新宮熊野神社

神社

山伏の修験の場、長床と樹齢800年を超える大イチョウ

喜多方の郊外にある熊野信仰の古社。平安時代末期の貴重な遺構で、国の重要文化財に指定されている。壁のない吹きさらしの拝殿は長床と呼ばれ、柱が並ぶ様子は圧巻。秋には大イチョウが境内を黄金色に染める

直径45.4cmの円柱44本が等間隔に並んで長床を支えている。大勢の山伏がここで厳しい修行を積んだ 直径45.4cmの円柱44本が等間隔に並んで長床を支えている。大勢の山伏がここで厳しい修行を積んだ

神殿のような荘厳さが漂う長床

喜多方市の中心部から車で南へ走ること約10分。延々と広がる田んぼと山との境目に、ひっそりとたたずむ古い社がある。11世紀、現在の和歌山県にある熊野3社(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社。いずれも世界遺産)を崇める熊野信仰が広がり、喜多方でも3つの社が勧請された。そのひとつがここ新宮で、のちに本宮と那智社はここに遷座され、現在3社が祀られている。長床と呼ばれる拝殿は12.12ⅿ×27.72ⅿの茅葺き寄棟造りで、壁がないのが特徴。1611年(慶長16)の地震で倒壊し、3年後にひと回り小さく再建された。1971年(昭和46)から3年をかけて解体修理した際、詳細に調査され、建立当時の姿に復元された。

1055年(天喜3)に源頼義(みなもとのよりよし)が戦勝を祈願して勧請したのが由緒ともいわれる 1055年(天喜3)に源頼義(みなもとのよりよし)が戦勝を祈願して勧請したのが由緒ともいわれる

長床の奥に鎮座する本殿 長床の奥に鎮座する本殿

屋根の葺き替え、大イチョウの樹勢回復など地区の有志からなる「新宮地区重要文化財保存会」の尽力で維持されている 屋根の葺き替え、大イチョウの樹勢回復など地区の有志からなる「新宮地区重要文化財保存会」の尽力で維持されている

樹齢800年を超える大イチョウ

新宮熊野神社の御神木は、長床の前にそびえる大イチョウ。樹齢800年以上といわれていて、樹高約37ⅿ、幹回り約8ⅿもあり、全国でも最大級の巨木だ。秋の黄葉はすばらしく、辺り一面がイチョウのじゅうたんで敷き詰められ、長床の茅葺き屋根まで黄金色に染まる。この時期になると遠くからも見学客が訪れて、ふだんは静かな境内はしばし感嘆の声に包まれる。長床越しに見るライトアップは神々しいほどだ。例年の見頃は11月中旬~11月下旬。

長床が造られた頃に植えられたのではないかと考えられている 長床が造られた頃に植えられたのではないかと考えられている

仏像や狛犬など貴重な宝物を拝観

境内の宝物殿には、新宮熊野神社に伝わる平安時代から江戸時代にかけての文化財が大切に保管されている。拝観料に含まれているので忘れずに立ち寄ろう。国の重要文化財に指定されている14世紀の銅鉢、獅子に乗った文殊菩薩騎獅像、迫力ある不動明王像、木造薬師如来坐像、木造十二神将立像、大般若経、銅製鰐口、牛玉宝印版木など。神社なのに仏教関係の宝物が多いのは神仏習合の時代が長かったからだ。平安時代に長床に鎮座していたと考えられているケヤキ製の狛犬と獅子も必見。

宝物殿で拝顔できる木造文殊菩薩騎獅像。日本遺産「会津の三十三観音めぐり」の構成資産になっている 宝物殿で拝顔できる木造文殊菩薩騎獅像。日本遺産「会津の三十三観音めぐり」の構成資産になっている

長床の隣にある鋳銅製の梵鐘は14世紀頃のものとされ、福島県最古。県指定重要文化財だ 長床の隣にある鋳銅製の梵鐘は14世紀頃のものとされ、福島県最古。県指定重要文化財だ

スポット詳細

住所
福島県喜多方市慶徳町新宮字熊野2258
電話番号
0241230775
時間
8:30-17:00
※冬期(12-3月)は土日祝のみ見学可
料金
[拝観料]大人300円、高校生200円、中学生以下無料
※団体割引あり
駐車場
あり(30台)

情報提供: ナビタイムジャパン

このスポットを紹介している記事

クチコミ

  • 銀杏の頃に再訪したいです
    5.0 投稿日 : 2022.05.23
    新宮熊野神社...
  • 黄金に染まる平安の拝殿
    5.0 投稿日 : 2021.11.28
    長床は、平安時代後期、源頼義が前九年の役に出征の際、戦勝祈願のために勧請し建立した古社・熊野神社の拝殿です。44本の柱が等間隔に並ぶ吹き抜けの神秘的な空間で、平安期寝殿造りの香りを伝えています。拝殿内には正面又は背面から靴を脱いで上がることができます・・つまり、吹き放しとは言え、神様のいらっしゃる所ですから土足は厳禁です。建物の前に聳える樹齢800年以上と云われる銀杏の御神木が、周囲に黄色い...
  • 国指定重要文化財の熊野神社の拝殿と、仏都会津を象徴する仏像
    5.0 投稿日 : 2021.01.26
    平安末期-鎌倉初期に由来する、熊野神社新宮の拝殿「長床(ながとこ)」巨大な木造神殿は茅葺きのまま大切に保存されて、大イチョウと相まってとても厳かな佇まいを見せています。参道を通ると凛とした空気が流れる不思議な場所です。また、以前はこの長床の隣に神仏習合の名残りとして文殊堂が建っていて、そこに収められていた平安時代の文殊菩薩騎獅像は現在は宝物殿に収蔵されています。片田舎にあるような仏像ではな...

TripAdvisorクチコミ評価

もっと見る

アクセス

最寄り

          周辺の駅はありません。 周辺のバス停はありません。 周辺の駐車場はありません。 周辺のインターチェンジはありません。
          行程表クラウド ティザー

          - NEARBY HOTELS -

          周辺のホテル

          NAVITIME マイプレイス インバウンドプランの紹介
          + -
          back
          open

          周辺のスポット

          このスポットを共有

          back

          クリップボードにコピーしました