松月氷室

人気ナンバー1の「生いちごプレミアム」1100円

120年の歴史と想いがこもる天然氷

通年でかき氷を提供している松月氷室。まず注意点として、暑い時期はやはり行列必至だ。店舗のうしろに回るとイートインできるテントがあるが、基本的に夏季はテイクアウトのみとなる。1894年(明治27)に天然氷の蔵元として創業して以来、昔ながらの製法を受け継いできた。社長の吉新(よしあら)昌夫さんは現在、日光市内だけでも15軒の店に氷を卸しながら、この直営店を営んでいる。「いろんな店に上質な氷を提供し、いろんな人に喜んでもらい、みんなを幸せにしたい」と吉新さん。冬、氷池に湧水を引き、約1000平方メートル(300坪)の氷池が凍るまで毎日足を運び、不純物が混ざらないよう清掃を繰り返す。氷ができあがったら約100tに及ぶ氷を切り出し保存。そうして想いのこもった天然氷が全国の人々に提供される。120年を超えて今に残る日光の恵み、その感動をここで味わえる。

店舗表側。2022年(令和4)夏季はまず店舗うしろ側で整理券を受け取り、ウェイティングスペースで呼ばれるまで待機する形で営業

バラエティに富んだシロップに目移り

天然氷を彩るシロップ。松月氷室ではなんと30種以上ものシロップを展開している。初めての訪問では確実に目移りしてしまうはず。迷ったらコレ！というオススメは、鹿沼産のイチゴを使用した「生いちごプレミアム」。甘みも酸味も絶妙なイチゴのおいしさを、ふわふわの氷と一緒に堪能できると同時に、冷えた口の中を生クリームがほどよく中和してくれる。松月氷室のシロップのテーマは「おいしい素材の力を引き出す」こと。そのためイチゴ以外も最高の素材を仕入れることに力を入れているそう。それでも価格は良心的。幸せを届けたいという店主の情熱を感じる。

生フルーツの芳醇な味わいと氷のふわふわ食感を同時に楽しめる

撮影スペースも設けている。大人から子どもまで楽しそうに過ごしテイクアウトしていく

メロンが器？メロンメロン

ほかにもシロップは「宇治金時」や「宇治抹茶ラテ」「ピスタチオベリー」「あんず杏仁」「生桃ピーチティー」など、生の素材を生かしたものや趣向を凝らしたものが並ぶ。見た目でびっくりするのは、メロンを器にした「メロンメロン」。仕入れのあるタイミングでしか提供されない幻の一品で、価格は時価となっている。メニューにあればラッキー。そのときはぜひオーダーしたい。

メロンメロン。まもなくできあがり。使用するメロンはそのときによって異なる

手前から「あんず杏仁」(1100円)、安定した人気の「宇治金時」(1100円)、「生いちごプレミアム」(1100円)など