乙女滝
途切れることなく流れ落ちる乙女滝は、横谷渓谷の玄関口
飢饉によって整備された人工の滝
乙女滝は、乙女という名前とは裏腹に勢いよく水が流れ落ち、心をスッと軽くしてくれる。滝の落差はおよそ15m。静かな森のなかにある天然の滝に見えるが、実は天明の大飢饉(1782-1788年)によって整備され、1792年(寛政5)に完成した農業用水路「大河原堰(おおかわらぜき)」の一部。比較的水量が豊富とされた複数の河川を用水路でつなぎ、それぞれから水を補給しながら地域に導く。当時は特に先進的な水利システムとして注目され、現在では「世界かんがい施設遺産」に登録されている。
本格派もお手軽派も楽しめるスポット
中央自動車道の諏訪南が最寄りのIC。八ヶ岳ズームラインからエコーライン、メルヘン街道を抜けて、蓼科中央高原・横谷峡に入る。ビーナスラインを走っているならば、蓼科湖から10分ほどで到着。メルヘン街道沿いにある大きな「横山峡」の看板を曲がるとすぐに「横谷峡入口駐車場」が目に入る。車を停めて、そのまま遊歩道を登ること5分。滝への入り口に到着。ドライブ途中に軽く散策するも良し、湖付近に宿泊した翌日にしっかりトレッキングするも良し、多様なニーズに応えてくれるのがこの一帯のうれしいところだ。
いつの季節も美しい横谷渓谷
乙女滝を含む一帯は「横谷渓谷」と呼ばれ、全長は5kmのトレッキングコースがある。乙女滝までは特に装備は必要ないが、さらにトレッキングをする場合は歩きやすい靴と上着などがあると安心だ。乙女滝に始まり、霧降の滝、王滝、おしどり隠しの滝と、4つの滝を巡ることができるほか、鷲岩や屏風岩など景勝スポットが多いのも魅力。乙女滝から横谷観音展望台までは往復およそ2時間半。展望台の直前は急坂があるが、それ以外にアップダウンは少なく、鳥の声や水の音に癒やされながら進むことができる。冬には氷瀑が出現し、四季を通じて楽しめる。また、乙女滝に続く階段の近くには、日帰り入浴できる「横谷温泉」があるので、合わせて満喫したい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン