高梁市成羽美術館
安藤忠雄設計の公立美術館は3本柱の多彩なコレクションを所蔵
地元出身の画家児島虎次郎の顕彰からスタート
成羽川と吉備高原の山々に挟まれた高梁市成羽は、江戸時代は陣屋町で武家屋敷跡や陣屋跡の石垣が残る。国道313号を車で行くと高梁市成羽美術館は道沿いに見えてくる。倉敷市の実業家大原孫三郎(おおはらまごさぶろう)の支援で大原美術館の礎となった西洋絵画を収集した児島虎次郎(こじまとらじろう)を顕彰するため、1953年(昭和28)に誕生。現在の美術館は1994年(平成6)に移転新築したもので「成羽町美術館」として開館。その後の市町村合併で現在の名称になった。
見どころの多い安藤忠雄建築
高梁市成羽美術館は、世界的建築家の安藤忠雄が手がけた美術館だ。安藤建築の特徴であるコンクリート打ち放し。地上2階地下1階のモダンな建物に人工水面を配し、陣屋町の石垣と調和している。正面に見える山の緑や鳥のさえずりを楽しみながら上りのスロープを歩いていくと宙に浮くような感覚を覚える。特に秋の紅葉は息をのむ美しさ。角を曲がると眼下に人工水面が見える驚きもそのままに、入り口から館内へ導かれる。
コンクリート、水、自然、光が空間を演出。安藤忠雄らしい空間だ
ユニークな3本柱のコレクション
コレクションもユニークだ。東京美術学校(現東京芸術大)の研究科の卒業制作「登校」やベルギー留学時代の作品など児島虎次郎の絵画に、虎次郎が収集した中国、朝鮮、オリエント地域の遺物約500点、成羽地域産出の植物化石を所蔵している。オリエントなどのコレクションは1920年代に収集された古代エジプトの遺物が核。「シャブティ」や「アミュレット」(護符)などは、小品ながら学術的にも貴重という。成羽は世界でも類を見ない貴重な化石の宝庫。シダ、トクサ、ソテツ、イチョウなど三畳紀後期の植物化石110種余りが発見されている。その3分の1以上の約40種が新種で「ナリワエンシス」「ナリウェンシス」と成羽にちなんだ名前になっている。展示時期については問い合わせを。
学生と共同開発したグッズが話題
例年、特別展は春から秋に3つ。虎次郎に関したものから現代美術作家の個展、写真家・篠山紀信展、俳優・高倉健展など、これまで多彩な企画で人気を博した。開館20周年記念で2014年(平成26)に美術家・向井修二(むかいしゅうじ)展を開催したとき、向井に依頼してトイレを「□」や「×」などの記号で埋め尽くしてもらい、作品としてコレクションに加えている。また、岡山県立大デザイン学部の学生たちと協同でコレクションをモチーフにしたミュージアムグッズを開発している。また、高梁市成羽町地区は国重要無形民俗文化財の郷土芸能・備中神楽発祥の地として知られ、美術館がある地域の国道313号沿いには、住民が手作りした神楽に登場する神々らの陶製オブジェが立ち並ぶ「神楽ロード」になっている。
スポット詳細
- 住所
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岡山県高梁市成羽町下原1068-3
地図
- エリア
- 高梁・吹屋エリア
- 電話番号
- 0866424455
- 時間
- 9:30-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 月(祝の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間
- 料金
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【入館料】
[一般]500円
[高、大学生]300円
[小、中学生]200円
※展示内容により異なる - 駐車場
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あり(約90台)
※隣接の施設と供用 - クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、nanaco、WAON、楽天Edy、Apple Pay、PayPay、LINE Pay、メルPAY、auPAY、ALIPAY、J-Debit その他)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
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【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円 - 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 安藤忠雄氏設計の美術館
- 建築家安藤忠雄氏設計の美術館です。玄関が奇抜で異空間に入る感がありとても良いです。児島虎次郎の古代エジプト蒐集記とモネの池の蓮の花を見ました。日曜日で小学生がクイズ企画?で館内が賑やかでした。
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- 緑の中の安藤忠雄建築
- 児島虎次郎が収集したエジプト美術品を拝見しに成羽までドライブしました。エジプトは新婚旅行で行ったので大変興味がありました。児島虎次郎が異国の地エジプトでみたスフィンクスやピラミッドは驚き以外なにものでもないのでしょう。コンクリート打ちっぱなしの室内での洋画家虎次郎が収集した工芸品と呼応していました。
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- 設計は安藤忠雄
- とにかくアクセスが悪い場所で車じゃないと行けないような美術館です。町立の美術館とは思えぬ建築、設計は安藤忠雄です。納得のコンクリート打ち放し。こちらの睡蓮はジヴェルニーのモネの自宅庭園から株分けされたものとのこと。訪問時はちょうど花が咲いていました。展示は企画次第なのでなんとも言えないのですが、外のトイレが「記号のトイレ」という向井修二氏のインスタレーションになっている。以前に向井氏が...
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