八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館

資料/郷土/展示/文学館

まるで出土品の美術館。国宝もじっくり鑑賞できるスポット

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である是川石器時代遺跡は、出土品の美しさで知られている。これらを見学したいと思ったら、遺跡に隣接する是川縄文館に足を運ぼう。国宝「合掌土偶」も鑑賞できる。

館内には「縄文カレー」や「せんべい汁」などのメニューが提供されるカフェ、ミュージアムショップも併設されている} 館内には「縄文カレー」や「せんべい汁」などのメニューが提供されるカフェ、ミュージアムショップも併設されている

古代の世界に入り込んで縄文美を鑑賞

是川縄文館は、隣接する是川遺跡や風張1(かざはりいち)遺跡の調査・保存などを通じて、東北の縄文文化を発信することを目的に設立された。1階で受付を済ませたら、常設展示室のある2階へ向かおう。是川縄文館は展示室のみ有料となっている。暗闇のなか、赤いライトで縄文模様が浮かび上がる神秘的な雰囲気の「縄文の道」を抜けると、「縄文くらしシアター」に到着する。大きなスクリーンに映し出されるのは、緑豊かな是川の地で暮らす縄文人の秋の一日だ。悠久の昔に、ここで暮らしていた人たちに思いを馳せながら、展示室へ。展示室は「縄文の美」と「縄文の謎」の、大きく2つに分類。そのうち「縄文の美」の展示室では、是川遺跡の特徴である漆に着目した「漆の美」、是川と風張の各遺跡で出土した土器や土偶を展示する「是川の美」「風張の美」という3つの展示コーナーが並ぶ。各展示室の出土品はそれぞれライトアップされているため、その美しさがいちだんと際立つ。まるでギャラリーのような雰囲気だ。

薄暗い空間に、まるで1点ずつ浮かび上がるかのように出土品が展示されている} 薄暗い空間に、まるで1点ずつ浮かび上がるかのように出土品が展示されている

現代的な視点から縄文を探る展示室

次は「縄文の謎」の展示室へ。ここは研究室をイメージした造りになっている。それまでの展示コーナーが、縄文の世界にどっぷり浸って出土品を鑑賞する空間とするなら、ここからは発掘調査で明らかになった謎を、現代的なアプローチで解き明かし学んでいく、という趣向だ。展示室の床面には、発掘調査図面が原寸大で描かれている。このエリアから2000点以上もの木製品や漆製品が出土したことを思うと気分も高まってくる。是川遺跡からは、漆が塗られた容器のほか、弓や櫛、腕輪などが出土している。そのため、縄文時代で最も円熟した漆文化があったと考えられており、縄文時代の漆の技術は現代と変わらないものだとか。是川遺跡の象徴ともいえる漆に関する展示は特に充実しており、漆の櫛や腕輪などを実際に装着して、縄文ファッションを楽しめる体験展示も用意されている。

「縄文の謎」の展示室では、発掘調査と分析によって判明した当時の植生環境なども学べる} 「縄文の謎」の展示室では、発掘調査と分析によって判明した当時の植生環境なども学べる

木胎漆器の復元工程。漆塗りの装飾は、美しさの演出だけでなく耐久性を高める効果もある。木胎とは木を素地(ベース)とした漆器のこと} 木胎漆器の復元工程。漆塗りの装飾は、美しさの演出だけでなく耐久性を高める効果もある。木胎とは木を素地(ベース)とした漆器のこと

是川縄文館所蔵の「宝」の数々

是川縄文館の来館者のお目当てといえば、やはり風張1遺跡の国宝『合掌土偶』だろう。同遺跡からは、約70点もの土偶が出土しているが、完全な形をしていたのはこの1体だけという奇跡の出土品だ。合掌土偶はその名のとおり、祈るように手をあわせるポーズをとった3500年前の土偶。専用の展示室の中央にこの1体だけが飾られており、ミステリアスな雰囲気が漂っている。時間を忘れ、ここでゆっくり鑑賞していく人も多いとか。展示室を抜けると、図書閲覧コーナーがあり、発掘調査に関わった考古学者の寄贈書や館蔵図書が数多く並んでいる。「合掌土偶はもちろんですが、たくさんの蔵書や積み重なっていく研究の成果も当館の大切な宝だと思います」と話してくれたのはボランティアガイドの方。ボランティアガイドの解説は無料で、1週間前までに予約が必要。時間があれば利用してみよう。

国宝『合掌土偶』。国宝展示室を抜けたところに「合掌土偶の履歴書」が展示されている。こちらもお見逃しなく} 国宝『合掌土偶』。国宝展示室を抜けたところに「合掌土偶の履歴書」が展示されている。こちらもお見逃しなく

アトリウムには「縄文くらしシアター」のワンシーンがタペストリーとして飾られている} アトリウムには「縄文くらしシアター」のワンシーンがタペストリーとして飾られている

スポット詳細

住所
青森県八戸市大字是川字横山1 map map 地図
電話番号
0178389511
時間
9:00-17:00(最終入館16:30)
休業日
月(祝日・振替休日の場合は開館)、祝日・振替休日の翌日(土日祝の場合は開館)、年末年始(12/27-1/4)
料金
[入館料]一般250円、高校・大学生150円、中学生以下無料
※特別展の場合は異なる
※20名以上の団体料金あり
駐車場
あり(普通車86台、大型バス6台、障がい者用3台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY、その他)
Wi-Fi
あり(Hachinohe-city-wifi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
30-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 合掌土偶と漆文化
    5.0 投稿日 : 2022.01.29
    八戸市の南部にある縄文遺跡の博物館です。有名な出土品の合掌土偶や漆製品が展示されており、非常に見応えがありました。
  • 見応えのある出土品
    5.0 投稿日 : 2021.06.21
    国宝「合掌土偶」をひと目観たくて訪れた。コロナ禍のウィークデーと会って人はほとんどいない。常設展示室は「うるしの美」「是川の美」「風張の美」の三つのテーマで、出土品を紹介している。規模はさほど大きくないが整然と展示された縄文期の出土品が並ぶ。まず驚いたのは、漆を塗った土器や木の漆器など。鈍い赤漆が実に印象的。縄文といえば土器しか思い浮かばなかったが、これほど完成度の高い漆器類があるとは驚きだった...
  • 是川縄文館のメインは、なんといっても「合掌土偶」ですね。興味深かったでした。
    5.0 投稿日 : 2020.07.21
    是川縄文館のメインは、なんといっても「合掌土偶」ですね。興味深かったでした。合掌をしているような形をしている土偶だから「合掌土偶」と言われているらしいです。現代人がつけた名前です。ただ、疑問に残るのは、縄文時代、これを作った人が「現在の合掌の意味合いで作った」かは定かではない。ただ単に手を合わせただけかもしれない。他の意味合いかもしれない。「合掌土偶」を見ながらそのように感じましたね。とても興...

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