旧伴家住宅(公益財団法人 八幡教育会館)

歴史的建造物

江戸時代には珍しい3階建て!豪商が残した大型商家建築を見学

近江商人の本拠地のひとつ、近江八幡の中心地に立つ元豪商の本家。小学校、高等女学校、図書館などへの変遷を経て、現在は公益財団法人八幡教育会館の運営により「旧伴家住宅」として一般公開されている。当時には珍しい3階建ての堅牢な大型商家は見ごたえ十分だ。

現在の建物は、近江商人屋敷を小学校に改修した当時の状態を復元・整備したもの} 現在の建物は、近江商人屋敷を小学校に改修した当時の状態を復元・整備したもの

蚊帳や畳表を商材に財をなした豪商

近江八幡といえば、天秤棒を片手に全国で行商を行った近江商人発祥地のひとつ。近江八幡のなかでも豪商の屋敷が立ち並び今も往時の風情をとどめる新町通と、京の都へと通じる京街道(朝鮮人街道)が交わる場所に、かつての近江商人屋敷「旧伴家住宅」がたたずんでいる。江戸時代初期、扇屋の屋号で江戸や大坂に店を出し、蚊帳や畳表、扇子、麻織物を商材として財をなした豪商であり、国文学者も輩出した伴庄右衛門(ばんしょうえもん)家の屋敷で、7代目が十数年の歳月をかけて1840年(天保11)に完成させたもの。2階建て以上が建築制限されていた時代だったため、正面から見ると2階建てだが西側から見ると3階建てであることがわかる豪壮な建物だ。明治時代に町に譲渡されて以降は、近江八幡西小学校、高等女学校、近江兄弟社図書館、近江八幡市立図書館へと変遷し、現在は「旧伴家住宅」として公開されている。

吹き抜けの空間は土間だった場所。「左義長まつり」の山車が展示されている} 吹き抜けの空間は土間だった場所。「左義長まつり」の山車が展示されている

3階の屋根裏まで届く圧巻の大黒柱。煙出しからは光がこぼれる} 3階の屋根裏まで届く圧巻の大黒柱。煙出しからは光がこぼれる

豪壮な商家内部を見学

アクセスは、JR琵琶湖線近江八幡駅から近江鉄道バス「長命寺行き」に乗車し、小幡町資料館前停留所で降りて徒歩2分ほど。現在の建物は、建築当時ではなく明治時代に学校として使われていた当時の様子を復元・整備したもので、1階と2階を見学できる。玄関を入って正面は、3階の屋根裏まで届く圧巻の吹き抜け空間。1階広間には、商人や丁稚(でっち)が商いで不在の間、家を守った妻子らが着物の切れ端で作った裁縫箱やよだれかけ、細工袋といった小物や嫁入りの白打掛などが展示されている。小学校時代は唱歌室だったという中2階を経て、2階へ。江戸時代、朝鮮通信使が京街道(朝鮮人街道)を通って江戸を目指す道中、近江八幡を食事や休憩場所としたことにちなみ、朝鮮通信使の瓦人形やもてなしの料理「五五三の膳」の再現展示が見られる。

1階広間の桐箪笥。引き出しを開けると布小物が並んでいる} 1階広間の桐箪笥。引き出しを開けると布小物が並んでいる

中2階にある小学校時代の唱歌室から2階へ向かう} 中2階にある小学校時代の唱歌室から2階へ向かう

2階大広間の手前には小学校時代に校長室として使われていた部屋も} 2階大広間の手前には小学校時代に校長室として使われていた部屋も

14mの梁が走る45畳の大広間

45畳もの広さがある2階奥の大広間がいちばんの見どころ。窓の上を端から端まで走る梁は継ぎ目がなく長さ14mに及ぶ見事な梁で、天井に渡る6本の梁とともに赤松で造られている。浮世草子『好色一大男』の作者として有名な井原西鶴の遺稿集『西鶴織留』に商売道具の蚊帳を作る「扇屋」の記述が見られるが、この部屋がモデルとなったと伝わる。3階は非公開だが、斜めにかけた「登り梁」に支えられた物置と「ジシンノマ」で構成され、建築当初の姿をとどめている。玄関の右手は、小学校時代の第2教室。木製の数珠や扇など近江八幡の伝統工芸品を展示するコーナーや貸室として活用されている。旧伴家住宅の向かいにあるレトロな洋館は、ヴォーリズ設計事務所による改築を経て市立郷土資料館となった建物。郷土資料館、歴史民俗資料館、旧西川家住宅、旧伴家住宅の計4館が見学できるお得な共通券(一般800円)で巡れば、八幡商人の暮らしぶりを存分に体感できるのでおすすめだ。

2階大広間。昭和初期の女学校時代は裁縫教室として使われていた} 2階大広間。昭和初期の女学校時代は裁縫教室として使われていた

建物西側。1階は木肌葺き、2階は瓦葺き、3階が銅板葺きとそれぞれ異なるのもおもしろい} 建物西側。1階は木肌葺き、2階は瓦葺き、3階が銅板葺きとそれぞれ異なるのもおもしろい

スポット詳細

住所
滋賀県近江八幡市新町3-15 map map 地図
電話番号
0748321877
時間
9:00-17:00(最終入館16:30)
休業日
月、祝祭日の翌日、年末年始、臨時休業あり
[3-5月、9-11月]無休
料金
[入館料]400円
駐車場
なし
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
あり(3口、貸室利用者のみ使用可)
喫煙
不可
英語メニュー
あり(QRコードにて読み取り、館内案内あり)
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
不可(階段が多いため)
乳幼児の入店
ペットの入店
不可
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 保存状態の良い旧家
    5.0 投稿日 : 2022.05.13
    市営駐車場近くで最初に目に付く旧家でした。他の旧家、資料館とのセットの入場券がありましたのでここで購入しました。元々は近江商人の家で商売は中断したようですが、その後は学校として使われた一般家屋としてはかなりの大きさです。五月人形、武者人形の展示がおこなわれていました。はいってすぐの高い天井が印象に残りました。スタッフから解説も受けることができました。
  • 小学校としても使われた豪邸
    3.0 投稿日 : 2021.06.21
    新町通りにある近江商人の邸宅。かつては小学校としても使われていたようで、一帯の古民家の中でもとりわけ立派。思わず写真を撮りたくなる。現在は資料館になっているが、私は時間の関係で中に入らなかった。次回はもっとゆっくりと観光したい。
  • 実物の《左義長まつり》のだし、実際に食べることの出来る食材で ここまでリアル感をだせるのか!ヒックリ!
    5.0 投稿日 : 2019.10.29
    こちらに入場すると 本物の《左義長まつり》のタシ(添付 写真参照)が展示してあります。 ネットやテレヒなどで 《左義長まつり》のだしを見たことがありましたが 食べられる食材でこんなにリアル感を持たせることが出来るのか! ヒックリし 一見の価値ありです(夫々の飾りの食材も書いてあります)。 又 展示品として 《朝鮮通信使の饗応メニュー(復元)》もあり、[信長の館]に展示してある 明智光秀の本能...

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アクセス

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