機会は多い。そのほか、パリでキュビズムを学んだ洋画家坂田一男(さかたかずお)や、近代洋画壇に足跡を残した満谷国四郎(みつたにくにしろう)、木工芸の人間国宝・大野昭和斎(おおのしょうわさい)、そして、現代美術作家では岡崎和郎(おかざきかずお)や工藤哲巳(くどうてつみ)、文化功労者で倉敷市在住の高橋秀(たかはししゅう)といった郷土ゆかりの作家作品を収集・展示している。またそのほかにも、年に数回特別展を開催する。隣接して倉敷市中央立図書館、倉敷市自然史博物館がある。

2階の展示室では、コレクションを紹介するほか、特別展が開かれる 2階の展示室では、コレクションを紹介するほか、特別展が開かれる

スポット詳細

住所
岡山県倉敷市中央2-6-1 map map 地図
電話番号
0864256034
時間
9:00-17:15(展覧会最終入場16:45)
休業日
月(祝または振替休日の場合は翌日)、年末年始(12/28-1/4)、そのほか臨時休館する場合があります
料金
【コレクション展】
[一般]210円
[高、大学生]100円
[小、中学生]50円
※特別展料金は別途設定、団体割引あり
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 設計が丹下健三
    3.0 投稿日 : 2021.08.01
    過去の展示をチェックしてもこれという展示はなかったが、ここに来た理由は丹下健三の設計だから。正面玄関よりも反対側に回ったほうがデザイン性が高い。中に入るとロビー空間はかなり広々している。訪問時は岡山ゆかりの作家「池田遥邨展」を開催していた。市立だからか入場料はやたら安い。でも東京なら都立でも区立でももう少し高いので、やはりここは安いと感じる。
  • 倉敷市散策にて
    3.0 投稿日 : 2019.12.14
    倉敷駅から美観地区へ行き、そこから近くにある美術館です。新収蔵作品展が開催されていて、岡山にゆかりのある作品を展示していて斎藤真一、柏木祥吉郎かど作品が展示してありました○
  • 展示替えに阻まれて
    2.0 投稿日 : 2019.08.04
    この美術館には池田遙邨コーナーがあるのでそれを目的に出かけたがあいにく展示替えのため休館だった。ただ館は開いておりこの市出身の岡野耕三という画家の抽象画2点と安井賞受賞者の高橋秀の抽象画1点が一階ロビーに、また棟方志功の巨大な板画が二階に飾られていた。

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アクセス

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