あま市七宝焼アートヴィレッジ

体験館/宿泊体験(研修)施設

七宝焼を総合的に学んで楽しめる国内唯一の公立施設

あま市七宝焼アートヴィレッジは、伝統的工芸品「尾張七宝」を見て、触れて、学んで、体験できる総合施設。その美しさに魅せられ、約190年もの歴史を紡いできた職人たちの匠の技と想いに触れてみたい。

体験教室では、スタッフが一人ひとりにていねいに作業のコツを教えてくれる} 体験教室では、スタッフが一人ひとりにていねいに作業のコツを教えてくれる

尾張七宝としてこの地で製作が盛んに

名古屋駅から西へ車で約20分、田園地帯がまだ残る幹線道路沿いにあま市七宝焼アートヴィレッジはある。七宝焼とは、銅など金属の素地に色とりどりのガラス質の釉薬(ゆうやく)をのせて焼き付けたもの。古くから海外で作られてきたが、日本では1833年(天保4)、現在の名古屋市中川区に住んでいた梶常吉(かじつねきち)が近代七宝の製作に成功。現在のあま市七宝町の林庄五郎(はやししょうごろう)に技術が伝承され、尾張七宝としてこの地に広がっていった。1995年(平成7)に国の伝統的工芸品に指定された尾張七宝の魅力を国内外へ発信する拠点として、2004年(平成16)に開館したのがあま市七宝焼アートヴィレッジだ。施設は大きく「七宝焼ふれあい伝承館」と「ふれあい広場」の2つからなり、伝承館はさらに4つのゾーンに分かれている。七宝焼を買えるショップやロビーのある導入ゾーン、尾張七宝の名品や道具等を展示する作品展示ゾーン、製作工程を見学できる動態展示ゾーン、そして、気軽に七宝焼作りを体験できる七宝焼体験ゾーンだ。

作品展示ゾーンでは、古くから使われている道具とともに製作工程も解説} 作品展示ゾーンでは、古くから使われている道具とともに製作工程も解説

植線作業で使う糊(のり)を紫蘭から採取する七宝焼。来館者に花の色や形を知ってもらえるよう中庭で栽培} 植線作業で使う糊(のり)を紫蘭から採取する七宝焼。来館者に花の色や形を知ってもらえるよう中庭で栽培

職人の技を見学できるゾーンも

来館したら、まず作品展示ゾーンで七宝焼について学んでいこう。そもそも七宝とは金、銀、真珠など、仏教の経典にある7種類の宝のことで、それらをちりばめたように美しいものという意味で名付けられた。また、尾張七宝の特徴は、金属の素地の上に植線して釉薬を施した「有線七宝」であることなど、初めて七宝焼の魅力に触れる人でもわかりやすい解説掲示がなされている。ヨーロッパなどに輸出されていた明治30年代で最大級の作品「間取り花鳥文大花瓶(まどりかちょうもんおおかびん)」や、非常に細かな植線で現在では再現困難とされる「孔雀に牡丹文大皿(くじゃくにぼたんもんおおざら)」など、貴重な尾張七宝の作品には、その美しさに心を奪われることだろう。次に動態展示ゾーンで尾張七宝が仕上がっていく工程を見学。絵付や植線、施釉、焼成、研磨といった工房が並び、一人前になるのに10年はかかるといわれる七宝職人の匠の技を、日替わりで間近に見ることができる。

展示作品の中心的存在「間取り花鳥文大花瓶」は撮影可能、SNSにアップできる} 展示作品の中心的存在「間取り花鳥文大花瓶」は撮影可能、SNSにアップできる

職人が有線七宝の要となる植線作業を披露} 職人が有線七宝の要となる植線作業を披露

世界に1つだけの七宝焼を作ろう

あま市七宝焼アートヴィレッジが大切に考えているのが、来館者が七宝焼づくりを体験することで、その魅力を実感してもらうこと。七宝焼体験ゾーンでは「七宝焼体験教室」を毎日開催している。10名以上の団体でなければ当日受付すればOK。60分、90分といった時間で体験コースが分かれており、キーホルダーやペンダント、ブローチ、箸置きといった身近な小物を中心に作ることができる。作品は当日持ち帰ることができるのもうれしい。また、特別企画として毎月、季節に合った体験メニューも用意されている。たとえば9月ならハロウィンの七宝、11月ならクリスマスの七宝といったように、その季節を楽しめる七宝焼を先取りで手作りできる。世界にひとつしかない自分だけの七宝焼を手にすれば、尾張七宝という伝統工芸品への親しみをますます感じることができるはずだ。

ミュージアムショップでお土産を

館内にはミュージアムショップがあり、お土産選びに忘れずに立ち寄りたい。展示品の図録やポストカード、クリアファイルといったオリジナルグッズのほか、さまざまな種類の七宝焼を購入することができる。小皿やスプーン、フォークなど食卓で使うものから、ブローチやループタイなどファッションの小物まで多種多彩だ。価格も幅があるので予算にあわせて気に入ったものを選ぶことができる。最後に施設の南西側にある「ふれあい広場」に出て、散策を楽しむのもいいだろう。広い芝生でくつろぎながら、この地で代々技術を伝承してきた職人たちに思いを馳せてみたい。このあま市七宝焼アートヴィレッジをはじめ、愛知県にはモノづくりに直結した観光地、いわゆる産業観光ができるスポットが数多くある。名古屋駅方面に戻るのなら、西区にある「トヨタ産業技術記念館」は駐車場もあり便利だ。トヨタ自動車の源流となるモノづくりの世界に触れることができる。

「七宝焼ふれあい伝承館」の隣には、広い芝生の美しい「ふれあい広場」がある} 「七宝焼ふれあい伝承館」の隣には、広い芝生の美しい「ふれあい広場」がある

ショップでは実用品から装飾品まで、多彩な用途の七宝焼を販売} ショップでは実用品から装飾品まで、多彩な用途の七宝焼を販売

スポット詳細

住所
愛知県あま市七宝町遠島十三割2000 map map 地図
電話番号
0524437588
時間
[展示室]9:00-17:00
[体験工房]10:00-15:30
[ショップ]9:30-16:00
休業日
月(祝日の場合は開館)、祝の翌平日、年末年始
料金
【入館料】
[大人(高校生以上)]310円
[小・中学生]100円
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • あま市散策にて
    3.0 投稿日 : 2023.04.26
    名鉄木田駅を降りて、そこから暫く歩き寄りました。『陶磁胎七宝焼の世界』という企画展が開催されていて様々な七宝焼が解説とともに展示していて七宝焼のことを知ることができ良かったです◯
  • 天皇皇后両陛下も来られた
    4.0 投稿日 : 2020.03.16
    2019年に即位された天皇皇后両陛下が来られた七宝焼のミュージアム。正直できたときは全然魅力的ではなくまた税金でこんな大箱を作って…と思いましたが、大人になって来ると入場料の割に(数百円?百数十円?)楽しめました。といってもそこまで広くないです。キーホルダーや手鏡作りなど、七宝焼の体験もあります。あと、謎に広い芝生があり、時々イベントが催されることもあるようです。
  • 会社の集まりで
    3.0 投稿日 : 2020.03.12
    会社の前の部署の集まりで利用した。七宝焼体験ができ、ブローチなどのアクセサリーからバッチ、スプーンやフォークなどの食器、マグカップ、お家の表札などたくさんの種類がある(ものにより体験料は異なる)先生なのか、地域の方なのかよくわからないが、優しく教えてくれ、お子さんがいるご家庭には喜ばれた。

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アクセス

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最寄り

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