中津峡
紅葉の名所として知られる、奥秩父随一の景勝地
荒川の支流である中津川。渓谷と緑の山々のコントラストが美しい
四季折々の自然に彩られた渓谷美を堪能する
長野県との境に源を発する中津川が、山あいをぬって流れ、V字形の深い谷間を形づくる中津峡。そのうち、旧塩沢地区から中津川地区にかけての約10kmが県の名勝地に指定されている。断崖は秩父古生層と呼ばれる1億4千万年以上前につくられた固い岩盤で、自然が豊かな景勝地として有名なだけでなく、自然科学の研究対象としても重要な地域だ。樹木はケヤキやカエデをはじめブナ、ナナカマドなどを観賞できる。秩父でいちばんの巨木といわれる「西沢の大カツラ」があるのもこのエリア。特に紅葉の名所として知られ、見頃は10月下旬から11月上旬にかけて。イワナ、マス、ヤマメなどの渓流釣りや山菜採りも楽しめる。
中津峡の入り口で水をたたえる「奥秩父もみじ湖」
秩父市街から国道140号線を走ってくると、「雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)」という名の巨大ループ橋を通って「奥秩父もみじ湖」に到着する。滝沢ダムの完成によってできたこの湖がいわば中津峡の玄関だ。湖面は鮮やかな碧色をしていて、思わずその美しさに見とれてしまう。特に湖に架けられた中津川大橋からの眺めは、奥行きと広がりがあってまるで絵画のようだ。橋を過ぎたところにかつて塩沢集落があったが、ダムの完成によって沈み、現在は「塩沢望郷広場」という展望台がある。ここから先の県道210号は渓谷がぐっと狭くなり、中津峡らしい風景になる。
大自然がつくり出す季節の絶景に出合う
中津川大橋から6kmほど走った相原橋に比較的大きな駐車場があり、紅葉シーズンのみ売店が出て名物の「しし汁」も味わえる。持桶(もちおけ)トンネルの手前にある「女郎もみじ」は、あでやかな名前のとおり真っ赤に染まった姿が美しい、特に人気のスポットだ。その少し先に「出合の氷壁」と呼ばれる場所がある。夏は岩壁に樹木がへばりつく荒々しい景色だが、冬になると岩肌を流れる水が凍って一面が氷壁になる。中津峡の大自然は、午前中は光が差し込みひときわ美しく見えるが、午後は深い谷に日差しが入らず気温も低い。渓谷美を楽しむなら午前中に訪れるのがおすすめだ。
中津川集落を経て渓谷の最奥へ
県道210号から離れて、中津川沿いに市道17号の狭くて曲がりくねった道を走ると中津川集落に至る。集落はかつて江戸時代の科学者・平賀源内(ひらがげんない)が住み、自身が設計したという「源内居」という建物が今も残っている(秩父市指定文化財・非公開)。さらに進むと「彩の国ふれあいの森 埼玉県森林科学館」のモダンな建物が現れる。森林や林業の大切さを体験できる学びの施設で、宿泊施設「こまどり荘」を併設している。1泊して渓流で遊んだり、森林トレッキングを楽しむのもいいだろう。
スポット詳細
- 住所
- 埼玉県秩父市中津川
- エリア
- 秩父周辺エリア
情報提供: ナビタイムジャパン