大湯環状列石(大湯ストーンサークル)
日本を代表する大規模なストーンサークル
縄文人の精神文化を表す貴重な遺跡
2021年(令和3)7月27日に世界遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつ。大湯環状列石は1931年(昭和6)に発見され、同時に地元の人々により遺跡の調査と保存活動が始まった。1984年(昭和59)から2008年(平成20)までの発掘調査では、環状列石の外側に掘立柱建物跡などが環状に配置されていることがわかった。環状列石のそれぞれの配石の下には墓と思われる穴があり、大規模な共同墓地と考えられている。使用されている緑色の石は8500個以上にも及び、約3-4km離れた大湯川から運び込まれたことがわかっている。
祈りや祭りの場所として作られた環状列石
2つの環状列石は川原石をさまざまに組み合わせた配石遺構を二重の環状に配置した構造となっている。野中堂環状列石は44m、万座環状列石は52mで、それぞれ中心の石と「日時計状組石」と呼ばれる特殊な形状の組石が一直線に並ぶ位置関係にある。日時計状組石は中心から見て北西側にあり、2つの環状列石の中心と一直線に並んでいる。この方向は、夏至の日没の方向を指しており、季節による日の出・日の入りの方向を意識して環状列石の配置を決めていたと思われる。
縄文の森に囲まれた遺跡を散策
2つの環状列石を見てまわる場合、一周徒歩約30分。遺跡の周りには縄文人が食していたと考えられる栗やドングリなど、当時の森の姿を再現した植樹が行われ「縄文の森」として遺跡散策をより楽しめるようになっている。広々とした遺跡を囲む緑と吹き抜ける風が心地良く、ゆったりとした気持ちで散策できる。約4000年前にこの地で暮らしていた人々は、家族や親類がともに祈りを捧げその絆を強めるために、何世代にもわたり長い時間をかけてこの環状列石を共同で作っていったのかと想像がふくらむひとときとなるだろう。隣接する大湯ストーンサークル館ではボランティアガイドを行なっている(要予約)。
大湯といえば温泉。近隣には十和田湖も
大湯環状列石があるエリアは開湯800年もの歴史をもつ大湯温泉があり、近隣には温泉旅館や日帰り温泉が数多く点在する。2018年(平成30)にオープンした「道の駅おおゆ」では無料で足湯に浸かることもできるほかに、地元の特産品の並ぶ産直でのショッピングやダイニングでのご当地グルメを堪能できる。十和田湖へは車で約30分と近く、観光の際に足を延ばすにも最適なルートだ。また、同じく秋田県内で世界文化遺産に登録された「伊勢堂岱遺跡(いせどうたいいせき)」へは車なら約1時間で行けるので、縄文遺跡を巡るのもおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
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秋田県鹿角市十和田大湯字万座45
地図
- エリア
- 十和田八幡平・白神エリア
- 電話番号
- 0186373822
- 時間
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【大湯ストーンサークル館】
[4-10月]9:00-18:00
[11-3月]9:00-16:00 - 休業日
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【大湯ストーンサークル館】
[11-3月]月(祝の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/3) - 料金
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[見学料]無料
[大湯ストーンサークル館入館料]大人320円(250円)、子供110円(90円)
※()内は20名以上の団体割引 - 駐車場
- あり(50台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 備考
- ※電話番号は大湯ストーンサークル館につながります。
情報提供: ナビタイムジャパン