明野のひまわり畑

広い「ひまわり畑」が明野の町を一躍有名にした

なだらかな丘を埋める圧倒的な数のヒマワリ

山梨県北杜市の明野町は、「日本百名山」の著者である深田久弥の終焉の地として知られる名峰、茅ヶ岳のふもとに広がる。牧歌的な雰囲気も感じられるこの町を一躍有名にしたのが「ひまわり畑」。その数およそ30万本ともいわれる圧倒的な数のヒマワリの花が、なだらかに連なる丘を埋め尽くす。毎年、花の最盛期には明野町で「サンフラワーフェス」と呼ばれるイベントが開催され、期間中は明野のメイン会場に売店やキッチンカーも登場する盛り上がりを見せる。この明野町へのアクセスは、鉄道利用ならばJR中央本線を韮崎駅で下車しバスでおよそ25分。車利用であれば、中央自動車道の韮崎ICか、須玉ICからおよそ15分の距離となる。フェスティバルはおおむね学校の夏休みの時期に開催されているが、年によって変更もあるので、旅に出る前に最新情報を確認したい。

明野の丘を埋めるヒマワリの花。開花時期がずらされているのが大きな特徴だ

夏の代名詞ともなったヒマワリたち

日本を代表する山々を眺めることのできる明野

夏という季節の代名詞となっているヒマワリだが、花をつけている期間は意外と短く、開花から1週間ほどで枯れてしまうものもあるという。そこで明野では畑ごとに開花時期をずらす工夫がなされており、7月末から8月のお盆過ぎの時期であれば、どこかの畑で花が満開となっている様子を見ることができる。明野の「ひまわり畑」の大きな魅力は、畑の向こうに茅ヶ岳、八ヶ岳、南アルプス、さらには北アルプスや、富士山までを見渡すことができること。この抜群のロケーションが、この地域の大きな魅力となっている。

「ひまわり畑」のなかにも道が拓かれている

「ひまわり畑」の向こうに日本を代表する山々が見える

畑の周囲にレストラン、カフェも並んでいる

例年の「サンフラワーフェス」では、明野町浅尾の「メイン会場」に隣接して、「浅尾新田会場」「農村公園会場」も開設され、それぞれに趣向を凝らしてフェスティバルが盛り上げられる。会場はそれぞれ近い距離にあるので、高原の開放感を味わいながらのんびりと歩いていきたい。「ひまわり畑」に隣接して、さまざまな畑が広がっているので、友人、家族と一緒にアクティビティを体験しよう。畑の周辺にはレストラン、カフェ、蕎麦屋、野菜と果物の直売所などがあり、ここで一日をゆっくりと過ごすこともできる。ただヒマワリを眺めるだけでなく、さまざまな楽しみを見つけることができるのが、明野の大きな魅力となっている。

明野中学校で現在も観測されているデータから日照時間日本一というデータが算出された

フェスティバル開催時にはさまざまな仕掛けも登場する

よくばらないプランニングでこの地の魅力を味わおう

明野は駅からはやや離れた場所にあるだけに、アクセスにはやはり車が便利だが、高速道路を降りたあとは、広くはない道をゆっくりとたどることになるので、一度に多くの場所を回るよくばったプランを立てるよりも、この地域をじっくり回るスタイルで旅をしたい。東京からも近いので、鉄道利用でも車利用でも余裕をもっての日帰りが可能だから、回りきれないスポットがあったなら、もう一度出直してみるのもよい。もしも違う季節の再訪ならば、新たな発見をすることもできるだろう。夏にヒマワリを愛で、秋に収穫を楽しむ。そんな旅のスタイルもおもしろい。鉄道利用であれば、甲府、大月などで途中下車をして人気のスポットに立ち寄るか、少し足を延ばして下諏訪、上諏訪などに宿を取る1泊旅行を仕立てるのも楽しそうだ。

空が澄んだ日には富士山も姿を現す