寸又峡

数々の絶景を楽しめる寸又峡

最寄りICから1時間半。通行止めの時間も

大井川の支流・寸又川の峡谷。寸又峡は静岡県の最北部、南アルプスの入り口に位置する。その絶景は海外の観光客からも人気の観光地だ。公共交通機関を利用する場合は大井川本線で千頭駅まで行き、寸又峡温泉行きの路線バスに乗り換えるのがスムーズ。車で向かうと、最寄りの新東名高速・島田金谷ICから約1時間半。ICを下りたら、川根本町・寸又峡方面へ北上する。途中の山道には車がすれ違えないところもあるので慌てずに。また、時間帯によっては通行止めとなる区間もあるので、余裕を持った計画を立てたほうがよい。

試験に落ちたくない人のパワースポット

寸又峡には3つのハイキングコースがある。最もポピュラーなのが「寸又峡プロムナードコース」。「夢のつり橋」や「飛龍橋」を通ってスタート地点に戻るまで1時間半ほどかかる。そこへ向かうまでに2つのコースがある。所要時間50分の「外森山ハイキングコース」はハイキングのイメージとは違い、道は狭くて険しい。急な坂道もあるので先を急がず、鳥のさえずりや木々の香りを楽しみながらのんびり歩きたい。このコースを選ぶ人は、受験生や試験を控えた社会人が多い。いつ落ちてもおかしくない崖っぷちに止まっている巨大な石「落ちない大石」は、大切な試験に合格したい人のパワースポットになっている。

外森山ハイキングコースにある外森神社

パワースポット「落ちない大石」

4人までしか渡れない吊り橋からの絶景

もう1つのハイキングコースは「グリーンシャワーロード」で、所要時間は1時間。一部に急な坂はあるが、道は比較的平坦で歩きやすい。このコースのいちばんの見どころは「猿並橋(さんなみばし)」。同時に4人までしか通行できない、長さ96m、高さ11mの吊り橋だ。名前の由来は、この辺り一帯に暮らす猿の群れが対岸の朝日岳から寸又峡温泉への行き来に並んで橋を渡るためといわれている。猿並橋を渡った先はハイキングコースではなく、朝日岳への登山道となっている。

猿の群れが渡る猿並橋

「美女づくりの湯」で知られる秘湯

たくさん歩いた足の疲れを癒やすのは温泉。pH値8.9のアルカリ性単純硫黄泉で、かすかに硫黄臭があり、お湯の中にはぬるっとする湯の花が舞っている。「武田信玄の隠し湯」と言われた寸又峡温泉は古くから秘湯として知られ、「美女づくりの湯」とも呼ばれている。温泉成分が肌の古い角質を溶かすため、湯上りは肌がツルツル、スベスベになる。町営露天風呂「美女づくりの湯」をはじめ、寸又峡の駐車場から「夢のつり橋」入り口までが温泉街となっている。

町営露天風呂「美女づくりの湯」