ヤマロク醤油株式会社

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100年以上続く醤油蔵で、伝統的な醤油造りを知る

伝統的な木桶仕込みの醤油造りを守りつつ、次世代に引き継いでいくための取り組みにも力を入れている醤油蔵。100年以上使い込まれた大きな木桶が並ぶ醤油蔵の中を見学してみよう。

杉でできた大きな木桶(きおけ)が並ぶ、昔ながらの醤油蔵を見学できる} 杉でできた大きな木桶(きおけ)が並ぶ、昔ながらの醤油蔵を見学できる

木桶を使った昔ながらの醤油造り

小豆島には「醤の郷(ひしおのさと)」と呼ばれるエリアがある。昔ながらの木造の醤油蔵が立ち並び、古くから醤油造りが盛んに行われてきたエリアだ。小豆島で特徴的なのが木桶を使った醤油造り。工業用タンクではなく、杉でできた大きな桶を使って醤油を仕込む昔ながらの製法で今も醤油造りを続ける蔵が残っている。そんな木桶の並ぶ醤油蔵を見学できるのがヤマロク醤油だ。木桶仕込みの醤油の特徴は、蔵によって醤油の味が違うこと。それは、醤油造りに欠かせない乳酸菌や酵母菌といった微生物の量やバランスが、蔵によって違っているから。大豆と小麦と塩というシンプルな原材料から微生物の働きによってさまざまな味わいの醤油が造り出される。そんな醤油造りの奥深さを感じてみてほしい。

蔵の内部は薄暗い。この蔵の梁や土壁の中で、何十種類もの酵母菌や乳酸菌が生きている} 蔵の内部は薄暗い。この蔵の梁や土壁の中で、何十種類もの酵母菌や乳酸菌が生きている

木桶仕込みの醤油造りを含む讃岐の醤油醸造技術は、2021年(令和3)に国の登録無形民俗文化財に登録された} 木桶仕込みの醤油造りを含む讃岐の醤油醸造技術は、2021年(令和3)に国の登録無形民俗文化財に登録された

登録有形文化財の蔵を見学

ヤマロク醤油の蔵は明治初期に建てられたもので、国の登録有形文化財に指定されている。見た目はボロボロに見えるが、醤油の醸造に欠かせないたくさんの菌たちが住む大切な場所だ。蔵の中にはたくさんの木桶がずらりと並んでいて、1つの木桶の大きさは高さ・直径ともに約2m。その直径にあわせた穴が開いた板の上に乗って、木桶の中で今まさに醸造されている醤油の様子も見ることができる。木桶の寿命は約100~150年といわれているが、実はこの大きな木桶を作ったり修理したりできる会社が2009年(平成21)当時日本に1軒のみとなってしまっていた。このままでは木桶の醤油が造れなくなってしまうと考えたヤマロク醤油の社長は、2011年(平成23)の秋、ある取り組みをスタートさせた。

蔵の見学は無料、予約も不要。見学希望と伝えれば、すぐにスタッフが対応してくれる} 蔵の見学は無料、予約も不要。見学希望と伝えれば、すぐにスタッフが対応してくれる

木桶の表面は今にも崩れそうに見えるが、ここにもおいしい醤油を造るための菌が住んでいる} 木桶の表面は今にも崩れそうに見えるが、ここにもおいしい醤油を造るための菌が住んでいる

木桶職人復活プロジェクト

コストと手間がかかる木桶の醤油造り。戦後、多くの醤油メーカーがタンクを使った醤油造りに切り替えていき、木桶を作る職人も減ってきた。そんな状況で、木桶醤油の未来を危惧したヤマロク醤油が立ち上げたのが「木桶職人復活プロジェクト」。社長自ら桶職人に弟子入りして木桶作りを学び、その後は自社でも木桶を製造。この取り組みは全国に広がり、醤油蔵だけでなく味噌蔵や酒蔵など、今でも木桶を使っている各地の蔵とともに活動を続けている。ヤマロク醤油で造っている醤油は2種類だけで、1つは丹波の黒豆を使った濃い口醤油の「菊醤(きくびしお)」。もう1つは、1~2年熟成させた生醤油をもう一度桶に戻し、さらに大豆と小麦を加えて2~3年仕込む「再仕込み」という製法で造られた「鶴醤(つるびしお)」だ。「菊醤」は完成までに約2年、「鶴醤」は約4年かかる。長い時間をかけて木の桶で造られる醤油は、プレミアムな醤油として海外での人気も高まっている。

「菊醤」と「鶴醤」はヤマロク醤油でも購入できるほか、島内の多くの土産物店でも取り扱っている} 「菊醤」と「鶴醤」はヤマロク醤油でも購入できるほか、島内の多くの土産物店でも取り扱っている

次世代に本物を伝えていきたい

この先も木桶仕込みの醤油造りを残していくために、木桶作りを始めたヤマロク醤油。醤油を搾った際に出る搾りかすも、野菜や果樹の肥料にしたり乳牛の飼料にするなどして、以前は廃棄するしかなかったものを今では100%再利用するなど、SDGsにも積極的に取り組んでいる。日本人にとって身近な調味料である醤油だが、こうしたストーリーを知るとちょっと特別なものに見えてくるはずだ。島内の土産物店ではさまざまな醤油蔵の醤油を扱っているので、小さいサイズのものをいくつか購入して、蔵ごとに違うというその味を比べてみるのも楽しそうだ。また、プリンやソフトクリーム、シェイクなど醤油を使った小豆島のご当地スイーツもぜひ味わってみてほしい。

「鶴醤」を使った「醤油プリン」440円。添えてあるのはカラメルではなく、丹波黒豆の煮汁} 「鶴醤」を使った「醤油プリン」440円。添えてあるのはカラメルではなく、丹波黒豆の煮汁

ヤマロク醤油があるのは細い路地が入り組んだ住宅地なので、大型車で訪れる際は注意} ヤマロク醤油があるのは細い路地が入り組んだ住宅地なので、大型車で訪れる際は注意

スポット詳細

住所
香川県小豆郡小豆島町安田甲1607 map map 地図
電話番号
0879820666
時間
9:00-17:00
休業日
無休
駐車場
あり(15台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club、その他)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、Apple Pay)
Wi-Fi
あり(かがわ Free Wi-Fi)
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 100年を超す醤油の木桶には麴やら菌がへばりついて壮観。
    5.0 投稿日 : 2021.10.22
    快く見学をさせてくれて然もきちんとした説明を受けて、ほどほど感銘を受けました。応対のお兄さんに感謝いたします。
  • 古い
    4.0 投稿日 : 2020.09.11
    古い造り醤油屋です。また古民家の中を行くので車が大きいとぶつけそうです。またすれ違いはできないため譲りあってです。醤油は昔ながらのおけで小汚いですが風情があっていいです。まあ美味しい醤油です。
  • 道が細い
    5.0 投稿日 : 2020.09.09
    とっても細い道を通っていきます。対向車が来るとバックげ大変でした。見学は15分程度です。小汚いですがこれが1番エコなんですね。また醤油は美味しい。お土産でついつい買いました。

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アクセス

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