人道の港 敦賀ムゼウム
迫害を逃れた人々の史実から、命と平和の尊さを知る
敦賀港に面した洋館のファサード(正面デザイン)は、「中に入ってみたい」と思わせる雰囲気
「東洋の波止場」と呼ばれた当時の建物群を再現
敦賀ムゼウムは、敦賀赤レンガ倉庫から徒歩3分の距離にあり、道路と緑地を挟んで敦賀港岸壁に面している。洋館を模した建物正面はかなり特徴的。よく見ると4つの意匠に分かれている。大正から昭和初期にあった次の建物の外観を当時の位置で再現してあり、景観の質を引き上げている。左から、(1)旅客の入出国を管理した「税関旅具検査所」、(2)欧亜国際連絡列車が運行した「敦賀港駅」、(3)商船代理店の「大和田回漕部」、(4)敦賀-ウラジオストク間の定期航路を運航した「旧露国義勇艦隊事務所」。「東洋の波止場」とも呼ばれた当時の雰囲気が伝わってくる。一方、中はひと続きになっており、敦賀港がたどった運命を物語る資料館となっている。
常設展示の導入部分となるシアター。約7分30秒にわたる「人道の港敦賀港」にまつわるエピソード映像を200インチの大型スクリーンで上映
大正期にシベリアから763人のポーランド孤児が敦賀へ
海外との航路が開いていたことで、特に大正から昭和の敦賀港の歴史は国際的な政治の動きと無関係ではいられなかった。敦賀ムゼウムでは「シアター」「大陸への玄関 敦賀港」「ポーランド孤児」「ユダヤ難民」の4つの展示スペースを設け、敦賀港がなぜ「人道の港」と形容されるのかが理解できるようになっている。「ポーランド孤児」のコーナーでは、1917年(大正6)のロシア革命を契機に起きた内戦でシベリアに在住していたポーランド人の多くが戦場にかり出され、残された子どもたちが孤児となった経緯を説明。日本赤十字社が孤児救済に取り組み、敦賀港には1920年(大正9)から1922年(大正11)にわたって計763人の孤児が上陸したことを紹介している。
「ポーランド孤児」の展示コーナー。アニメーションによるわかりやすい映像解説もある
「命のビザ」を手に多くのユダヤ難民が迫害から逃れた
「ユダヤ難民」のコーナーでは、2015(平成27)公開の映画『杉原千畝 スギハラチウネ』をきっかけに日本でもその名がよく知られるようになった杉原千畝の決断と、彼の2139通に及ぶ日本通過ビザ(入国許可証)発給によって救われたユダヤ人たちの苦難の逃避行およびその経由地である敦賀がどう関わっていたかを詳細に展示している。1940年(昭和15)7月、ナチスの迫害を恐れ、ポーランドからリトアニアに逃げ込んでいたユダヤ難民がリトアニアの在カナウス領事館に日本通過ビザを求めて殺到した。領事代理だった杉原は苦悩の末、国からの訓令に背いてビザを発給。ソ連のシベリア鉄道を経由してウラジオストクから船で難民は敦賀港に到着し、当時の敦賀市民が援助の手を差し伸べたという。
「ユダヤ難民」のコーナー。ユダヤ難民の苦難や、杉原千畝の決断をさまざまな資料の展示よって紹介
杉原千畝が発給した「命のビザ」のレプリカとデジタル資料。写真左に見えるのは杉原が発給した日本通過ビザのリスト
杉原の功績によって救われた命が世界で枝葉を伸ばす
杉原は戦後、ヨーロッパからの帰国と同時に外務省から職を解かれたものの、その人道的功績はのちに世界から称賛されることになった。敦賀ムゼウムの2階には「交流コーナー」があり、ポーランド孤児や杉原のビザ発給によって敦賀に上陸できた人々のその後の生活をはじめ、再び敦賀の地を訪れた本人やその家族、子孫、関係国との交流を映像などで紹介している。
スポット詳細
- 住所
-
福井県敦賀市金ケ崎町23-1
地図
- エリア
- 敦賀・三方五湖エリア
- 電話番号
- 0770371035
- 時間
- 9:00-17:00(最終入館16:30)
- 休業日
- 水(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 料金
- [入場料]大人500円、小学生以下300円
- 駐車場
-
あり(128台)
※大型バス5台 - クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、銀聯)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY、その他)
- Wi-Fi
- あり(DoSpot)
- コンセント口
- あり(8口)
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 60-120分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 二年前にリニューアルオープン
- 二年前に、木造の建物からこちらに引っ越し。レンガ造りの建物となって、リニューアルオープンしました。入館料は500円、それ以上の価値は十分あります。館内は撮影禁止ですので要注意。杉原千畝氏の生い立ちから外交官、ビザ発給に至るまで、詳しい資料と映像で工夫された展示紹介になっています。二階はホロコーストの子供たちという企画展(3月15日〜5月31日)になっていました。
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- リニューアル
- 11月3日リニューアルオープンの日に訪問しました。ちょうど記念式典やってました。オープンの直後だったので、15分くらい並んで入りました。ポーランド孤児の話と杉原千畝の命のビザの話がわかりやすく、資料を見ながら知ることができます。最初に全体の映像を見て、それから個別の展示を見る流れです。映像のナレーションは、地元出身の大和田伸也さんです。(記念式典にもいました。)杉原千畝さんは、日本人と...
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- 現在は休館中です。11月3日にリニューアルオープンの予定です。
- ここはポーランド孤児の受け入れや、杉原千畝の命のビザなど、敦賀港の人道の港としての歴史を資料等で紹介した資料館です。現在は多分、休館中となっているはずです。私たちが訪れたのが8月下旬、当月末で一旦、休館して11月3日に移転リニューアルオープンするとの掲示がなされていました。紀伊半島のトルコとか、こことか、大戦中にも互いの思いやりを今に伝える施設や資料があちこちに現存しているのに何故、隣国との間には...
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