箱島湧水

澄んだ空気がすがすがしい「箱島湧水」の水源地

1日3万tの豊かな湧き水

「箱島湧水」は、自然豊かな東吾妻町にある水源。湧き水は鳴沢川となり、町内の飲料水や農業用水などに使われている。水温は通年13℃ほどで硬度は55.0mg/ℓの超軟水。水質が良く、1985年(昭和60)に環境省の「名水百選」に選出された。
その水が湧き出るのは、木々に囲まれた大自然のなか。かたわらに鎮座する「箱島不動尊」の御神木で、町の天然記念物でもある樹齢500年の「箱島不動堂の大杉」の根元から、こんこんと湧き出てくる。湧出量は、なんと1日3万tという豊かさ。水面をのぞくと、どこまでも透明で、木漏れ日を浴びて光り輝いている。

辺りはとても静かで聞こえるのは心地良い水の音だけ

自然散策を楽しみながら水源地へ

「箱島湧水」へは、JR吾妻線・小野上駅から徒歩30本ほど。車なら県道35号・渋川東吾妻線を走れば看板が見えてくる。脇道を少し上ると駐車場も整備されている。そこから箱島湧水までは約250m。歩いてほんの2～3分の距離だ。
近づくとまず「山雀(やまがら)の瀑」と呼ばれる滝が見え、水の流れ落ちる音が響いてくる。そのまま進むとあずまやが建ち、訪れる人を出迎える。見上げると大きな杉の木がそびえる。その根元が水源だ。その清らかな流れを感じながら、周囲の豊かな自然を満喫したい。

湧き水が滝となって流れ落ちる「山雀の瀑」

自然と神秘を満喫できる周辺スポット

「箱島不動堂の大杉」の脇に延びる石段を上ると、「箱島不動尊」が静かに鎮座している。その昔、榛名湖に沈めた位牌がこの水源から出てきたとされることから、「箱島湧水」は榛名湖とつながっているという言い伝えがあり、その位牌は、今も不動尊に納められている。祀神の不動明王は、治療・安産・災害除けの神とされ、3月の第3土曜には祭りが開かれる。
県道に出る手前には、釣りと食を楽しめる「あづま養魚場」が。バラエティ豊かな釣り堀で釣りを楽しめるほか、「箱島湧水」の湧き水で育てたニジマスやヤマメ、イワナの料理を提供する食事処も併設。群馬県産の最高級のニジマス「ギンヒカリ」も味わえる。
また、鳴沢川流域では、6月中旬から7月下旬にかけて、清んだ水を求めてホタルが群生する。

「箱島湧水」を見下ろす境内に鎮座する「箱島不動尊」