ホキ美術館

美術館

日本唯一の写実絵画専門美術館

目の前のモチーフをできるだけリアルに再現する「写実」という手法。現代の美術では主流とはいえないこの表現方法に注目したユニークな美術館が、千葉市郊外の住宅地のなかにある。

人物画が中心に展示されているギャラリー2 人物画が中心に展示されているギャラリー2

日本の美術シーンに一石を投じた美術館

JR外房線の土気駅から徒歩約20分、落ち着いた住宅街の街並みに不思議な建物が現れる。明らかに普通の住宅とは異質のコンクリートと鉄を組み合わせたオブジェのような建物は、医療関連製品を扱う株式会社ホギメディカルの創設者である保木将夫氏の個人コレクションをもとに造られた施設。2010年(平成22)にオープンした世界でもまれな写実絵画だけを収蔵した美術館だ。
19世紀にヨーロッパで写真が発明されると、それまでの「対象をあるがままに描く」という絵画は写真にとって代わられて急速に廃れ、印象派等の新しい美術表現が誕生する一因になった。それにより写実絵画の芸術性が損なわれたわけではないが、それまで絵画芸術の主役であった写実絵画はその座を奪われることになった。しかしながら作品の評価や好みは極めて個人的なもの。写実絵画の魅力にひかれる人だって大勢いる。そのひとりが保木将夫氏であり、個人的に収集した作品を多くの人に見てもらい写実絵画の魅力を知ってもらうために造られたのがこの美術館だ。

美術館の正面。一見美術館にも住宅にも見えない不思議な建物 美術館の正面。一見美術館にも住宅にも見えない不思議な建物

鑑賞者への心づかいを感じられる展示

ホキ美術館は日本唯一の写実絵画専門の美術館としてユニークな存在だが、美術館の建物自体もかなり個性的だ。美術館の入り口は長いスロープを上がっていった先、細長い建物の中間辺りにあり、入って左は美術館のスペース、右は併設のイタリアンレストランの入り口。建物は地上1階、地下2階建てになっていて、展示スペースも3フロアに分かれている。廊下のような細長い展示スペースは、全部合わせると500mもの長さになるという。それなりの距離を歩くことになるので、展示スペースの床には疲れにくい素材が使われている。最初の展示スペース(ギャラリー1)は地上階。おもに企画展が行われるスペース。ゆるやかにカーブしている細長い廊下のようなスペースの両側に作品が飾られている。美術館の展示では室内の照明は落として、作品にスポットライトを当てることが多いが、ここは自然光も入るようになっているので、展示スペース全体が明るい。照明にはLEDが使われており、自然の光に近い環境で作品を鑑賞できるようにデザインされた空間だ。

鑑賞への気持ちが高まるエントランスへのアプローチ 鑑賞への気持ちが高まるエントランスへのアプローチ

おもに企画展が行われるギャラリー1の展示スペース おもに企画展が行われるギャラリー1の展示スペース

写実絵画との向き合い方

ギャラリー2以降は常設展のスペース。細長い展示室は同じだが、地下階となるので人工の照明が使われている。地下2階の一部に暗い展示スペースはあるが、全体的に自然な明るさのなかで作品が鑑賞できるようになっている。作品は人物画を中心に、静物画、風景画など、いずれも近づいて見ても絵とは思えないほど、細部にいたるまで対象が再現されている。「リアルに描かれた絵画は写真と同じ」という人もいるが、実際に作品の前に立って目の前で絵を見つめていると、写真とは決定的に違う「何か」を感じるはずだ。同じ平面でありながら写真にはない立体感なのか、人物画が放つ存在感やオーラのようなものなのか、具体的に表現するのは難しいが、表面に見えるものだけを描いているのではなく、空気感を含め、対象物の内面にまで迫って表現していることが伝わってくる。

大作が並ぶギャラリー8 大作が並ぶギャラリー8

美術館自体もすばらしいアート

展示されている作品の数も多く、集中して鑑賞するとかなりのエネルギーを使うこの美術館、ひと休みするなら地下1階のミュージアムカフェ、あるいは1階のイタリアンレストラン「はなう」へ。「はなう」では本格的なイタリアンのコースランチ、またはコースディナーをいただける。同じく1階にはミュージアムショップがあり、写実絵画をモチーフにしたユニークなオリジナルグッズを買うことができる。絵画の鑑賞だけでなく、建物の鑑賞も忘れずに。駐車場がある正面とは反対側、裏側へ回ってみよう。建物の一部が30mも空中に突き出したユニークなデザインは「日本建築大賞」にも選ばれており、建築に興味をもつ多くの人が見学にきている。

人物画がプリントされたクッキーと一筆箋 人物画がプリントされたクッキーと一筆箋

ユニークな建物の外観も一見の価値あり ユニークな建物の外観も一見の価値あり

スポット詳細

住所
千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
エリア
ベイエリア
電話番号
0432051500
時間
10:00-17:30
休業日
火、展示替え時期(5月と11月の中旬)、年末年始
※HPでご確認ください
料金
【入館料】
[一般]1,830円
[高校生・大学生・65歳以上]1,320円
[中学生]910円
[小学生以下]無料(大人1人につき小学生2人まで)
駐車場
あり(40台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、DinersClub)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、nanaco)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
ベジタリアンセレクション
あり(要事前相談)
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】3,001-5,000円
滞在目安時間
120分以上
車椅子での入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 狐の毛皮の表現の見事さ、小川の水の流れと光、せせらぎ表現は一見の価値あり
    5.0 投稿日:2021.01.31
    気が遠くなるような綿密な作業の繰り返しで、作品ができあがっているのだなと感服せざるを得ない作品群でした。狐の毛皮の表現の見事さ、小川の中で流れに身を任せている女性の、水の流れと水中の衣服の表現の凄さ、毛糸で編まれたセーターの編目など、驚きの連続でした。動線もわかりやすく、一度は行ったほうが良い美術館だと思います。
  • 住宅街に佇むコンクリートの塊
    5.0 投稿日:2020.12.09
    実は「写実」と「写真」を見間違えて訪問した。館内は写実絵画のみを扱っている。駐車場完備だが、さほどの台数は停められない。外から見ると2階くらいの高さしかないが地下が奥深く、ダンジョンをひたすら降りていく感じがする。人物画も風景画もひたすら写実で、なかなかの見応え。最寄駅から遠いので、クルマで行かれることを薦めます。
  • 美しい写実絵画の数々
    5.0 投稿日:2020.10.04
    まるで写真のような写実絵画専門の美術館です。絵が好きな方はもちろん、なんで写真のように見えるのだろうという視点で鑑賞するのもいいかと思います。プロフィールにYouTube動画のリンクがありますので是非ご覧になって下さい。

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