百済寺
湖東三山の最南、「最後の山城」の趣を残す近江の最古級寺院
「赤門」と呼ばれる朱塗りの総門。くぐれば入試合格のご利益が!?
聖徳太子が立木に観音様を彫ったのが由来
最寄り駅は近江鉄道八日市駅で、百済寺までは10kmほど。車なら10分、愛東北回りの「ちょこっとバス」を利用すると30分で百済寺本坊前までアクセスできる。百済寺の創建は606年(推古天皇14)、聖徳太子が山のなかで光を放った杉の木に観音菩薩像(植木観音)を彫り、周囲にお堂を建てて近江の仏教拠点としたのが始まりと伝わる。名の由来は百済国の龍雲寺を模したことによるが、「くだらじ」ではなく「ひゃくさいじ」と読む。鎌倉時代には「天台別院」と称され大寺院となったが、織田信長の焼き討ちにより焼失。のちに彦根藩主・井伊家や江戸幕府3代将軍・徳川家光の乳母・春日局らの寄進により石垣の遺構のなかに本堂、仁王門、山門などが再建された。
「天下遠望の名園」と称された本坊庭園
バス停のある駐車場前に面した通用門をくぐって寺務所で拝観受付をし、阿弥陀如来を祀る本坊・喜見院(きけんいん)へ。書院前の池泉回遊・鑑賞式庭園は「天下遠望の名園」と称され、社寺の庭園としては県下最大の広さを誇る。鈴鹿山脈を借景とし、斜面を生かした雄大な造りとなっており、聖徳太子の願文にちなみ仏に見立てた巨石を配している。少し小高い場所にある遠望台からは琵琶湖越しに比叡山と湖西の山並みが連なるパノラマビューが望める。錦秋の美景でも知られ、滋賀県では百済寺を含む湖東三山とメタセコイア並木が「日本紅葉百選」に選定されている。
石垣の上にそびえる本堂へ
本坊庭園から本堂へは、表参道と、石段のないなだらかな脇参道の2つのルートがある。「石垣参道」と呼ばれる表参道の一帯には、織田信長に布教を許されたポルトガルの宣教師ルイス・フロイスがかつて「地上の天国 一千坊」と讃えた僧坊があったが、奇しくも信長の焼き討ちで消失。焼き討ちの際、僧侶が像高3.2mもの本尊を背負って8km先の奥の院まで逃げ難を逃れたという逸話も残る。その本尊は現在秘仏だが、2021年(令和3)秋に重要文化財に指定されたのを記念し、2022年(令和4)10月1日-10月16日までの期間、特別に御開帳される予定だ。両脇に安置された聖観音坐像と如意輪観音半跏思惟像は美仏として名高く、見ごたえがある。百済寺の総門である赤門へは駐車場付近から徒歩で往復30分を要するが、時間が許すならぜひ足を延ばしてみよう。
スポット詳細
- 住所
- 滋賀県東近江市百済寺町323
- エリア
- 湖東・彦根エリア
- 電話番号
- 0749461036
- 時間
- 8:30-16:30(受付終了16:00)
- 休業日
- 無休(特別な事情が生じた場合、変更する可能性があります)
- 料金
-
【拝観料】
[大人]600円
[中学生]300円
[小学生]200円 - 駐車場
- あり(乗用車220台、大型バス20台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 乳幼児の入店
- 可(坂や階段が多いため、3歳以下のお子様をお連れの方は特にご注意ください)
- ペットの入店
- 可(小型犬のみ、リード使用)
情報提供: ナビタイムジャパン