茨城県天心記念五浦美術館

美術館

4.0

県北部エリア

海を一望できる美しい風景の中にたたずむ美術館

近代日本美術の発展に大きく貢献した岡倉天心をはじめ、横山大観、菱田春草など五浦の作家たちの作品を鑑賞できる美術館。近現代の日本画を紹介する企画展も随時開催されている。

建築設計は内藤廣が手がけている

岡倉天心にゆかりの深い五浦(いづら)海岸の崖上にある、1997年(平成9)に開館した美術館。設計は、これまでに美術館、博物館、駅舎など多くの建築物を担当してきた内藤廣が手がけ、景勝地としての景観も考慮して、建物のボリュームを抑えた造りになっている。美術館の立つ五浦は、天心が1906年(明治39)に日本美術院第一部を移転して以来、天心と、その指導を受けた横山大観らが移住した歴史的な地だ。ここでは、五浦の作家にまつわるさまざまな資料が所蔵され、研究が続けられている。車では北茨城ICから約15分で、JR常磐線の大津港駅からはタクシーで約5分ほど。市内循環バスでも訪問することができる。

切妻屋根が連続した低層の建物で、天井部分のプレキャストコンクリートのトラスが特徴

美術書が並ぶ美術情報ライブラリーでは、珍しい書物も閲覧できる

館内の「岡倉天心記念室」では、岡倉天心の業績が、書簡や遺品などの資料によって詳しく紹介されているほか、横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山など、岡倉天心からの指導を受けた、五浦にゆかりのある画家たちの作品も展示(年6回の展示替えにより紹介)。天心の生涯を伝える常設展示のほか、テーマを設けて収蔵資料等を展示するテーマ展示もあり、年に2回ほど展示替えが行われている。毎日2回、ギャラリースタッフ(展示解説員)による岡倉天心記念室ガイドも無料(要入場券)で開催されているため、来館の際にはぜひチェックしたい。また、「岡倉天心記念室」のほか、A、B、Cの3つの展示室があり、おもに近現代の日本画を中心として、名品を紹介する企画展が定期的に開催されている。

天心に関する資料と五浦の作家4人の作品を見ることができる

年に5～6回の企画展を開催している

ミュージアムショップでは美術品に関わる書籍やグッズだけでなく、北茨城の名産品なども販売されている。天心がボストン美術館勤務時代に愛用していたというデザインの「風呂敷」(2200円)や、茨城大学がサザコーヒーと共同開発したご当地コーヒー「五浦コヒー」(900円)が注目商品だ。また、カフェテリアカメリアでは、窓外に広がる太平洋を眺めながら、ランチやカフェを楽しめる。あんこう唐揚げ入りの「五浦ブラックカレー」(1350円)、茨城県産のブランド肉常陸牛とローズポークの合い挽きを使用した「旨いもんハンバーグ御前」(1880円)など、茨城県産の食材を使ったメニューの数々がそろい、白米も茨城県産こしひかりが採用されている。

館内のガラスには岡倉天心のレリーフをモチーフにした衝突防止シールが貼られている

スポット詳細

住所: 茨城県北茨城市大津町椿2083 地図
エリア: 県北部エリア
電話番号: 0293465311
時間: 9:30-17:00(最終入館16:30)
休業日: 月(祝・振休の場合は翌日)、年末年始(12/29-1/1)
料金: 【入館料】
[一般]190円
[満70歳以上]90円
[高校生・大学生]120円
[小・中学生]80円
※企画展は別料金
駐車場: あり(125台)
クレジットカード: 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済: 可(QUICPay、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi: あり(IBARAKI-FREE Wi-Fi)
コンセント口: なし
喫煙: 不可
平均予算: 【昼】1-1,000円
滞在目安時間: 30-60分
車椅子での入店: 入館可
乳幼児の入店: 入館可

情報提供：ナビタイムジャパン

クチコミ

高齢者は極めて安価で観賞可能

投稿日 : 2023.04.23

家内と五浦観光ホテルに宿泊した時は、ちょうど「旅するチバラキ -連作《水郷めぐり》の全貌-」が開催されていた。我らが住んでいるのは茨城県内常磐線最西端の「チバラキ」地区でこの企画展に興味を持った。結果的には私的には大成功な企画展だと思った。
岡倉天心って誰？て言う人も

投稿日 : 2023.01.08

「日本美術界に貢献した人」と言われてもいまいちピンと来なかったが、こちらに来て展示品や説明を見て偉大さをようやく理解できた。施設は綺麗で開放感があり、厳かな雰囲気さえ感じる。基本美術館の為、美術品を展示しているのは勿論だが、愛用品や手紙等も展示しており、博物館の側面もある。中でも(名前失念)相手を水面の月に例えて反論されている手紙のやり取りはいかにも文化人同士の言葉の応酬で、叙情的で興...
内藤廣設計のプレキャストコンクリートを多用した建築が見事

投稿日 : 2022.02.16

この地に美術院を置いて拠点としていた岡倉天心の作品を中心とした美術館です。作品展示も素晴らしいですが、何といってもプレキャストコンクリートを多用した建物自体が素晴らしいです。内藤廣の設計です。大スパンの大きなプレキャストの構造物が組み合わされ見ごたえがあります。