七日町通り
城下町の通りをそぞろ歩き。新しい楽しい会津を発見する
中心地七日町通りは大正時代の町並み
JR只見線七日町駅からまっすぐ延びる七日町通りは会津の長い歴史のなかでつねに街の中心として賑わってきた。一度衰退したこの通りは、かつて無人駅から駅カフェに生まれ変わった七日町駅をはじめ、大正浪漫のレトロな町並みとしてよみがえり観光客に人気の通りである。約800mの通りの両側には明治後期から大正、昭和初期に建てられた古い蔵や洋館が軒を連ね、また蔵や商家をおしゃれにリノベーションした店も立ち並び、雑貨、菓子、カフェなど店先をのぞきながら歩くのが楽しい。また貴重な歴史的資源も多く、七日町駅から近い阿弥陀寺には鶴ヶ城から移築された御三階、東軍墓地、新選組斎藤一の墓がある。
人情味のある店主が温かく迎えてくれる
1914年(大正3)に竣工、ルネッサンス様式を取り入れた会津初の洋風店舗建築・白木屋漆器店はその外観を見るだけでも価値がある。1階には重箱や椀、箸など伝統の漆器類が販売されているが、2階は、建築当時のインテイリアがそのまま残された商品陳列場になっている。土蔵造りの別棟の資料館には会津塗の歴史を紹介する展示があり、無料で見学できる。通りの反対側には、ほうきやかごを軒先に並べている庶民的な稲忠畳店(いなちゅうたたみてん)がある。「どうぞどうぞ」と明るい声の主は稲村キミ子さん。昔ながらの接客がうれしい。「観光は景色を見て食べるだけじゃない。土地の人と話すのが思い出になるのよ。だから私は観光の人とも会津弁で話すの」と語る。
会津の郷土料理「みそ田楽」を頬張る
七日町通りから桂林寺通りを少し入ったところにある満田屋は、会津の郷土料理「みそ田楽」を味わえる店。江戸末期の1834年(天保5)に創業し味噌一筋に営業してきた。味噌蔵を改装した広い店内にはレストランも併設され、さまざまな土産も並ぶ。「みそ田楽」をその場で食べることもできる。「こんにゃく」「豆腐生揚げ」、つきたての「おもち」、ご飯を半分つぶした「しんごろう」、そして「身欠きにしん」を串に刺し、赤味噌に砂糖と薬味を練り込んで味付けした独自の味噌ダレを付けて囲炉裏の炭火で焼くのが人気。独特の味噌の甘味が口の中に広がる。
野口英世青春通りはカフェでくつろぎながら
世界的な医学者、野口英世が15歳から19歳までの青春時代を過ごした通りであり、また年齢に関係なく心がいつまでも若々しい街「青春」通りでありたいという意味で名づけられた。会津若松市の中心から南北に延びた通りには、野口英世が手術を受けた病院、会陽医院の跡があり、現在は1階がカフェ「会津壹番館」、2階が資料館の「野口英世青春館」で人気のスポット。
隣には大正時代の豪商の蔵と住まいを公開する福西本店があり、見学の最後に「しおぐら」でランチやカフェもおすすめ。野口英世青春広場に立つ銅像には、フォトスポットとして立ち寄りたい。レンガ敷きのこの通りはレトロ調で趣があり、野口英世が世界へ飛び立った夢の滑走路だったといえるかもしれない。通りの南にあるホテルニューパレス1階「Deco」のスイーツは自家製で好評。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン