智恵子の生家・智恵子記念館

記念館

ふるさとでしのぶ、愛と芸術に生きた人の精神世界

故郷の安達太良山を愛し、芸術を愛し、詩人で彫刻家の高村光太郎を愛した智恵子。幼い頃を過ごし人生に強い影響を与えた生家を訪れ、希有な感性とピュアな心で人生を駆け抜けた智恵子の世界をのぞいてみたい。

智恵子の紙絵作品は1000点を超える。ふだんはレプリカが展示されているが、貴重な実物が特別公開されることもある 智恵子の紙絵作品は1000点を超える。ふだんはレプリカが展示されているが、貴重な実物が特別公開されることもある

子ども時代を過ごした造り酒屋

菊人形で知られる二本松市は画家・高村智恵子の故郷。詩人で彫刻家の高村光太郎の妻で、その死の3年後に光太郎が刊行した詩集『智恵子抄』でも広く知られている。智恵子は大きな造り酒屋で1886年(明治19)に生まれた。18歳で上京して日本女子大学校へ。ここで油絵に興味をもち、卒業後は洋画家を目指す。智恵子は光太郎との生活を始めたあとも、持病の肋膜炎の療養のため1年のうち3、4か月は実家で過ごしていたという。生家には智恵子が使った琴やはた織機が展示されている。しかし父の死後に商売が傾き、智恵子44歳のときに破産。一家は離散し、智恵子は帰る実家を失った。統合失調症の兆候が現れたのはその2年後のことだ。

智恵子の生家は1883年(明治16)頃に祖父が建てたもの。清酒『花霞』の醸造をしており、屋号は「米屋」だった 智恵子の生家は1883年(明治16)頃に祖父が建てたもの。清酒『花霞』の醸造をしており、屋号は「米屋」だった

部屋数も多い大きな屋敷。ふだんは中へ入れないが、2階にある智恵子の部屋などが特別公開されることもある 部屋数も多い大きな屋敷。ふだんは中へ入れないが、2階にある智恵子の部屋などが特別公開されることもある

「人間であることをやめた智恵子」の作品群

記念館ではまず智恵子が情熱を注いだ油絵に注目したい。婦人解放運動で知られる青鞜社の機関誌「青鞜」創刊号の表紙もある。これは26歳のときに描いた版画調の絵で、ウィーン分離派の絵画を模倣したものだ。智恵子は46歳で精神を病み、やがて病室で紙絵(切紙細工)に没頭するようになる。展示室に並ぶ作品には「人間商売さらりとやめて、もう天然の向うへ行つてしまつた」智恵子の比類なき感性が存分に発揮されている。自身が壊れて行く恐怖を抱えつつも、気高いほどの純真さから生まれた至高の造形だ。1938年(昭和13)10月、光太郎の手から取ったレモンを「がりりと噛んだ」智恵子は53歳の生涯を閉じた。

酒蔵をイメージした記念館は生家の裏庭に建てられている 酒蔵をイメージした記念館は生家の裏庭に建てられている

智恵子が情熱を注いだ油絵は必見。左の光太郎作『みちのく裸婦群像』は十和田湖畔に立つ『乙女の像』の習作 智恵子が情熱を注いだ油絵は必見。左の光太郎作『みちのく裸婦群像』は十和田湖畔に立つ『乙女の像』の習作

安達太良山と阿武隈川を眺められる丘

記念館を観たあとは、ぜひ「智恵子の杜公園」へ行ってみよう。ここは光太郎と智恵子が愛を育んだ場所だ。稲荷八幡神社には智恵子直筆の碑があり、そこから「愛の小径」を進むと「彫刻の丘」、さらに登った鞍石山には「樹下の二人詩碑」「ほんとの空展望台」がある。天気が良ければ、山頂の「乳首」が特徴的な安達太良山と阿武隈川が眺められるだろう。記念館から展望台まで徒歩20分ほどだ。展望台へは車で行くこともできるが、やはり「このがらんと晴れ渡つた北国の木の香に満ちた空気」を感じながら、智恵子と光太郎が手を取り合って歩いた小径を登って「ほんとの空」を見に行きたい。
(取材協力:二本松市教育委員会)

「ほんとの空展望台」に続く智恵子純愛通り。西へ2.5km行った霞ヶ城公園の「智恵子抄碑」もお見逃しなく 「ほんとの空展望台」に続く智恵子純愛通り。西へ2.5km行った霞ヶ城公園の「智恵子抄碑」もお見逃しなく

スポット詳細

住所
福島県二本松市油井字漆原町36
電話番号
0243226151
時間
9:00-16:30(最終入館16:00)
休業日
水(祝の場合は翌日)、年末年始(12/28-1/3)
料金
[大人(高校生以上)]個人410円、団体360円
[子供(小中学生)]個人210円、団体150円
駐車場
あり(40台)
クレジットカード
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 智恵子の生家と資料館
    4.0 投稿日:2021.06.14
    生家を移動させることはかなり難しいと思うので、どないしようもないと思いますが、なんせ遠い…。智恵子抄をお芝居で観たことはあったのですが、本では読んだことがありません。高村光太郎の妻、智恵子の生家で資料館を見学していると智恵子の苦しさが伝わってきます。本を読んでいなくても高村光太郎の妻ということを知っていたら意外と楽しめると思います。
  • モダンな紙絵は必見!
    4.0 投稿日:2021.02.17
    二本松城跡を観光に行ったついでに立ち寄った。コロナ禍のウィークデーとあっていろい駐車場には一台の車もない。「智恵子は東京に空が無いという...
  • (智恵子生家) 和室が綺麗に保存されていました
    4.0 投稿日:2019.09.27
    智恵子は二本松出身で、夫は洋画家、彫刻家、詩人の高村光太郎です。智恵子の家は代々醸造業を営んでおりました。昭和初期に破綻する前は、かなりの豪商だったようです。部屋に上がることは出来ませんが,和室が綺麗に保存されていました。生家の北側には記念館もあり,平成2年から一般公開されています。記念館の内部は写真撮影NGです。

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