橋野鉄鉱山(史跡 橋野高炉跡)
日本に現存する最古の高炉跡かつ明治日本の産業革命遺産
日本の近代化における貴重な産業遺産
2015年(平成27)、幕末から明治期にかけて急速に発展した日本の重工業の産業遺産群として、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録された。その構成資産のひとつが、岩手県釜石市にある「橋野鉄鉱山」。水戸藩の大砲用の銑鉄(せんてつ:鉄鉱石を還元して取り出した鉄)供給のために建設された洋式高炉だ。これにより良質な銑鉄の大量生産が可能となった。西洋との技術格差が顕著だった当時、その格差を埋めることが見込めた洋式高炉の技術確立は、大変な偉業であったとされている。採掘場跡や運搬路跡は非公開だが、高炉場跡の石組みと周辺の遺構が見学できる。近くには「橋野鉄鉱山インフォメーションセンター」があり、映像やパネルでの紹介、常駐ガイドの受付、AR・VR用タブレットや音声ガイドペンの貸し出しに対応してくれる。
まずはインフォメーションセンターで予習していくと見学も楽しくなる
音声ガイダンスペンやタブレットを貸りて見学するとわかりやすい
画像を見ながら現地を見学
橋野鉄鉱山では、おもに一番高炉から三番高炉までの3つの石組みが遺されている。実際に目にすることができるのは高炉というより、約2.5mの高さに積まれた花崗岩による石柱の遺構だ。かつてはそこに耐火レンガが7mほどの高さまで積まれ、それを花崗岩が囲っていた。周囲には長屋や窯などが点在していたらしいが、今ではその様子をうかがい知ることはできない。ところがそれを見られるようにしたのがAR技術。指定のARアプリをスマートフォンにダウンロードし、チェックポイントでスマホをかざすと、当時の建物や建物内部の映像が再現される。当時の様子がよりイメージしやすくなるので、利用してみよう。
ARアプリをダウンロードすれば、当時の高炉の様子をデジタル再現できる
橋野鉄鉱山とセットで見ておきたいスポット
釜石市が「鉄の町」として成長した背景には、橋野鉄鉱山の偉業があったからこそ。そんな釜石と橋野鉄鉱山の「鉄の歴史」を詳しく知りたいなら、JR釜石駅から車で10分ほどのところにある「釜石市立鉄の歴史館」にも足を延ばしてみよう。インフォメーションセンターでも「橋野鉄鉱山と鉄の歴史館、どちらも見れば、よりわかっていただけますよ」と訪館を勧められる。釜石市立鉄の歴史館は、橋野鉄鉱山の三番高炉を原寸大に再現した模型を活かした、釜石の鉄づくりの歩みを映像で紹介する総合演出シアター、橋野鉄鉱山の操業当時のジオラマ模型などがあり、橋野鉄鉱山のことをより深く知ることができる。両方見学したあとは、日本の産業技術革命について詳しくなっているかも。
スポット詳細
- 住所
- 岩手県釜石市橋野町第2地割15
- エリア
- 三陸海岸エリア
- 電話番号
- 0193545250
- 休業日
-
積雪のため、冬季は見学困難
[橋野鉄鉱山インフォメーションセンター]12/9-3-31 - 料金
- [入場料]無料
- 駐車場
- あり(普通車86台、大型車9台)
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(橋野鉄鉱山インフォメーションセンターのみ)
- 乳幼児の入店
- 可(橋野鉄鉱山インフォメーションセンターのみ)
- 備考
- ※電話番号は橋野鉄鉱山インフォメーションセンターへ繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン