浜松市気賀関所

その他の史跡/建造物

春には姫様道中で賑わう、江戸時代の旅人気分を味わえる東海道三大関所

江戸を守るために全国に設置された関所のひとつで、重要な拠点として東海道三大関所に数えられる。1990年(平成2)には江戸時代の史料を基にして忠実に復元。現在は人々が交流する観光拠点としての役割を果たしている。

かつて冠木門は毎日明け六つ(午前6時)に開門し、暮れ六つ(午後6時)に閉門した。松の並木が街道の情緒を演出} かつて冠木門は毎日明け六つ(午前6時)に開門し、暮れ六つ(午後6時)に閉門した。松の並木が街道の情緒を演出

通行手形販売処では入所券のほか、関連するお土産も販売。着替え体験の受付もここで行う} 通行手形販売処では入所券のほか、関連するお土産も販売。着替え体験の受付もここで行う

堅固さと威厳を示す冠木門を抜け関所内へ

箱根や新居(今切)と並び、東海道三大関所のひとつに数えられる気賀関所は、不思議なことに、一般的に知られている東海道から大きくはずれた浜名湖の北部、奥浜名湖と呼ばれる地にある。それは静岡県磐田市と愛知県豊川市を結び、いつしか姫街道と呼ばれるようになったこの街道が、かつては東海道の本道だったため。距離の短い浜名湖南岸の経路が主流となっていったが、1869年(明治2)に関所廃止令が発令されるまで、重要な役割を担い続けた。現在の気賀関所は、700mほど場所を移し、天竜浜名湖鉄道・気賀駅から徒歩3分ほどの位置に復元されている。駅から向かうと、立派な冠木門(かぶきもん)が見えてくる。通行手形販売処で入所券を購入すれば、当時の旅人と違い、緊張することなく門をくぐることができる。土日祝日や長期休みのみではあるが、家族連れや友人同士のグループには、着替え体験が好評。衣装を身に着けて見学したり、記念撮影したりすれば、さらに思い出も深まりそうだ。

中心的な役割を担った本番所。建物の前と内部には、「さすまた」や「つくぼう」といった警備用の三つ道具が配備されている} 中心的な役割を担った本番所。建物の前と内部には、「さすまた」や「つくぼう」といった警備用の三つ道具が配備されている

関守は1619年(元和5)から1869年(明治2)の廃止まで旗本近藤家が代々拝命した。左奥の上の間には家老や身分の高い人が控えた} 関守は1619年(元和5)から1869年(明治2)の廃止まで旗本近藤家が代々拝命した。左奥の上の間には家老や身分の高い人が控えた

役人の配置や取り調べの様子を人形で再現

気賀関所は1601年(慶長6)、徳川家康によって創設されたといわれている。取り締まったのは、俗にいう「入り鉄砲に出女」。鉄砲などの武器が江戸に持ち込まれること、そして人質として住まわせていた大名の妻子などが国に逃げ帰ることを防いだ。冠木門を入って右手には本番所。ここには番頭2名と平番4、5名が常勤し、旅人や荷物を取り調べた。本番所の正面にあるのは向番所で、足軽、門番が見張り番をしながら休息に使用するほか、女改めと呼ばれる女性の手形の確認などが行われることもあった。向番所内には関所としては珍しく、牢屋も設置されていたという。そのほか敷地内では遠くを見張るために建てられた遠見番所、一般の身分の者が使用するトイレ・下雪隠(せっちん)、関所に関する決まりごとが掲げられている御制札場などを見ることができる。

向番所では女改めの様子が再現されている。女手形に記されていることと年齢や姿が一致しているかを入念に調べた} 向番所では女改めの様子が再現されている。女手形に記されていることと年齢や姿が一致しているかを入念に調べた

遠見番所は実際に上がることができる。当時上階には釣鐘が掛けてあり、下の部屋には大砲が納められていた} 遠見番所は実際に上がることができる。当時上階には釣鐘が掛けてあり、下の部屋には大砲が納められていた

姫様館では関所や街道に関する資料を展示

気賀関所が置かれた街道が姫街道と称されるようになったのには大きく2つの説がある。1つは今切の渡船における危険と、とりわけ厳しい新居関所の取り調べを避けて、女性が多く通行したからとする説。もう1つは古いという意味の「ひね」が変化したとする説。いずれにしても江戸時代末期にはその呼称が定着し、地元では現在も使われている。例年3月には、浜松市姫様道中が開催され、絢爛豪華な姫様の行列が再現される。姫様館には、気賀関所や姫街道に関する貴重な資料が展示されているので、合わせて見学したい。関所西側にある町木戸門を抜けると、かつては気賀宿の町家が広がっていた。現在、門の先には奥浜名湖田園空間博物館、通称でんくうが建つ。地域に残る文化や景観をまるごと博物館として紹介するというコンセプトを持ち、奥浜名湖エリアの多彩な魅力を発信している。もちろん地元の野菜や特産品もそろうので、関所を見学したあとは、ぜひ立ち寄ろう。

資料が展示される姫様館。関所周辺には大名や姫様が宿泊する本陣もあり、大いに賑わった。徳川家定に嫁いだ篤姫も姫街道を通ったという記録が残る} 資料が展示される姫様館。関所周辺には大名や姫様が宿泊する本陣もあり、大いに賑わった。徳川家定に嫁いだ篤姫も姫街道を通ったという記録が残る

宿札や往来手形のほか、江戸時代に使われた駕籠(かご)、大名が使用した道具などを展示。当時の役人が食べたとされる夕食も紹介} 宿札や往来手形のほか、江戸時代に使われた駕籠(かご)、大名が使用した道具などを展示。当時の役人が食べたとされる夕食も紹介

奥浜名湖田園空間博物館(でんくう)では地元農家から毎日届く野菜や奥浜名湖の特産品を販売。ワークショップやマルシェなどのイベントも好評} 奥浜名湖田園空間博物館(でんくう)では地元農家から毎日届く野菜や奥浜名湖の特産品を販売。ワークショップやマルシェなどのイベントも好評

スポット詳細

住所
静岡県浜松市浜名区細江町気賀4577 map map 地図
電話番号
0535232855
時間
9:00-16:30
休業日
年末年始
※施設・設備点検等のため休所となる場合もあります
料金
【入所料】
[大人]150円
[70歳以上]無料(運転免許・マイナンバー・保険証などの公的証明書)
[小・中学生]無料(高校生は学生証提示にて無料)
[20名以上]100円/人
駐車場
あり(10台)
※大型バス事前予約必要
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay)
Wi-Fi
あり(HAMAMATU FREE Wi-Fi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(パンフレットあり)
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
ペットの入店
可(抱っこでの入所)

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 以前は無料だったのに
    3.0 投稿日 : 2019.09.07
    天竜浜名湖鉄道の気賀駅の南側で、徒歩数分の距離に位置します。今年の4月より有料化されました(がっかり・笑)。
  • 思ったよりより見応えが!
    4.0 投稿日 : 2019.02.24
    寄り道ついでのつもりで寄ったのですが思ったより見応えがありました(すみません…)ボランティアの方のガイドを聞かれる事をぜひお勧めします。4月1日より入場料(150円)がかかってしまうとの事なので3月中に行かれたほうがお得です。
  • ちょっと寄り道
    5.0 投稿日 : 2019.02.09
    広々と静かな観光地です。浜松北部は曲り道が多いですが、一本道なので迷うことなく行けます。間近で昔の雰囲気を味わえます。

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アクセス

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最寄り

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