扇沢駅前

その他の乗り物

山岳観光ルートの玄関口。元祖ダムカレーに奇跡のトロリーバスも

全国屈指の人気を誇る山岳観光スポット「立山黒部アルペンルート」。その長野県側の拠点である扇沢駅では、元祖ダムカレーを味わうことができる。「奇跡のトロリーバス」が展示された記念館もお見逃しなく。

扇沢駅(または立山駅)に車を置いてアルペンルートを片道利用し、到着駅まで車を回送してもらうサービスもある} 扇沢駅(または立山駅)に車を置いてアルペンルートを片道利用し、到着駅まで車を回送してもらうサービスもある

日本を代表するダムへのゲートウェイ

立山黒部アルペンルートは、3000ⅿ級の北アルプスを横断するダイナミックな観光ルート。それぞれ特徴ある6種類の乗り物を乗り継いで、長野県大町市と富山県立山町を結ぶ。4月中旬~11月のシーズン中は国内外からの観光客で大賑わいだ。長野側の玄関口である扇沢駅は、JR大糸線の信濃大町駅からバスで40分。ここから関電トンネルを走る電気バスに乗れば、16分で日本最大級の黒部ダムと黒部湖に到着。展望台や遊覧船から雄大な景色を満喫できる。アルペンルートはさらに地下ケーブルカー、ロープウェイ、立山トンネルトロリーバス、高原バス、ケーブルカーに乗り換えて立山駅へ。途中、室堂(むろどう)で特別天然記念物のライチョウや火山ガスを噴き上げる地獄谷を見ながら散策、春には高さ20ⅿにも及ぶ雪の壁「雪の大谷」、日本一の落差を誇る称名滝(しょうみょうだき)など、丸一日かけても忙しいほど見どころ満載だ。

駅舎は3階建てで、1階に切符売り場、2階に改札口と売店とレストラン、3階にホームと展望台が設置されている} 駅舎は3階建てで、1階に切符売り場、2階に改札口と売店とレストラン、3階にホームと展望台が設置されている

標高2450ⅿの室堂の様子。左上から時計回りにライチョウ、剣岳、雪の大谷(以上4月下旬)、立山とみくりが池(10月中旬)} 標高2450ⅿの室堂の様子。左上から時計回りにライチョウ、剣岳、雪の大谷(以上4月下旬)、立山とみくりが池(10月中旬)

近付くことさえ困難な奥地での世紀の大事業

扇沢駅と黒部ダムの間の関電トンネルは、ダム建設の資材運搬に使われた長さ5.4km、最大斜度13度のトンネル。途中に長野と富山の県境がある。秘境中の秘境といわれた黒部峡谷にダムと発電所を建設するプロジェクトは、のべ1000万人の労働と約7年の歳月をかけ、殉職者171名を出して1958年(昭和33)に関電トンネルが開通。5年後にダムが完成した。その工事の過酷さは三船敏郎・石原裕次郎主演の映画『黒部の太陽』でも有名。破砕帯からは毎分40tもの地下水と土砂が噴き出し、80ⅿを突破するのに7か月かかったという。ダム完成後、関電トンネルにはトロリーバス(現在は電気バス)が運行し、黒部ダムは、下流にある黒部川第四発電所を指す「くろよん」の愛称で親しまれている。

左は黒部湖と針ノ木岳(標高2821ⅿ)。右は6月下旬~10月中旬に行われる黒部ダムの観光放水} 左は黒部湖と針ノ木岳(標高2821ⅿ)。右は6月下旬~10月中旬に行われる黒部ダムの観光放水

ダムカレーの元祖、扇沢にあり

アルペンルートの工事中、破砕帯からの出水などで疲労困憊していた作業員たちが何よりも楽しみにしていたのが、宿舎である飯場(はんば)で出されたカレーライス。その味を今に受け継ぐメニューが扇沢駅2階奥の「扇沢レストハウス」にある。ダム完成後の1965年(昭和40)頃から提供されている「アーチダムカレー」(1000円)だ。アーチ型のご飯をダムに、中辛のカレーを湖に見立てたもので、全国各地のダム周辺にあるダムカレーの元祖といわれている。大町市内のレストランでも提供されていて、各店で味と個性を競っているが、まずはこの元祖を味わってみたい。バリエーションもあり、ほうれん草入りの辛口カレーに、遊覧船に見立てたヒレカツが載った「黒部ダムカレー」(1300円)も人気。

ダムカレーの元祖「アーチダムカレー」(1000円)と「しゅわしゅわハサイダーフロート」 (570円)} ダムカレーの元祖「アーチダムカレー」(1000円)と「しゅわしゅわハサイダーフロート」 (570円)

売店で購入できるレトルトの黒部ダムカレー(540円)、ダムカレーのライス型(1540円)、破砕帯から出た地下水で作ったサイダー「ハサイダー」(250円)} 売店で購入できるレトルトの黒部ダムカレー(540円)、ダムカレーのライス型(1540円)、破砕帯から出た地下水で作ったサイダー「ハサイダー」(250円)

ファンの熱意で救われた奇跡のトロリーバス

扇沢駅前には「扇沢総合案内センター」があり、併設の「トロバス記念館」が人気だ。現在、扇沢駅と黒部ダムの間を走る電気バスは、かつてはトロリーバス(トロバス)だった。トロバスは、見た目はバスだが法律上は鉄道の一種。架線から電力を得て走る「レールのない電車」だ。54年間、無事故で活躍し、2018年(平成30)に引退。15台のトロバスは解体のため富山の工場に運ばれた。せめて1台だけでも保存すべく、大町市の要望で4か月間保管してもらったが、結局は費用面などから保存を断念した。ところがその3か月後、トロバスは生き残っていた。熱心なファンの1人が「後世に残すべき珍しい車両なので解体を待って」と工場に頼み込み、保存先を探していたのだ。これを知った大町市はクラウドファンディングに挑戦。すると開始からわずか3日で目標額を達成し、最終的に約647万円が集まった。こうしてトロバスは2年ぶりに扇沢へ戻ることができた。

記念館に大切に保存されている奇跡のトロバス。車体側面の4本の黒線は「くろよん」を表している} 記念館に大切に保存されている奇跡のトロバス。車体側面の4本の黒線は「くろよん」を表している

館内にはトンネルのジオラマ、トロバスのハンドル、制御装置などがあり、制服を着て写真を撮ることもできる} 館内にはトンネルのジオラマ、トロバスのハンドル、制御装置などがあり、制服を着て写真を撮ることもできる

スポット詳細

住所
長野県大町市平2117 map map 地図
電話番号
02610220804
時間
時期により変動あり(始発バスの30分前が目安)

アルペンルートの時刻表
https://www.kurobe-dam.com/access/timetable.html
休業日
12/1-翌年4/14
料金
【扇沢駅-黒部ダム駅の電気バス乗車料金(往復)】
[大人]3,200円
[小人(6歳-小学生)]1,600円

【扇沢駅-黒部ダム駅の電気バス乗車料金(片道)】
[大人]1,800円
[小人(6歳-小学生)]900円

【扇沢-立山のアルペンルート(片道)】
[大人]10,940円
[小人(6歳-小学生)]5480円
駐車場
あり
[有料]350台
[無料]230台

※有料駐車場については、キャンピングカー、ワゴン車等の車両寸法が幅2.1m×長さ5m×高さ2.6mを超える車両は駐車することができませんので、無料駐車場をご利用ください。
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
不可
備考
[お問い合わせ先]くろよん総合予約センター

情報提供: ナビタイムジャパン

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最寄り

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