市之倉さかづき美術館
緑豊かな山々に囲まれた市之倉で、小さなさかづきから美濃焼を知る
窯元が集まる山あいの町「市之倉」
岐阜県多治見市の南に位置する市之倉は、1000年以上も前、平安からやきものを作り続けてきた美濃焼の町だ。かつては山の斜面を活かした生かした穴窯で山茶碗などが焼かれていたそう。しかし広大な美濃焼の産地において産品の棲み分けが行われた際、山あいの小さな集落だった市之倉は、盃や煎茶碗、箸置きなどの小品の産地になった。美術館には、明治期の市之倉産の薄く精緻な盃が約1500点並んでいる。現在の市之倉には、旅行者にすすめるミシュラングリーンガイドで2つ星を認定された「幸兵衞窯(こうべえがま)」や伝統工芸品の染付和食器を作る「幸輔窯(こうすけがま)」など、50軒余りの窯元が点在する。多くの陶芸作家が日々制作に打ち込んでいる静かな陶芸の里として知られている。また、毎年4月には「陶の里フェスティバルin市之倉」、10月には「イチノクラフト市」などの陶器市も開催され、陶芸ファンで賑わう。
ミュージアムショップで作家作品と出合う
美術館内のギャラリー「宙(ちゅう)」では、年10回ほど、陶芸をはじめ木工や金工、硝子などさまざまなジャンルの作家の作品展を開催している。展覧会に興味のある人は、ホームページでスケジュールをチェックして訪れてみては。また、広いミュージアムショップには、100以上の棚に窯元の商品や若手クラフト作家の作品が所せましと並ぶ。たくさんの商品のなかから、お気に入りの作家を見つけてみてはいかがだろうか。加えて、ショップの一角では地酒の販売も。お気に入りの酒器で味わう酒は格別に違いない。盃は色や柄、形もさまざま。形によって飲む酒の味わいにも違いが出るという。ラッパ型の盃は香り強く感じられ、またすっきりと喉の奥に入っていくストレート型、香りを封じ濃厚さを感じることができるツボミ型など、器と酒の相性を考えながら選ぶのも楽しい。
作陶体験や文化講座などで美術館を楽しむ
美術館に隣接する「幸兵衛窯 作陶館」では、人間国宝 加藤卓男(かとうたくお)を輩出した窯元「幸兵衞窯」で使用している土と釉薬を使った作陶体験ができる。電動ろくろを使って土と格闘する「ろくろコース」、ゆっくり自由な形に積み上げる「手びねりコース」、すでに形ができているものに絵を描く「下絵付けコース」、小さなお子様でも楽しめる「モザイクタイルコース」など、さまざまな陶芸体験が用意されている。体験した作品は、後日スタッフが仕上げてくれるので安心だ。美術館を訪れた記念に体験してみるのもいいだろう。体験した後は、器を見る目も変わってくるに違いない。そのほか、割れた陶器を直す「金継ぎ(きんつぎ)教室」や大切な茶碗や道具を包むための袋を作る「仕覆(しふく)教室」など、定期的に通う文化講座も開催されているので、ぜひ挑戦してみては。
石窯で焼いたパリパリのピッツァを味わう
芸術鑑賞や体験をしたあとは、レンガを積み上げた石窯で焼いた本格ピッツァがおすすめ。敷地内にある「石窯ピッツァ moon(ムーン)」では、温かい雰囲気の店内でピッツァやパスタなどのイタリア料理を味わえる。食材にもこだわっており、自家栽培で採れた無農薬のハーブや地元の野菜といった新鮮で身体にやさしいものを使用している。店でいちばんの人気は、手づくりのピザ生地の上にフレッシュトマトとバジル、もちもち食感のモッツァレラチーズがのった「マルゲリータ」。このほかに、イカ墨やゴボウのオリジナルピッツァなども楽しめる。石窯と薪でじっくり焼き上げるため、香ばしくパリッとした仕上がりに。ディナーの営業は、土・日曜、祝日のみとなっているため注意しよう。
スポット詳細
- 住所
- 岐阜県多治見市市之倉町6-30-1 地図
- エリア
- 東農エリア
- 電話番号
- 0572245911
- 時間
- 10:00-17:00(展示室への入場は16:30まで)
- 休業日
- 火(祝の場合振替あり)、年末年始
- 料金
- [入館料(美術館のみ)]一般400円、高大生200円、中学生以下無料
- 駐車場
- あり(78台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(PayPay、LINE Pay、メルPAY、d払い)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可(外部広場にて可)
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-120分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 小さな芸術作品
- 岐阜県多治見市の南端、市之倉は盃の一大産地。市之倉さかづき美術館では、地元産を中心に、江戸末期から昭和の盃を、展示している。岐阜と愛知の県境にある、市之倉地区。陶器の町として1000年以上の歴史を持つ、山間の小さな集落だ。長閑な集落ではあるが、特に昔は、交通の便が悪いのが難点。そこで、運びやすい盃や煎茶器の産地となったそう。1804年に、磁器を焼くことが許可されると、従来の本業焼だけ...
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- さかづきに特化した美術館
- 明治の頃には全国の盃生産の大半を占めていたという市之倉地区にある美術館です。光を透すものや繊細な図柄のものなどさまざま展示されており興味深かったです。特別展示で世良公則さんの作った器なども見ることができました。またショップではセンスの良い器が並んでいてこちらもみるだけでも楽しめました。
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- クラシックカーフェスティバル・PART-2
- クラシックカーフェスティバル・PART-2で偶然お邪魔するこになりました。趣のある建物が多く、隣接する焼き物の工房もよかったです。
TripAdvisorクチコミ評価
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